グランプリ決定!ピッチコンテスト IDEAS for System Change|お金の流れを変える挑戦をここから【動画公開】
社会のお金の流れを変える革新的なアイディアを競う「ピッチコンテスト IDEAS for System Change in FRJ Special」が、2025年12月6日、日本ファンドレイジング協会主催の年次カンファレンス「FRJスペシャル in Tokyo」の会場で開催されました。
4名のファイナリストが登壇する中、ネットで買い物しながら寄付できる「次世代の募金箱システム」を提案した小室拓巳さんがグランプリに選ばれました。

(写真左から)ファイナリストの門田瑠衣子さん、佐々木信秋さん、小室拓巳さん、大西冬馬さん
社会を変えたいという想いとアイディアを携え、7分間のピッチに挑んだ4名のファイナリストの渾身のプレゼンテーションを、動画でご紹介します。
寄付するお金がない、面倒くさい、きっかけがない。そのすべてに答えを
小室 拓巳さん(株式会社ZOYO 代表取締役CEO)
多くの人が「寄付は良いことだ」と感じている一方で、実際に寄付をした人はごくわずかにとどまるー。この差分をどう埋め、寄付する人を増やしていくのかという問いに対し、最小限の手間と金額で寄付のハードルを徹底的に下げるという発想から、ネットショッピングのついでに「おつり募金」ができる「ポチ寄付」の仕組みを提案しました。
これまで出会うことのなかった4,000人の寄付者を、「一緒に動く仲間」に
門田 瑠衣子さん(認定NPO法人PLAS 代表理事)
20年間、アフリカの子どもたちを支援する活動を続ける中で感じてきた、「寄付は、する側からされる側へと一方向になりやすい」という課題に対し、独自の「PLAS DAO」を発行。これまで出会うことのなかった4,000人の寄付者を、単に団体を応援する存在ではなく、「一緒に動く仲間」へと変えていく仕組みを提案しました。
地域にお金が留まらない、流れてこない、生まれない。その構造を変える
佐々木 信秋さん(一般社団法人トナリノ 代表理事)
過疎地域で14年間にわたり、事業者や団体の伴走支援に携わる中で見えてきた、「地域にお金が留まらない、流れてこない、生まれない」という構造的な課題に対し、地域のお金の大きな流出源である「エネルギー」に着目。エネルギーの地産地消を起点に、ファンドレイジングを通じて共感や愛着をもったお金の地域内循環を生み出し、そのモデルを他の過疎地域にも展開することを提案しました。
対面ファンドレイジングで社会に目を向ける人を増やす、人生をかけた挑戦
大西 冬馬さん(Face to Faceファンドレイザー)
10年間、対面型(Face to Face)のファンドレイジングに従事し、のべ1万5,000人と向き合う中で見えてきた課題を乗り越えるため、日本初の対面型ファンドレイジング専門会社の立ち上げを構想。手数料を下げて導入できる団体のすそ野を広げ、寄付者一人ひとりに合った提案を可能にすることで、社会に目を向ける人のすそ野を広げていくことを提案しました。
審査員との熱い対話の先に見えた想いと覚悟
コンテストには、社会のお金の流れを牽引してきたトップランナーが審査員として参加しました。NPOや事業会社の伴走支援の専門家、ソリューションプロバイダーとして先駆的な立場にいる人、資金提供者など、インパクトを生み出す現場に多様な立場で関わってきた審査員が、それぞれの視点から一人ひとりのプレゼンテーションに向き合いました。
エコシステムで共有できる財産とは何か?生み出した価値をいかに可視化するか? 起業家に問われる「コミットの核」とは?
審査員とのやり取りを通じて、実装する上での課題が見えてきました。しかし、その難しさをも超え、アイディアを実現しようとするファイナリスト一人ひとりの想いと覚悟が浮かび上がってきました。

(写真左上)公益財団法人ミダス財団・山添真喜子Chief Impact Officer、(右上)gooddo株式会社・下垣圭介代表取締役、(左下)株式会社すくらむ・久保匠代表取締役CEO、株式会社kubell・山本正喜代表取締役CEO
審査員と会場の参加者の投票によって、「次世代の募金箱システム」を提案した小室拓巳さんがグランプリに選ばれました。グランプリの発表は、FRJスペシャルのクロージングで行われ、審査員の株式会社ファンドレックス・平尾千絵取締役(写真左)から賞金100万円が贈られました

「非営利セクターに関わるようになって12年が経ちます。当初は、NPOの皆さんを支えるサービスがほとんどなかった状況から、どんどん新しいサービスが生まれてきました。プレゼンの中で『自分たちでエコシステムをつくっていこう』というお話もありましたが、ファンドレイザーやNPOのエコシステムが、確かに育まれてきていることを実感しました。」
「人生をかけた挑戦に、応えていかなければいけないと感じた」
4名のファイナリストによるプレゼンテーションを、「FRJスペシャル in Tokyo」に来場した多くの参加者が見守りました。発表にうなずきながら耳を傾ける姿や、随所で拍手が起こるなど、会場は終始あたたかな雰囲気に包まれていました。
参加者からは、次のような感想が寄せられました。

「皆さんの新しく、素晴らしい取り組みを知れてよかった。参加者が投票できるのもよかった」
「自分より若い人が頑張る姿を見て鼓舞された」
「熱い想いや人生をかけた挑戦に、同じソーシャルセクターに身を置く者として、身の引き締まる思いがした。その想いに応えていかなければと感じた」
それぞれが現場で直面してきた課題に向き合い、乗り越え、お金の流れを根本から変えていこうとするファイナリストの姿は、多くの人の心に何かを残しました。
ピッチ終了後には、ファイナリスト一人ひとりに多くの来場者が声をかけ、アイディアを現実のものにしていくための仲間との出会いにつながる場面も見られました。

最後となりましたが、本コンテストは、株式会社ファンドレックス、株式会社すくらむ、gooddo株式会社の力強いご支援と全面的なサポートによって実現しました。
社会のお金の流れを変えていこうという想いをともにするパートナー各社の皆さまの多大なるご協力に、心より感謝申し上げます。
【ピッチコンテストに関するこれまでの発表】
【ピッチコンテスト】ファイナリスト4組を発表|社会のお金の流れを変える挑戦が結集!グランプリは12月6日「FRJスペシャル」で決定(2025年11月28日)
ピッチコンテスト開催|社会のお金の流れを進化させる、新しい事業アイディアを募集(2025年10月20日)
動画制作:株式会社SAKIRA 野中秀憲
写真撮影:Yosuke Ota



