ファンドレイジングは今、新たな時代へーFRJ2024開催報告
日本ファンドレイジング協会が主催する日本最大のファンドレイジングカンファレンス「FRJ2024|ファンドレイジング・日本~新たにつながろう、共創の未来へ。(開催期間:2024年2月21日〜3月31日)」が40日間におよぶ会期を終え閉幕しました。
ご参加いただいた皆様ならびにご登壇の皆様、協賛パートナー、ボランティアとしてご尽力いただいた皆様に、まずは心より御礼申し上げます。
オープニングセッションの模様
ファンドレイジングの最新動向や国内外の実践事例を学ぶ同カンファレンスは、2020年のコロナ禍以降、オンラインでの開催が続いていました。今年、4年半ぶりに対面イベントを東京・有明で開催し、また47本のオンデマンドセッション(動画視聴型)との組み合わせにより、深い学びとつながりの機会をご提供しました。
オンデマンドの参加者を合わせた総参加者数は、日本全国さらには海外から1,169名に達しました。NPOはじめ企業、大学などさまざまなバックグラウンドの方々にご参加いただき、セクターを越えたつながりが生まれました。
FRJ(ファンドレイジング・日本)は、今年で14回目の開催となります。FRJ2024の開催にあたって、私たちはひとつの問いから出発しました。「ファンドレイジングは新時代にいけるか」ー。社会課題解決に取り組むアクターが多様化し、そこに向かうお金の流れが急速に変わる中で、「ファンドレイジング」は今、変化のときを迎えようとしています。
(写真右から)湯浅誠氏、米良はるか氏、新浪 剛史氏
オープニングセッションでは、経済同友会代表幹事の新浪 剛史氏(サントリーホールディングス株式会社 代表取締役社長)、READYFOR株式会社代表取締役CEOの米良はるか氏(一般社団法人インパクトスタートアップ協会代表理事)、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長の湯浅誠氏のパネルトークが行われました。
2023年7月の経済同友会とインパクトスタートアップ協会、新公益連盟の連携協定の締結以降、社会課題解決を目指しセクターを越えた協働が急速に進む様子と、それぞれの立場から今見えている世界観について意見が交わされました。
高齢化や少子化、地域コミュニティの衰退といった共通の社会課題を背景として、アジアの国々と課題解決のためのアプローチや実践を共有し、学び合う取り組みが進んでいることも紹介されました。
「日本の取り組みの発信をアジアの国々が待っている」と語るアジア最大の資金提供者のネットワークAVPNジャパンのエリクセン恵シニアマネージャー
「こども食堂」や「居場所」といった日本独自のアプローチのアジア展開の可能性について語る、全国こども食堂支援センター・むすびえの湯浅誠理事長
私たちは、「ファンドレイジング」が既存の枠を超え、その力が新たな時代の変革と進化に貢献することを信じています。国境、セクター、営利・非営利といった垣根を越えて、よりより社会を目指しFRJ2024に集ったお一人おひとりが、自分自身の使命や目標に向かって前進し、新たなステージへと進むための何かをこのカンファレンスで見つけていただけたことを願っています。
FRJ2024では、期間中、47本のオンデマンドセッションが提供されました。自主企画のセッションや協賛パートナーによるセッションなど、ファンドレイジングのトレンドや実践を学べる多種多様なセッションが展開され、総視聴数は9,457回と歴代最多を記録しました。
視聴者から「今まさに知りたい内容ばかりだった」や「ファンドレイジングの基礎を学ぶことができた」といった感想が聞かれるとともに、参加者の間で全セッションを視聴する取り組みが広がりを見せるなど、FRJのオンデマンドセッションの今後に新たな可能性を感じるものとなりました。
オンデマンドセッションの一覧はこちら
Highlights of FRJ2024
つながりを力に。若手ファンドレイザーのコミュニティが誕生
若手ファンドレイザーが切磋琢磨し合うコミュニティ「ユースチャプター」が誕生しました。ユースチャプター主催のファンドレイザーのキャリアを考えるセッションは立ち見がでるほどの盛況となり、チャプターメンバーも一気に100人を超えました。
ユースチャプターの詳細はこちら
本格的なファンドレイジングにこれから取り組む団体とファンドレイザーをマッチングする「ファンドレイジング実践プログラム」の9か月にわたるトライアルが終了し、FRJ2024で成果報告が行われました。
