【メディア掲載】読売新聞「論点 寄付が当たり前の社会に 小宮山宏氏」
12月5日付の『読売新聞』論点に、寄付月間推進委員長の小宮山宏氏(三菱総合研究所理事長)の寄稿「寄付が当たり前の社会に」が掲載されました。
「寄付月間」について紹介されているほか、弊協会が発行した「寄付白書2017」のデータも引用いただきました。
以下、記事の抜粋です。
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ところが日本における寄付の実態は、そんな期待に見合わない。日本ファンドレイジング協会が編集した「寄付白書2017」によると、昨年1年間の個人寄付総額は7800億円。ほぼ同額の法人寄付と合わせ、寄付の総額は1.5兆円である。海外の場合、個人寄付だけをみても、米国が突出して多く30兆円を超える。国内総生産(GDP)が日本の約半分の英国ですら1.5兆円である。
個人寄付の名目GDPに占める割合(2014年)では、日本の0.12%に対して、米国1.44%、英国0.54%、韓国0.50%となっている。つまり日本は、寄付総額が少ない上、個人寄付が極端に少ない。
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「寄付文化の醸成」とは、寄付のしやすい制度が生まれ、それが社会に浸透し、寄付が当たり前になるということだ。簡単にできることではないからこそ、急務だと考える。その一歩として15年12月から、賛同する企業、NPO、行政などが連携し、「寄付月間」の推進を始めた。政府も閣議決定によって歩調を合わせた。「欲しい未来へ、寄付を贈ろう。」を合言葉に、啓発活動などを行い、3年目を迎える今年は、参加の輪も小学生から社会人までさまざまな世代、全ての都道府県に広がっている。
寄付とは、人がそれぞれの思いをお金に託すことであり、自由な参加型社会の促進にもつながる。コミュニティーの弱体化が懸念される今、つながりを持ち、心豊かに生きる社会を実現するためにも、民間資金の流れを作っていきたい。