ファンドレイジングの最新情報無料

Newsお知らせ 

一人ひとりの挑戦を育むエコシステムの先に寄付・社会的投資が進む社会を目指して|Annual Report 2022-2023

2023.06.20

報告

日本ファンドレイジング協会は、寄付や社会的投資が進む社会の実現を目指し、ファンドレイジングや寄付の担い手を育み、一人ひとりの可能性が最大限発揮されるエコシステムの形成に取り組んでいます。
 
設立14年を迎え、当会の事業は多岐にわたり、新たな試みも次々と生まれています。しかし、その始まりには必ずひとりの人の願いがありました。私たちのエコシステムが広がりと深化を見せる今、あらためて一人ひとりの挑戦を見つめ、皆様とともに重ねてきた一歩一歩を振り返ります。
 

Our Stories
一人ひとりの物語から取り組みを振り返る

 

「何かあったときに助けてと言える仲間ができました」
2022年度ファンドレイジング・スクール修了
戸井田 由奈さん(2021年入会・長野県)
NPO法人長野県NPOセンターコーディネーター/長野市市民協働サポートセンター副センター長/認定ファンドレイザー


2021年に准認定ファンドレイザー資格を取得したものの、実務経験がそれほどあるわけではなく、ファンドレイザーを名乗ることにためらいがありました。同時に、中間支援組織で仕事をする中で、「NPOにはお金がない」という認識を変えていきたいという想いがありました。ファンドレイジング・スクールへの入学を迷っているとき、背中を押してくれたのは奨学金の存在でした。

9か月間にわたるスクールで色々な方のお話を聞く中で、なぜファンドレイジングをするのかということを掘り下げて考えることができました。ファンドレイザーには孤独なイメージがありましたが、全国につながりが生まれ、何かあったら助けてと言える仲間ができたことがすごく大きな成果でした。

 

「社会貢献を伝えるツールが一つ増えたことが心強いです」
カードゲーム「from Me」第1回公認ファシリテーター養成講座に参加
北川 力さん(2016年入会・高知県)
認定特定非営利活動法人NPO高知市民会議 理事/土佐女子中学高等学校 事務長/社会貢献教育ファシリテーター/准認定ファンドレイザー

社会貢献教育ファシリテーターとして、高知県内で「寄付の教室」をはじめとする社会貢献教育に取り組んできました。何か新しいツールがほしいと思っていたときに、寄付を身近に体験できるカードゲームができたということで体験会に参加しました。

自分たちの普段の活動が色々なところにつながっていて、やり方ひとつで社会を変えていけるということがゲームを通じて体感できました。小学生から大人まで幅広い年齢の方が一緒に取り組めるこのゲームを体験された方がどういう風に次のアクションにつなげていくのか楽しみです。社会貢献を伝えていく上で、子どもたちの学年に応じて使えるツールが増えたことが心強いです。

寄付・社会的投資の進む社会の実現へ
一人ひとりの挑戦を支える健やかなエコシステムを育んでいく

 

 
2023年6月13日に通常総会を開催し、2022年度の活動報告と2023年度の事業計画が承認されました。日頃より活動をともにしてくださる皆様に心より感謝申し上げますとともに、今年度もエコシステムに関わるすべての皆様とともに前進し続けたいと考えています。
 
2023年度通常総会 議案書:https://jfra.jp/pdf/2023_soukai.pdf

Highlights of the year|2022-2023
新しい挑戦を、一人ひとりの皆様とともに

 
寄付を身近に体験できる新たなカードゲーム「from Me」を日本全国へ
 


カードゲーム「from Me」特設サイト

 
寄付や社会的投資が広がる社会に向けて、寄付の担い手を育む社会貢献教育の事業において、新しい展開がありました。「Learning by Giving」や「寄付の教室」といった従来のプログラムに加えて、新たに寄付を身近に体験するためのカードゲームを開発しました。
 
