【ご報告】第32回ファンドレイジング研究会
テーマ:世界ファンドレイジング大会報告会
日 時:2012年12月11日(火)18時30分~20時30分
場 所:日本財団ビル 第1+2会議室
講 師:石川圭氏(ハンガー・フリー・ワールド)
田中洋子氏
町井則雄氏(日本財団 経営支援グループ CSR企画推進チーム)
間辺初夏氏(日本ユネスコ協会連盟)
山﨑美加氏(日本財団 ファンドレジングチーム)
徳永洋子(日本ファンドレイジング協会 事務局長)
記 録:山本匡浩(日本ファンドレイジング協会ボランティア、ADRA Japan)
【世界ファンドレイジング大会概要】(徳永洋子)
10月17~19日に世界ファンドレイジング大会(The International Fundraising Congress 以下IFC)が開催された。
IFCは毎年オランダで開催され、今回で32回目。3日間で53セッションが開かれ、世界60ヵ国、1000人以上のファンドレイザーが参加した。日本からは10名が参加。
毎回、世界ファンドレイジング大賞として各国の成功事例が表彰される。今大会では、日本からあしなが育英会の玉井義臣会長が個人ファンドレイザー部門で大賞を受賞した。
今回の研究会では、IFCに参加した5名に印象に残ったセッションを紹介してもらう。
【Emotional fundraising】(石川圭氏)
石川氏にはファンドレイジングと人の感情をテーマにしたセッションを紹介していただきました。
・99%に応える
・なぜ人は寄付をするのか
支援者の感情を理解することで、ファンドレイジングの基本である人の気持ちを動かすことの重要性を再確認できるセッションだった。
【Direct Mail 2.0 Aquiring new donors with direct mail in a digital world】(田中洋子氏)
田中氏には国際郵便をつかったダイレクトメール(以下、DM)がテーマのセッションを紹介していただきました。
・学びのポイント
近年、WEBメールにシフトする流れがあるが、DMで獲得した支援者のほうが定着率が高いという面もある。国際郵便を使ったDMは、国内からのDMより効果がある場合があるが、行なうときには注意する必要がある。
【IFC 2012 所感】(町井則雄氏)
町井氏には、IFCに初めて参加した全体的な所感を紹介していただきました。
・IFCが長く続く秘訣
主催者が、参加者同士がファンドレイザー仲間をつくるためのアイディアを凝らしていることが印象に残った。
・世界と日本の違い
各国の参加者と話して、海外のファンドレイザーの地位の高さが印象的だった。いい意味でぎらぎらしている人が多く、社会のために資金を集めているという意識の人が多かった。
日本でも、ファンドレイザーの地位の向上する仕組みが必要。あしなが育英会の玉井会長が受賞したことは日本のファンドレイザーの国際的なプレゼンスを高める第一歩として重要だと考えている。
・マーケット論としてのファンドレイジング
マーケティング用語を使ったセッションが多くあったが、寄付マーケットの特殊性が強調されていた。
【事業担当者をファンドレイズ仲間にしよう! ファンドレイザーのための団体内コミョニケーション】(間辺初夏氏)
間辺氏にはファンドレイザーと事業担当者のコミュニケーションをテーマにしたセッションを紹介していただきました。
・前提条件
ファンドレイザーと事業担当者の間でトラブルが発生した時には、2つの前提を認めることが必要。
悪い面:上司や同僚など一緒に働くスタッフを選ぶことができない。
良い面:自分自身を変えることができる。
→ 問題解決のためには、自分自身の方向性・道を定めて、それに合わせることが重要。
・ファンドレイザーが心がけたいこと
1) コーズに対する関わり方
2) プロフェッショナリズム
3) 組織発展への理解
4) コーズとドナーの仲介
【Due diligence- how to avoid getting involved with the wrong major donor】(山﨑美加氏)
山﨑氏には組織・団体からの寄付を受けるときに気を付けたいことをテーマにしたセッションを紹介していただきました。
・NPOが寄付を受けるときに注意すること
どんな組織からの寄付なのかに気を付ける必要がある。
・どのようにして組織を判断するのか?
客観的な指標から評価することが重要。
【大会の感想を一言で表すと?】
最後に、講師に大会に参加した感想を一言で発表していただきました。
田中氏:「ファンドレイジングの世界は、もっと広がる」
間辺氏:「びっくりしたけど、驚かない」
山崎氏:「日本のファンドレイザーはイケてる!」
石川氏:「『種』を超えられた!」
町井氏:「わくわく! ギラギラ!」
徳永:「日本初から、日本発へ」
世界大会に参加し、日本のファンドレイジングには底力があることに気付いたという感想が多くあがりました。日本のファンドレイジングを世界に発信していく意気込みを語っていただきました。