プレスリリース|日本ファンドレイジング協会が新たに始めた『ファンドレイジング実践プログラム』第1弾、対象団体と担当ファンドレイザーのマッチングが成立
寄付・社会的投資が進む社会の実現を目指す認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会(以下、「当協会」)は、本格的な活動資金調達にこれから取り組みたい非営利団体と、戦略的ファンドレイジングの実践の場を求める有資格ファンドレイザーを相互に結びつける新しいプログラム『ファンドレイジング実践プログラム』(以下、「本プログラム」)を開始し、この度、第一弾のマッチングが成立しました。
全国で活動する特定非営利活動法人やソーシャルベンチャーなどの団体(以下、「NPO法人等」)は、近年、次々と顕在化している社会課題解決の担い手として期待を寄せられています。こうしたNPO法人等の財源は、助成金や補助金、寄付や会費、事業収入の3つに主に分類され、事業を成長させるためにはそのバランスを取ることを目指すべきとされています。それでも、特定の財源に偏重させてしまう団体は多く、内閣府の調査でも、「収益源の多様化」を主要な課題として抱えている団体が数多いことが明らかになっています*。
収益源の多様化や事業成長を実現するために、本格的な資金調達に初めて取り組む団体にとって、スキルや専門知識をもつ外部人材、すなわちファンドレイザーのサポートを得ることができるかどうかの影響は小さくありません。
しかしながら、これまでは、どのようにすればそういったサポートを得ることができるのかが見える化されていませんでした。
2023年6月に当協会の実施した意識調査*の結果からもわかるように、これから戦略的な資金調達の第一歩を踏み出したい団体は増えており、ファンドレイザーとのマッチングの枠組みが一層必要となることが想定されています。
一方、当協会の主催する「准認定ファンドレイザー必修研修」の累計受講者は6548人とその裾野を広げていますが、そうして体系的な知識を習び、ファンドレイザーとしてのキャリアを歩みたいと考えた人の多くが、「外部から活動資金を調達する実務経験を積みたい」と希望しても、その機会が不足していることが、当協会の研修などを通じてわかってきました。
准認定ファンドレイザーが認定ファンドレイザーとなるには、有償の実務経験が求められる
そこで、本プログラムは、資格を取得しキャリアをスタートするファンドレイザーが、当協会による実務的なフォローアップを受けながらファンドレイジングの準備から実践に一貫して取り組むことで、団体とファンドレイザーの双方が本格的な資金調達の最初の成功体験を掴み取ることを目的としています。
本プログラムを通じて、ファンドレイジングに戦略的・継続的に取り組む団体と、その実務を任せられるファンドレイザーの双方が増えて、より一層多くの寄付や社会的投資が、それを必要とする活動に届けられる社会の実現を目指します。
*「令和2年度 特定非営利活動法人に関する実態調査」(2021年8月)
*「2023年度ファンドレイジング従事者に対するファンドレイジングの取り組みに関する意識調査」(2023年6月)
■プログラムの概要
目的 | 今後本格的に活動資金の調達に取り組むNPO等と、実務経験を積みたいファンドレイザーのマッチング |
対象 | (団体)主たる事務所を日本国内に置く非営利組織・ソーシャルベンチャー ※法人格を問わない (ファンドレイザー)認定ファンドレイザー有資格者、ファンドレイジング・スクール修了生、伴走支援ファンドレイザーとして認証された方 |
内容 | 団体とファンドレイザーがチームを組成し、ファンドレイジング計画の策定・実行・レビューを実施する |
期間 | 2023年7月~2024年3月 |
参加費 | 1団体あたり100万円 |
期待する成果 | 目標100万円以上を目安とする財源面の成果に加え、最初の成功体験を経て、プログラム終了後も継続的に組織全体でファンドレイジングを実施する推進力を得ること |
■チャレンジ団体のコメント(五十音順)
https://acc21.org
ACC21は「人々が温かいつながりのなかで共に生きる、多様な”コミュニティ”に彩られた世界の実現」をめざし、アジアで活動する国際協力NGOです。本年度策定した中長期計画のなかでも特に財政基盤の強化を行い、組織・事業の持続的な発展を実現するため、専門性を持つ方々からのサポートを受けたいと、今回応募しました。
地域まるごと子育て縁では、子育て家庭と地域の人々がお互いに頼り・頼られる関係の構築を目指した仕組みづくりを行っています。財源基盤の構築において、ファンドレイズならではの「幸せの総量が高まる仕組み」が当該事業にマッチすると考え、この度応募させていただきました。
https://community-nurse-laboratory.com/
私たちは若者が自分らしさを活かし地域の人々と一緒に挑戦し社会貢献していくことで、社会全体を元気にすることを目指し、新しい学びと挑戦拠点「ユース出雲」でコミュニティと場づくりを行なっています。今回のファンドレイジングを通して、事業への波及効果、中長期的な財政基盤づくりを期待しています。
https://tms-net.org/
~但馬地域でずっと暮らしていくために~この理念のもと、私たち但馬を結んで育つ会(TMS)は、医療・介護・福祉・行政等の連携を推進し、医療・福祉の包括的かつ継続的な提供体制を構築して、適切なサービスが切れ目なく効率的に提供される環境を整備することを目的に活動しています。人口減少・高齢化が進展し、医療・介護崩壊が危惧される情況の中で、私たちTMSの活動への支援の輪が広がっていくことを期待しています。
https://www.homestartjapan.org/
ホームスタートは家庭訪問型子育て支援で、現在、32都道府県119地域で活動中です。NPO法人ホームスタート・ジャパンはその中心として、全国で活動地域を広げ、利用家庭を増やすための広報や地域団体の支援をしています。新たに中期計画を策定し事業拡大に乗り出す今年、財務基盤を強化する好機になると大いに期待しています。
(日本ファンドレイジング協会 副代表理事)
ファンドレイザー育成のフェーズをこれまでの「学習」に「実践」を加えていけないかと考えています。それができる段階にきたと思いますし、それが社会的に求められていると痛感しています。だから、どうすれば、より適切な実践の場をつくれるかの試行錯誤を始めることにしました。一緒に実験をしてくださる方は歓迎です。
(日本ファンドレイジング協会 法人連携パートナー)
ファンドレイジングの現場では、目標、戦略、施策等が団体によって異なります。だからこそ、団体とファンドレイザーが力を合わせて、「ファンドレイジングを通じて社会を変えるための戦略」を描き、やり切ることが重要です。両者が強みを活かし合い、「ファンドレイジングにおける成功体験」を掴むことができるプロジェクトを創りたいと思います。
(日本ファンドレイジング協会 ディレクター)
社会課題と支援者をつなぐファンドレイザーの重要性は年々高まっている一方、これまでファンドレイジングの学びを深めた方々が幅広く実践を積む機会は非常に限られていました。また、ファンドレイザーの力を必要としている団体側にも、外部支援者の受け入れには不安の声がありました。今回のチャレンジが両者をつなぎ、社会課題の解決が加速することを願っています。
【本リリースに関するお問い合わせ先】
認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会
事務局次長 宮下真美
〒105-0004 東京都港区新橋 5-7-12 ひのき屋ビル 7 階
URL:https://jfra.jp/ Email:pr@jfra.jp