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プレスリリース|2023年度『ファンドレイジング』フィールドワークが実施されました

2023年度『ファンドレイジング』フィールドワークが実施されました
社会課題解決を志す大学生が「博物館 明治村」と「アジア車いす交流センター」にて、実際の非営利団体の抱える課題とファンドレイジングに取り組む意義を学習

 
寄付・社会的投資が進む社会の実現を目指す認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会(以下、「当協会」)が 2020 年より金城学院大学(名古屋市守山区)人間科学部コミュニティ福祉学科で実施している「ファンドレイジング」(以下、「本授業」)では、昨年に引き続き、講義の一環としてフィールドワークを実施しました。
 
本授業では、当協会東海チャプターを中心に東海地方のファンドレイザーによるサポートもあり、大学生がより実務に沿った学びを得る機会を提供しています。本年は、フィールドワークの場として福祉領域の非営利活動法人にもご協力いただき、参加学生は職員や地域の人々とのコミュニケーションを通じて、各団体の抱える具体的な社会課題と、その解決のために必要なファンドレイジングの取り組みについて学習しました。
 

■「博物館 明治村」フィールドワークについて
 
博物館 明治村は、愛知県犬山市郊外にある、明治建築を保存展示する野外博物館です。入鹿池に面した美しい風景の丘陵地に昭和40年に開村しました。これまでに移築・復原した建造物の数は現在60を超え、この地を訪れる人々が明治の新しい形と心を発見し、体験することができる学びの場・レクリエーションの場となっています。

 
今回のフィールドワークは、博物館 明治村がもつ魅力・課題を調べること、来場者にインタビューを実施することで、来場者の属性を知ることを目的として実施しました。
 
当日は、まず博物館 明治村の湯田晃久所長に、博物館 明治村の設立のきっかけやその後の経過についてお話しいただきました。また、新たな価値を受け入れてきた明治の歴史は、混迷とした現代を生きていくうえでのヒントの宝庫であり、本物の建造物、生き様に触れることができる、その価値を残し、五感を通して伝えていくことが使命であるとお話してくださいました。
 
そして、これまでのファンドレイジングの取り組みについてもお聞かせいただいたうえで、学生らに対し、「1回目の寄付につながる接点づくり」を一緒に考えてほしいと課題を提示していただきました。その後、学生たちはグループに分かれ、丁ごとにフィールドワークを開始。事前授業で準備した質問内容などに基づき、来場者の方々に、どちらから来られたかや、来村の動機などについて尋ねて歩きました。
 

 
フィールドワーク終了後、学生たちからは、 「どのような場所やものがあればもっと楽しめると思うか、また来たいと思えるか、県外からの来場者が増えると思うかを聞いてみたところ、子どもと大人、一緒に来た人によって意見が異なっていたので面白かった」、「幅広い年齢層の方々に愛されていることが伝わった」、「職員の方の明治村のことをほんとに沢山の人に知っていただきたいんだ、という思いが伝わってきた」などといった感想が聞かれました。


博物館 明治村 https://www.meijimura.com/

■「WAFCA」フィールドワークについて
 
「認定特定非営利活動法人アジア車いす交流センター(略称、WAFCA)」は、車いすや教育の支援活動を通じて、アジアの障がい児を取り巻く社会的課題に取り組む団体です。1999年に自動車部品メーカー株式会社デンソーの創立50周年を記念する社会貢献事業の一環として、愛知県刈谷市に設立されました。

 
今回のフィールドワークは、ボランティアさんと協働での車いす修理の体験やインタビューを通して、自分たちが修理した車いすがどんなふうに人や社会に役立っているのか、「活動に参加したい」などと思える魅力について知ることを目的として実施しました。
 
