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【ご報告】ファンドレイジングセミナー2012 第3回「社会を変えるキャスティング」

2012.12.04

テーマ:「社会を変えるキャスティング」
日時:2012年11月28日(水)18時30分~20時30分
会場:日本財団ビル 2階大会議室
講師:谷口隆太 氏(株式会社電通ソーシャル・ソリューション局 ソーシャル・プランニング部 アソシエイト・スーパーバイザー)
記録担当:村松正彦(日本ファンドレイジング協会ボランティア)

【講師の紹介】
筑波大学第三学群国際関係学類を卒業後、1999年より株式会社博報堂にてメディアおよびマーケティング企画担当の営業を経て、2001年よりセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの国内事業部にて広報・FRを、2004年よりジャパン・プラットフォームの事業部にて事業管理・企業連携を担当する。 2009年電通に入社。以後、ソーシャル・ソリューション局にて、官庁や民間企業とNPO/NGOの連携等に取組む。

【谷口氏の講演】
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今回のセミナーは、一般的な寄付というよりは、報酬を貰うという観点からの話しとなる。そのために企業はどの様な視点で報酬の価値があると判断するか、という話が中心となる。

キャスティング事例1:高血圧の改善を目的とするNPO
高血圧は治療すれば改善するが、多くの人は病院に行っていない場合が多い。
そこで、製薬会社、医療機器メーカ等と医師がコラボレーションして、共同でNPOを立ち上げ、この分野で課題となっていることを、NPO発として発信している。これによって通常では実現の難しい医療従事者と共同での啓発活動(情報発信)が可能となっている。

キャスティング事例2:企業とNPOの共同による、免疫力の向上セミナー
ある企業のヨーグルトは、それを食べる事により免疫力が高まる事が実証実験により検証されているが、その事を商品情報に載せるには薬事法等の法的な課題がある。
そこで医療に関する啓発を実施するNPOと組んで、 NPOの免疫力アップのセミナーの開催の際に、その食品を配るなどを行うことで医療知識とセットでの商品露出を図った。

キャスティング事例3:災害支援NPO
大災害時対応の準備をしていたNPOの事例。実際に東日本大震災が起きた時に、大活躍した。防災訓練のノウハウを持っていたので、災害時に企業のロジスティクスをサポートした。

キャスティング事例4:行政から企業への取組奨励
農林水産省では食料自給率を上げる取り組みを行っており、食料自給率向上に貢献する食べ物として、「お米から作るパン」を取り上げている。そこで、この機械製造を行っている企業は、表彰されたことを自社の宣伝に取り入れている。行政による食品関連のお墨付きは、商品の質の認証になると非常にハードルが高くなるが、違う視点からの評価により別の付加価値が可能となる。

キャスティングの例5:著名人との協働
著名人が「何かしたい」とNPOに連絡して来る場合、お互い納得して上手く進めるためには、本人にとっても仕事になるようにキャスティングする事が大事。あるNPOでは、著名人が支援の現場を撮影した写真展を開催した。

企業との提携の際に気を付けると良い点について
・「良い事を一緒にしましょう」というアプローチは反応は良いが、「何処までやるか」も明確にしないといけない。
・「知られた方が良い事を一緒に知らせて行きましょう」という形で、専門性のあるメッセンジャーとして自身の団体の再価値化を行う事は、企業との良い接点となる。
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【質疑応答】
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質問者:地方で活動している。どうやって企業を巻き込んで寄付を得て行くと良いか?
谷口氏:地方は生活に密着した形の活動が多いと思う。寄付企業も地元に根差した所が多い。例えば、「一緒に子供に○○教えよう」という提案をする。
具体的には、青年会議所など企業経営者が集まる所で、「一緒に地域の子供たちに○○を教えてみよう」と話してみる、など。

質問者:様々な組織が関わる場合、全体を通してバランスを取る中立性を、どう確保しているか?
谷口氏:一番最初の設定をする時に、「皆にとって必要。皆でやる事が大切。」とはっきり言う。また、中立的な所に協力して貰えると良い。学会・協会などに最初に入って貰うと良い。

質問者:企業の人にとってNPOと組む事の意識は、どう変わって来ているか?
谷口氏:企業は、3.11から当事者意識が変わって来ている。「当事者意識」が強くなっている。特に広告業界については、最近の20代は自身でNPO立ち上げたり、運営に関わっている人が多く、当事者意識がある。

質問者:谷口さんにとってキャスティングとは?
谷口氏:それぞれの人をどう組み込めるか?そのために見方を変える事。