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【報告】第4回ファンドレイジング研究会

2009.11.12

第4回ファンドレイジング研究会
■支援者のコミュニティ化■

11月11日、午後6時半から8時半、第4回ファンドレイジング研究会を開催しました。

「ファンドレイジング研究会」は、当協会の会員を対象として、NPOの資金調達改善の事例研究やスキルアップ研修を実施することを目的とするもの。相互の学び合いの環境を担保するために、人数を20名と限定して、参加型で開催することで、ノウハウや知見の集約、共有を図ります。

今回のテーマは、「支援者のコミュニティ化」。

講師には、「たすく」代表の齊藤宇開氏をお迎えしました。

齊藤宇開氏は、元・国立特別支援教育総合研究所教育支援研究部主任研究員で、発達障害のある子ども達への教育を専門とし、保護者や関係機関との連携を図る橋渡し的な役割を担い、地域での障害児者と家族の支援活動を積極的に行っている方です。

齊藤氏は、発達障がいのある人への一貫性と継続性のある支援体制を築くために、「たすく」を立ち上げ、その事業の一環として、インターネットを使ったSNS(Social Networking Service)、「たすくSNS」を運営されています。

はじめに、齊藤氏が、「たすくSNS」の概要を説明されました。

「たすくSNS」は、実名登録制を基本にして、しっかりとしたセキュリティの下で、発達障がいに関する専門家、教職員、障がい児をもつ御家族、さらに障がい児自身が集うオンラインコミュニティ。齊藤氏によれば、このSNSでは、発達障がいに関する知識、施策、相談とアドバイス、さらには子どもたち自身の自己表現の場として、500名近い登録者が、受益者、支援者、当事者の垣根を越えて、毎日、ネット上で活発な情報交換と交流を重ねているそうです。

齊藤氏によれば、発達障害をもつ子どもたちの多くは、適切な指導を受ければ、十分社会にも適応でき、しかも、時には並はずれた才能を開花することもあるとのこと。そのためには、プライバシーや人権が守られた安心できる環境下で、学校、家庭、療育の現場が情報を共有し合い、時には励ましながら支援体制を確保していく必要があり、そのために、このSNSが役立っていると述べました。

次に、「たすくSNS」の担当者である、大久保直子氏が、「たすくSNS」をプレゼンしながら、実際にどのようなネット上でのコミュニケーションが図られているのかを説明。相談する側だった障がい児の母親が、他の母親たちの相談を受ける側になって、新たな生きがいを得て頑張っている例、自己表現の苦手な子どもが、携帯で撮影した写真をSNSに投稿することで自己表現を始めている例、療育のクラスでの様子を動画で保護者に見てもらって自宅でも復習してもらう、といった活用例が紹介されました。

参加者からは、SNSへの登録を促す方法についての質問がでました。大久保氏は、スタッフの名刺の裏に「たすくSNS」への呼び掛けと簡単な説明が掲載されているのを示しながら、活動の中で出会った人へ直接呼び掛けるという方法が一番多いと答えました。

また、「SNSの参加者は、積極的に自分のことを書き込む人、他人へのコメントを書いてばかりいる人、ただ読んでいるだけの人に分かれるが、それに対して何かフォローや誘導はしているのか?」との質問も出ました。大久保氏は、「管理者として把握はしているが、特に書き込みを強要するようなことはしていない。更新の少ないコミュニティにアクセスして”アシアト”を残して、更新を期待していることをさりげなく伝える、良く書き込んでくれる人にお礼のコメントをする、といった程度だ。」と答えました。

続いて、「たすく」のインターンの小野真紀子氏が、最近流行し始めたツイッターを紹介。また、小野氏は、地域の子育てサークルと、オンライン上の育児関連サイトを比較しながら、SNSのメリットとデメリットについて解説しました。小野氏は、SNSの特性として、深い人間関係は築けないが、匿名で本音が語れ、同じ悩みをもつ多くの人の本音に触れることで気持ちが楽になる、時間や空間を超えてコミュニケーションが図れる、あるいは、既存のオフのコミュニティをより活性化するための場となりうることなどを挙げました。最後に小野氏は、ホームページ、SNS、ブログ、ツイッターといったオンライン上のツールの特性を踏まえて、それらを適宜組み合わせて活動に活かしていくことが望ましいと述べました。

発表をうけて、鵜尾が、ツイッターの社会貢献活動における可能性について下記の4点を挙げました。

・ツイッターからブログやホームページへ誘導することによって、団体へのアクセスが増える。
・キャンペーンなどを盛り上げるツールとなる。
・口コミとしてのツイッター経由で人を集めることができる。
・災害支援時など、活動の現場から実況中継することで、支援者に臨場感のある報告が出来る。

また、参加者からも、ネットを使ったファンドレイジングの成功事例が報告されました。

そのひとつが、「夢の病院をつくろう」。「子どものための病院にあるといいと思うもの」を投稿してもらい、それらをリスト化。そのリストに対して、「ショッピングカート」方式で、あたかも買い物をするように寄付するというもの。「怖くない白衣」「一日中眺めていても飽きない天井」といった夢のあるグッズに対して寄付を集め、実際に、こうした夢を実現するこども病院の建設に取り組む団体のサイトです。

その後、2テーブルに分かれてのディスカッションを行いました。テーブルディスカッションでは、各団体でのIT活用の現状や課題など、活発な意見交換が行われました。

毎回、研究会では、終了後に「1時間だけ」の懇親会を開催します。この日も、ほとんどの方が参加され、講師を交えて、和やかな交流と、熱心な議論が続いていました。

なお、研究会では、毎回、終了後の1週間後に、参加者がオンライン上(ファンドレイジングネット:http://frn.npoweb.jp/ )で研究会を振り返る1日書き込みイベントを行います。

研究会の2時間だけではなく、その後に皆で振り返ることで、さらに学びが深まればということで始めたものです。

研究会は会員限定で開催されるものです。会員となって御参加を希望される方は、こちらから会員申し込みをお願いいたします。

(報告:事務局 徳永洋子)