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【報告】第16回ファンドレイジング研究会「クリスマス・歳末キャンペーン徹底比較!」

2011.01.13

【報告】第16回ファンドレイジング研究会
「クリスマス・歳末キャンペーン徹底比較!」
講師:清野陽子(シャンティ国際ボランティア会)
    渡辺日出夫(ADRA Japan)
報告者:山本匡浩 ADRA Japanインターン

今回の研究会は、国際協力NGOでファンドレイジングを担当するお二人が、年末年始に行ったキャンペーン事例を紹介しました。清野さん、渡辺さんそれぞれの団体で「失敗から学んだ」経験を話していただきました。

<1> 事例紹介1「歳末募金キャンペーン」 
清野さんが紹介した事例はシャンティ国際ボランティア会(SVA)の歳末募金キャンペーンです。清野さんはこのキャンペーンに6年間取り組んでおり、試行錯誤する中で得られた教訓を紹介してくださいました。
このキャンペーンでは、SVAに一度でも入金があった人に募金をお願いするダイレクトメール(DM)を送付しています。DMを効果的に送付するために、以下の教訓を得たといいます。

1. 過去に連続して募金した人は、今後も募金する可能性が高い。
2. DM送付を、一度でも入金があった人に限定することで、リターン率が向上する。DM送付のターゲットを狭めることで、リターン数が下がり収入が減るが、それ以上にDMの送料支出を削減することができる。
3. 年末年始はギフトシーズンであるため、リターンが高い。
4. 郵便振込票に入金者の属性(性別、年齢など)を記入する欄を入れることで、支援者の特徴を把握することができる。

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<2> 事例紹介2「クリスマスキャンペーン」
渡辺さんはADRA Japanのクリスマスキャンペーンのために制作した事業紹介ビデオを紹介してくれました。
ADRA Japanの支持母体にはキリスト教会があるため、クリスマスには教会と連携したキャンペーンを行いやすいという利点があるそうです。けれども、これまでの教会との連携は不十分だったと振り返ります。渡辺さんは、教会関係者の「ADRAが何をしているのか知らない。何の事業に寄付したらいいのかわからない」という声を紹介しつつ、ADRA Japanが教会に何を協力してほしいか伝わってなかったといいます。
その現状分析を受けて、寄付先を明確に提示することと、広報(支援)ツールを多様化し協力しやすくことをファンドレイジングの課題として設定したそうです。クリスマスキャンペーンでは事業別のビデオ制作をして寄付先が明確にわかるように改善し、チャリティコンサートの合間に流すという教会関係者が利用しやすい協力方法を提供したそうです。
 http://www.youtube.com/watch?v=Dogl7YUEOQ4(当日紹介した教育支援動画)

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質疑応答では、「すでに寄付をくれている人にさらに寄付を頼むデメリットはないのか?」という質問がでました。それ対して、すでに寄付をした人に増額した寄付額をお願いすると、増額しないお願いのときよりも高い寄付額が獲られたというアメリカの比較調査の事例など、リピーターにもう一回お願いしたほうが、効果は大きいという議論がなされました。
 また、寄付者の高齢化に伴い、新しく寄付をしてくれる人を探す必要に迫られている団体のスタッフからは、寄付者の新規獲得にはどのような方法が有効なのかという質問がだされました。それには、著名人を呼んだイベントや、他団体と協力したイベント、マンスリーサポーターの有効性について活発な議論が交わされました。

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