プログラムに参加したファンドレイザーのお一人、岸本尚子さんから「出身地である但馬の団体をサポートしたいという想いでプログラムに参加しました。地域格差を越えて、ファンドレイジングサイクルが日本中に広がっていく可能性をもったプログラムだと感じました」という感想が聞かれました。
ファンドレイザーとしてプログラムに参加した岸本尚子氏。実践プログラムの詳細はこちら
※「ファンドレイジング実践プログラム」は2024年度も実施を予定しています。詳細が決まり次第、日本ファンドレイジング協会のウェブサイトでご案内します。
オープニングセッションでは日本ファンドレイジング大賞の発表も行われました。先駆的なファンドレイジングの取り組みを行ったNPOや企業を称え、その活動を広くご紹介することを目的とした同賞は今年、9億円を超えるクラウドファンディングを成し遂げ、日本全国の博物館が直面する課題に光を当てた独立行政法人国立科学博物館に贈られました。
第14回日本ファンドレイジング大賞を受賞した国立科学博物館の有田寛之氏
(詳細はこちら)
FRJ2024は新たなイベント運営を目指し、さまざまな挑戦を行いました。配布資料の簡略化・廃止によるペーパーレス化の推進や、マイボトル・マイカトラリーの利用推奨、交流会のフードロスの削減にも配慮を行いました。
また、あらゆる参加者のアクセシビリティ向上を目指し、オンデマンドセッションへの字幕の導入を積極的に進めました。なかでも、対面イベント当日、ボランティアの全面サポートのもと実施したリアルタイム文字字幕(UDトーク)の導入は、翻訳機能を活用した外国語を母国語とする参加者からも好評を得ました。
当会は、2021年から寄付・社会的投資が進む社会の実現という想いのもとに集まる一人ひとりの個人や、一つひとつの団体や活動がもつ可能性が最大限に発揮され合うエコシステムを育むため、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
年に一度のFRJは、私たちのエコシステムの存在とそこに住まう人々の多様な挑戦を可視化し、その深化を確かめ合う場所です。私たちはつながりを力に変え、互いに補い合い、育み合うことで、社会課題の解決というひとりでは決してたどり着くことのできない場所に向けて、歩みを深めていくことができます。
「新たにつながろう、共創の未来へ。」日本ファンドレイジング協会は、2025年1月18日、FRJ2025を東京・TOC有明コンベンションホールで開催することを決定しました。それぞれの中にある想いを、問いを、ひと所に集め、響かせ合うことで生まれるエネルギーで、新しい時代の扉を開く。再び、皆様とともに自らの可能性を広げる喜びを分かち合う瞬間を心待ちにしています。
Thank You To Our Sponsors
最後に、本カンファレンスの開催を力強く支え、ともに歩みを進めてくださったスペシャルパートナー、協賛・後援パートナーの皆様を心からの感謝とともにご紹介させていただきます。
Special Partner
協賛パートナー
後援パートナー
内閣府
外務省
文化庁
独立行政法人国際協力機構
特定非営利活動法人NPO会計税務専門家ネットワーク
特定非営利活動法人エティック
社会福祉法人大阪ボランティア協会
公益社団法人企業メセナ協議会
公益財団法人公益法人協会
特定非営利活動法人国際協力NGOセンター(JANIC)
公益財団法人助成財団センター
日本NPO学会
公益社団法人日本フィランソロピー協会
公益財団法人日本フィランソロピック財団
認定特定非営利活動法人日本ボランティアコーディネーター協会
FRJ2024特設サイト:https://jfra.jp/frj
日時:2024年3月9日(土) 9時30分~20時00分(交流会あり)
会場:TOC有明 コンベンションホール(地図)
セッション総数:26
【FRJ2024 オンデマンド】
視聴期間:2024年2月21日(水)〜3月31日(日) 40日間
セッション数:47(対面イベントのアーカイブを含めて56)
総視聴回数:9,457回
参加者数:1,169名(オンデマンド視聴限定参加者を含む)
登壇者数:171名
ボランティア数:41名
Special Partner、協賛・出展パートナー総数:28社・団体
後援パートナー総数:15社・団体
主催:認定NPO法人日本ファンドレイジング協会
FRJ2024特設サイト:https://jfra.jp/frj
(写真撮影)太田陽介氏、吉岡マイケル氏
【お問合せ】
日本ファンドレイジング協会FRJ2024事務局
お問合せフォーム:https://jfra.jp/contact