当日は、まずWAFCA事務局で広報やファンドレイジングを担当している近藤みなみさんより、「アジアの障がい児の尊厳と機会が損なわれないバリアフリー社会の実現」をビジョンに掲げるWAFCAの活動についてご講義いただきました。活動の3本柱は、中国、タイ、インドネシアの障がい児へ①車いすの提供②奨学金の提供③バリアフリー工事。また、外から見ると豊富な資金があると思われているWAFCAが抱える課題についてもお聞かせいただきました。そして学生らに対し、「今後、退会されることが懸念される個人会員に今後も関わっていただくためのアクションや、新規会員を獲得する取り組み」などを一緒に考えてほしいと課題を提示していただきました。 
 
その後、学生たちはグループに分かれ、フィールドワークを開始。事前授業で準備した質問内容などに基づき、ボランティアの方々に、始めたきっかけや、なぜ続けているのか、WAFCAの魅力などをインタビューしました。また、その後ボランティアさんと一緒に車いす修理の体験をしました。
 

 
フィールドワーク終了後、学生たちからは、 「車椅子修理を体験してみて、ひとつの部品の不足やつけ間違えが利用者の安全に大きく関わるので、責任感を持って修理に取り組むことが大切だと感じた」、「ボランティアをやっているきっかけは、会社でボランティアの存在を知り、社会貢献で始めた人が多かった。実際にやってみて大変そうではあったが、綺麗になった!などと、喜んでもらえたり感謝されると、やりがいを感じるだろうなと思った」などといった感想が聞かれました。
 


認定特定非営利活動法人 アジア車いす交流センター https://wafca.jp/

■金城学院大学人間科学部コミュニティ福祉学科について
 
この学科では、「ソーシャルウーマン(社会に積極的に参加し、地域住民とともに全ての人々がしあわせに暮らすことができる社会をつくる女性)」の育成を目的とし、多様な分野で活躍するための「社会そうぞう力」「協働実現力」「問題解決力」の3つの力を養うことができます。

 
■本授業について
本授業は、全15回で構成され、非営利組織の経営や資金調達に関する体系的な知識習得と、自らの手でファンドレイジング計画を策定する力やそれを実行するための戦略的思考を身につけることを目標としています。さらに、学生たちは、地域の協力を得て、ファンドレイジングの実践現場に出向き、職員や地域の人々とのコミュニケーションを通じて、課題に取り組みます。
社会福祉を学ぶ学生がファンドレイジングの基礎を体系的に学ぶことで、将来の社会課題解決を担う人材へと成長することを目標とした、当該学科においても新たな取り組みとして提供される実践的な授業です。
なお、本授業を受講し単位を取得することで、「准認定ファンドレイザー(※)」の受験資格を取得することができます。大学の授業内で本資格の受験資格を得ることができるのは、全国で初の試みとなります。
 

 
【授業の特徴】

・大学のカリキュラムの中で、ファンドレイジングを体系的に学ぶことができ、単位取得とともに、准認定ファンドレイザーの受験資格を得ることができる。
・地域や社会の在るべき姿を、多様な人の共感や協力を得ながら、自らの手でファンドレイジング計画を策定する力や、それを実行するための戦略的思考を身につけることができる。
・東海地域で活動するファンドレイザーの講師陣から福祉やまちづくりなどの社会課題解決の実践的な事例を学ぶことで、ファンドレイジングの実践知を知り、ファンドレイザーとしてのキャリアイメージを描くことができる。

 


金城学院大学 https://www.kinjo-u.ac.jp/ja/

 
当協会は今後も大学向けの演習の提供を通じて、これから社会に出ていく学生たちが多様な分野で活躍するためのファンドレイジング力を養うことができるよう、尽力してまいります。
 
※准認定ファンドレイザーは、当協会が行う資格認定制度において付与する専門資格です。NPO運営の全般に関する知識、寄付・会費・助成金の財源獲得に関する知識を習得し、また、ファンドレイジング行動基準を遵守するファンドレイザーとして認証されるものであり、2023年4月現在、1,418名が資格取得しています。
 
【本リリースに関するお問い合わせ先】
認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会
事務局次長 宮下真美
〒105-0004 東京都港区新橋 5-7-12 ひのき屋ビル 7 階
URL:https://jfra.jp/ Email:pr@jfra.jp