【報告】第15回ファンドレイジング研究会
「自団体に最適な寄付者データベースを導入するには具体的に何をしたらいいのか?」
報告者:野村英輔(インターン)
今回は、非営利組織が寄付者の情報を整理して活用していく上で、重要になってくるデータベースの活用についてのお話をしていただきました。
はじめは、ワークからはじまりました。
問いは、「あなたの団体の新しいデータベースに登録されるべき個人や団体は、どんな人たちでしょうか?」
続いての問いは、「あなたの団体の新しいデータベースに登録される支援情報は、どのようなものでしょうか?」
皆さんに書いていただいて、それを少しずつ聞きながら、話を進めていただきました。
吉田氏は、全体の進行をされながら、「会員だけでなく、ボランティアの方、イベント参加者などの情報もしっかり管理していくことが重要になってきます」
「資料請求をしてくださった方など、これから会員になってきそうな人の情報をおさえておくことも重要ですね」
「また、同時にグッズ販売でどのようなものがどのような人に売れた、とかそういった情報も大事ですね」
「このような情報はNPO特有のものでもあり、企業用につくられたデータベースとは少し違った面もありますね」
というコメントをしていらっしゃいました。
続いてのワークは、「あなたの団体の新しいデータベースで行いたい業務のうち、ベースとなる(1)会員・寄付者情報管理(2)入金情報登録以外には、どのようなものがありますか?」
これに対しては、参加者の皆さんそれぞれに特色のあるお答えをいただきました。
たとえば、国際協力の団体の方は、寄付金の使い道にどの国が人気があるのか、また、コレクティブハウジングを推進する団体をサポートする団体の方は、入居希望者のデータ、などがあげられました。
そして、次第に具体的にどのようなデータベースを使用するのか、という話に入っていきました。
まずは、吉田氏作成のフローチャートを使って、現在のデータベース活用のニーズを明らかにしました。
それぞれのニーズが様々出されました。
たとえば、住所変更にどのように対応するのか、という問題がありました。
どの団体でも多かれ少なかれ感じられる問題ですね。
これに対しては、参加者の方の意見から、リーダー的人物を軸にして人間関係をつないでおく、だとか、データベースにおいて、人間関係など、様々な側面から情報をリンクによってつないでおくことで、情報を多面的に管理することができる、だとかいうコメントを出していただきました。
Excelは基本的に、こういったリンクができないため、ニーズに対応しようとすればするほど、運用が難しくなってくるような形になっているそうです。
そこで、そのようなニーズをうまくくみとったNPOにもコスト面から見ても非常に使いやすい既製品のデータベースが
サービスとして提供されるようになってきている、ということでした。
そこで、今回は、一例として、salesforce.comをデモンストレーションをしながら、使い方講座を行っていただきました。
また、代表的なデータベース製品の動向、データベース製品を評価する上でのチェックポイント、データベース導入に向けた準備、導入スケジュールのイメージについてのお話をしていただきました。
また、オペレーションにおいて、周囲のスタッフを巻き込むことの重要性、業務に実際にどのように活用していくか、といった、具体的で役に立つアドバイスもありました。
質疑応答では、「請求書や領収書の印刷は効率的にできるのか?」
→簡単にwordファイルでカスタマイズして作成することができる。印刷も簡単に可能。
「本当に非営利団体は無料なのか?」
→現時点では無料である。理由としては、非常に安価なモデルだから。
トレーニングは安価だが必要だということをおすすめしている。
また、1%社会貢献を生かしたプロボノを活用できる可能性もある。
といったものがあり、また、参加者の方からの有益な情報もあり、とても盛り上がりました!
このように盛り上がったところで時間がきてしまいましたが、今週末からもオンラインディスカッションがあります。
ぜひ、ご参加いただければと思います。
今回は、データベースということで、これは米国や英国では、NPO側の手間を省いているにもかかわらず、寄付者は更にカスタマイズされたコミュニケーションをしてもらっていると感じさせることが実現できているそうです。
今回学んだことを生かしていっていただければ幸いです。
ありがとうございました!