◆セカンドキャリアを模索する中、辿り着いた「ファンドレイジング」の世界
私はこれまでメーカーに勤める企業人としてキャリアを重ねてきました。30年近くのキャリアの中で経理・財務のような管理系の業務から営業まで様々な仕事を経験してきましたが、基本的にはB to Bの仕事が中心でした。もちろん仕事の中での人間関係というのはありましたが、10年ぐらい前から次のキャリアでは、もう少し人に直接的に関われるような仕事をしてみたいなと漠然と考えていました。“人と直接関わりあう何か”を考えた時に自然と「福祉」という言葉が浮かび上がり、数年前から障がい者支援のNPOにボランティアとして関わるようになりました。
50歳を超える頃からそろそろ本格的にセカンドキャリアについて考え始めなくてはと思うようになりました。ライフシフト、人生100年時代、パラレルキャリア、働き方改革・・・。生き方や働き方のパラダイム変革を肌で感じながら、終業後には毎日のように図書館に籠って自分自身の棚卸しを始めました。これまでの経験やキャリアを活かして、次に何ができるだろう、人との関わりの中で自分を磨き、輝かせてくれるものは何か。そんな時に出会ったのが、ファンドレイジングという言葉でした。 これだったら今のNPOでのプロボノの活動にも活かせるかもしれない。でもファンドレイジングって何?非営利組織のための資金調達活動?認定ファンドレイザー?ファンドレイジングについて調べ始めましたが、一口にファンドレイジングといっても非常に奥が深く幅も広い。これはしっかりとした学び直しが必要だと思い、ファンドレイジング・スクールに入学しました。
◆多彩な人達と駆け抜けた8か月間
ファンドレイジング・スクール初日、多彩な顔触れに驚きました。NPO、企業はもちろん、財団や大学から個人事業主まで様々なセクターで活動する、上は60代から下は20代まで、これまでは凡そ知り合うことがなかったであろう方々とこれから8ヶ月間をともにするのだと思うとワクワクしました。
ファンドレイジング・スクールでは、様々な研修やゼミでの知識のインプット、実際の活動団体のヒアリングを経て、グループでファンドレイジング戦略を立案し、実際の活動団体の方の前で発表も行います。そして、スクール最後の1か月半は、これまで学んできた知識を総動員し、自団体のファンドレイジング戦略の策定をします。この課題に毎日向きあい続けて完成したファンドレイジング戦略の発表の日。「団体のためにこの戦略をやりきるんだという覚悟が感じられた」と講師から頂いたコメントを聞いて、更なる覚悟が生まれました。
◆合同会社の立ち上げ~ファンドレイジングを実践し続ける覚悟~
ファンドレイジング・スクールでは、それぞれが持つ社会課題解決への思いや夢、悩みなどを打ち明け合ううちに同期としての信頼感や仲間感が醸成されていきました。今後何か困ったことがあったらすぐに相談できる仲間ができたというのが、このスクールで得た最大の財産かもしれません。
実際に、ファンドレイジング・スクールの仲間数名と共同でプラットフォームを立ち上げ、それぞれの強みを活かして地域のファンドレイジングに取り組むことになりました。これまでの学びをいよいよ実践の場に移していくことになります。スクールに通わなければなかった出会いと、ハードな課題をこなす中で身についた実行力と覚悟が、想像もしていなかった新しい取り組みに繋がりました。 これからもファンドレイジングを学び続け、そして、実践を繰り返し、 自分を磨き続けていきたいと思います。
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