113名のご寄付によって誕生したカードゲーム「from Me(フロムミー)」は、自身の寄付や投資が、社会を良くしていくことにつながっているという言葉で伝わりにくい「感覚」を、体験を通じてつかむことができるものです。
 


体験会には子どもから大人まで4か月でのべ300人以上が参加しました

 
5月に行われた初回の「from Me」公認ファシリテーター養成講座は、22名の方が受講しました。寄付をすることが寄付者自身の幸せにもつながる社会の実現に向けて、公認ファシリテーターの皆様とともにこのゲームを日本全国に広げていきます。
 
※体験会の模様(3分動画)はこちら(今後の体験会の開催についてはこちら

グローバル連携の推進ーインパクトが生まれるところにお金が流れる仕組みをつくっていく

 


韓国の企業財団との協働で新しい取り組みをスタートしました

 
当会は、社会課題解決の担い手であるNPOやソーシャルビジネスが生み出すインパクトを可視化し、そこに向かう寄付や社会的投資の流れを促進する取り組みを行っています。2023年度はグローバルな連携を進め、インパクト志向の新しい資金提供モデルを構築していきます。
 
韓国SKグループの企業財団であるCenter for Social value Enhancement Studies(CSES)との協働により、社会課題の解決に取り組むインパクト志向の事業者を対象に、創出されたインパクトと連動した年間最大1,000万円を3年間にわたり資金提供する新しいプログラム「アウトカムファンド for IMM」をスタートしました。
 


2023年5月16日に行われた「アウトカムファンド for IMM」発表フォーラムの模様

 
また、AVPN(Asian Venture Philanthropy Network)の日本事務局を担い、日本・アジアにおけるベンチャーフィランソロピー・インパクト投資に関するネットワークの形成を進めてまいります。これらの取り組みを通じて、インパクト志向のお金の流れをより一層促進していきます。

すべてのファンドレイザーに多様な学びと成長の機会を

 


オンライン開催された年次カンファレンス「FRJ2023」には806名が参加しました

 
当会は、2021年以来、ファンドレイジングの担い手たるファンドレイザーの挑戦と応援が循環するエコシステムの形成に取り組んできました。多様化するファンドレイザーのキャリアを受け、第1期エコシステムプロジェクトでは4つの領域において「専門ファンドレイザー認証制度」を創設しました。2023年2月には、のべ91名の専門ファンドレイザーが誕生しました。
 
2023年4月には、多様な学びとつながりを生み出すラーニングハブの構築を目指してシステムリニューアルを実施しました。誰もが、いつでもファンドレイジングを学べる環境を実現するため、一層のシステム化を進めると同時に、対面の機会や偶発的な出会いの場の創造も志向し、イベント・研修ごとに最適な開催形態を模索してまいります。
 


新しくなったマイページ上で研修の申込みを簡単に行うことができます

 
2023年度は、新たなエコシステムプロジェクトとして、初めてファンドレイジングに取り組む団体と実践力を身につけたいファンドレイザーをつなぐ実践プログラムにも取り組んでまいります。

ファンドレイザーが輝く社会に向けてーファンドレイザー意識調査

 
日本ファンドレイジング協会は、6月の総会に合わせて、ファンドレイジングに従事される方々を対象に、資金調達状況や収入変動、今後の見通しなどをたずねる意識調査を実施しました。回答期間が限られる中、131名もの方にご回答いただき、ファンドレイザーの現状の一端を把握することができました。
 


意識調査の結果はこちら

 
ご協力いただきました会員の皆様に厚く御礼申し上げますとともに、今後もこの調査を継続的に実施することで、経年の変化をとらえ、ファンドレイジングの見通しを皆様に共有してまいります。

最後に、寄付や社会的投資が進む社会に向けて、2022年度を通じて当会の活動を力強く支え、歩みをともにしてくださったスペシャルパートナーの皆様を心からの感謝とともにご紹介いたします。

Special Partner2022
寄付・社会的投資が進む社会の実現に向けて、一緒にチャレンジする法人パートナーです。
Special Partnerについて