Newsお知らせ



【ご報告】第28回ファンドレイジング研究会

2012.07.26

テーマ:「スポーツ分野のファンドレイジング最前線」
日時:2012年7月10日(火)18時30分~20時30分(開場:18時)
会場:会場:日本財団ビル 第1+2会議室
講師:一般社団法人日本トップリーグ連携機構 事務局長 平野祐司氏
一般社団法人アスリートソサエティ 代表理事 為末大氏
一般社団法人アスリートソサエティ 事務局 青木崇行氏

記録担当:村松正彦

【講師の紹介】
平野祐司氏は、日本体育協会や日本オリンピック委員会にて主にマーケティング業務に携わった後、現在は一般社団法人日本トップリーグ連携機構にて事務局長をされています。
為末大氏は、陸上の世界大会において、トラック種目で日本人初をなる2つのメダルを獲得し、3大会連続でオリンピックに出場された陸上選手です。現在は一般社団法人アスリートソサエティの代表理事をされています。
青木崇行氏は、一般社団法人アスリートソサエティ設立時より事務局を担当されています。

hp1

【平野氏の講演】
日本トップリーグ連携機構は2005年に創立された。なでしこリーグ、Vリーグ、JFLらの集まり。それぞれの団体の組織力は弱いので、集めて強くするのが目的。

1984年のロサンゼルスオリンピックで、オリンピックに初めてマーケティングが取り入れられた。その際は、アメリカで既に行われていたスポーツマーケティングの手法をベースに、テレビの放送権、企業のスポンサーシップ、キャラクターマーケティング、チケット販売で収益を上げた。これ以降のオリンピックマーケティングは、ロサンゼルス方式を踏襲している。

近年、スポーツマーケティングを巡る環境は以下の2点が変化して来ている。
①企業の経済状況の変化により、スポーツスポンサーシップからの撤退が相次いでいる。また、代理店は大きなお金の動くイベントでなくては取り扱いをしない。
②企業スポンサーがスポーツマーケティングの投資効果に対して疑問を持っている。「効果測定が難しい」「商品販売に直結するのか」など。
「こんな良いことをしているのでお金を出して下さい」は通用しない。

今後のスポーツマーケティングは、以下のようになって行く。
①独占から多数参加型
会員や企業とのコミュニケーションが大切になる。日本トップリーグ連携機構では、事業報告に行くのは勿論、会員向けに感謝会を年に1回開催している。
②スポーツの価値の再創造
スポーツの価値は勝つことだけでは無い。スポーツは、コミュニケーションハザードの現代において、助け合いながら一丸となる経験が出来るし、健康に良い。
香川県のスポーツクラブをコナミに委託運営。住民の1割が加入して運営費3億を会費でまかなって運営。
この例のように、スポーツの価値をちゃんと作って体系化する事が大切。

hp2

【為末氏の講演】
プロの選手になってから引退までの10年間、自身のブランディングを考えて来た。
一般社団法人アスリートソサイエティは、選手のセカンドキャリアを支援する団体で、競技人生で培ったスキルを使ったイベント開催などを構想中。

特定の選手を好きな理由は、「勝っているから」だけではない。勝ち続ける選手にはなかなかなれないので、勝ち負けに左右されない人気を考えて来た。

プロになった頃、「野球・サッカー・ゴルフはテレビで多く取り上げられる。一方、陸上は露出が少ない」、そんな事を考えている時、料理番組にパーソナルトレーナーが出ていた。そこで、「料理をスポーツの切り口で語るスポーツ選手」というのを考えた。また、女医の西川さんや弁護士の橋本さんなど、「特殊なバックグラウンドだけど、しゃべるのは共通の話題」というテレビ出演者が出るようになって来た。そこで、「社会を語るスポーツ選手」というのを考えた。

2004年からブログ、2006-7年からSNS、2010年からtwitterを始めたが、「勝ち負け」よりも、自身の哲学やストーリーといった「共有」を狙った発信をしている。

選手のファンドレイズは、共感に対して貰えるもの。「この選手が長くスポーツをすると、どんな意義があるか、その先に何が見えるか」を如何に提示出来るかがポイント。

これまで活動が続けられたのは、社会から支援して貰えたから。今後は、医療・地域・教育の問題をスポーツで解決する活動を色々仕掛けて行きたい。

hp3

hp4

【質疑応答】
質問者:日本トップリーグ連携機構は、加盟団体に財政的支援を行ったりしているのか?
平野氏:加盟団体からは年会費を貰っている。こちらからは、審判講習会、審判講演会、マネジメント講習会など、1つのリーグだけでは出来ない事を提供している。また、各リーグから推薦いただいたチームにコンサルティングを行い、経営改善を指導している。

質問者:プロスポーツ選手のセカンドキャリア対策はどのようなものか?
青木氏:セカンドキャリアの対策は現役中と引退後の2つの時期の対応がある。
現役時は、練習時間は最適化すれば、1日3-4時間で済む。なので、空いた時間に勉強をしたり、企業インターンしたりする。
引退後は、スポンサー企業の社員をしたり、起業したりしている。引退した若手選手と若手ベンチャー企業とのマッチングも行っている。