投稿日:2019年3月22日

ファンドレイジング・スクールで見つけた、これからの人生の「軸」

「どんな組織であっても、いかなる状況であっても、経営資源を獲得し、組織と事業を成長させることができる実践力を発揮してもらいたい」―そんな思いでスタートした「ファンドレイジング・スクール」は、実践力のあるファンドレイザーを目指す人のための日本で唯一の専門スクール。8か月を走り抜けた3期生に、その魅力をお聞きしました。

プロフィール

ファンドレイジング・スクール3期生 小坪拓也さん

◆ 2017年まで約8年間、大手メーカーにて新商品の工法開発・工程管理などに従事。
◆ 同年11月より株式会社トラストバンクに入社。
◆ 自治体向けの毎月自動継続寄附サービス(ふるさとマンスリーサポーター)のサービス設計・要件定義・FR戦略立案などに従事。2018年9月にリリース済み。
◆ 2018年9月 准認定ファンドレイザー資格を取得。
◆ ファンドレイジング・スクール第3期生(2018年度)として、ファンドレイジング漬けの日々を送る。

聞き手

日本ファンドレイジング協会 細貝朋央

私は大手メーカーの技術者からベンチャー企業の新規事業推進室(現戦略企画室)に転職し、右も左も分からない状態であったときにファンドレイジング・スクールに申し込み、その奥深さに「どっぷり」と浸かることになりました。営利企業にお勤めの方に参考になると思い、私がスクールで得たものや今後の抱負をまとめました。

◆ これからの可能性を感じた市場としての「ファンドレイジング」

私は社会人になってから8年間、スマートフォン向け部品などを手掛ける大手部品メーカーの技術者でした。そんな私がファンドレイジングを勉強しようと思うに至った理由は、三つあります。

  1. ふるさと納税寄附税制を扱う会社(営利企業)に転職した。
  2. 将来、事業や経営に携わるための知識を習得したかった。
    MBA(経営学修士)取得 vs.ファンドレイジング・スクール)
  3. ファンドレイザーという職業の希少性・寄附市場の成長性に可能性を感じた。

まずは、ふるさと納税のポータルサイトを運営している株式会社トラストバンクに転職したことです。ふるさと納税については、賛否両論で様々なイメージをお持ちの方がいらっしゃると思いますが、私にとっては地域活性化や地域課題解決のためのツールであり、私はその本質は「支援性の資金の移転」つまり「寄附行為」だと思っています。

また私は技術者の出身ですが、いずれは経営や事業に関わっていきたいという意思を伝えてこの会社に入社しました。そのため、体系立てて実践的に経営を学べるスクールに通いたいと悩んでおり、その時にファンドレイジング・スクールに出会ったのです。

MBA入学と迷いながらも、最終的にファンドレイジング・スクールを選んだのは、ファンドレイザーという職業の希少性・成長性に魅力を感じたからです。加速度的に変化しつづける現代では、成熟した市場に居ること自体が大きなリスクだと考え、今後成長する可能性のある「市場」や「資格」や「ビジネスワード」に積極的に関わっていくことを決めました。

◆ 「応援する者が、応援される」

スクールを通して一番心に残っているのは、入学式で日本ファンドレイジング協会代表理事の鵜尾さんに言われた言葉です。

『応援する者が、応援される。』

スクールで同期となった、非営利組織で活躍されている方の話を聞き、実際の活動を見るようになって、「情けは人の為ならず」ということが人生で初めて腑に落ちた感じがしました。「金銭的報酬」や「目に見えるメリット」を抜きにして誰かを応援することに大きな見返り(つまり共感の連鎖)があることを、たくさん感じさせていただくことができました。
また、少人数制だからこそ、講師や同期とのつながりも深く、授業以外の場でも勉強させていただいたことも、強く印象に残っています。

◆ 「ふるさと納税」「ファンドレイジング」「SDGs」をこれからの自分の軸に

私は、スクールでの学びを通じて、ふるさと納税は寄附であるということの確信を得ました。ふるさと納税は、支援性の資金でありネットショッピングではない。たとえ利用者にとってのきっかけはお得な返礼品だったとしても、その機会を提供するプラットフォーマーや自治体はふるさと納税の本質を理解していなければなりません。利用者を社会課題解決型の思考に誘導する義務があるとさえ、個人的には考えています。

これから私は、社内外問わず関わっていく方に、少しずつファンドレイジングの考え方を啓蒙していきます。日本の寄附市場・ファンドレイジングは世界に大きな後れを取っており、マスマーケティングと混同されがちです。全く本質の異なる2者を切り分けて、ファンドレイジングの認知をしっかりと拡げていく活動に貢献することを決意表明します。行政機関である自治体に特化した「自治体ファンドレイジング」のような分野が成長してきたら面白いと考えています。

また、ふるさと納税は「SDGsに資する活動である」と考えています。地方を救うという意味でも、日本経済を活性化させるという意味でも、そして同時にファンドレイジングの認知を一気に上げる意味でも、「SDGs」というワードは強力な武器になると考えています。SDGs×ふるさと納税という切り口で、地方自治体と企業を結び付けて、各分野にシナジーを生み出していきたいと考えています。

最後に、8か月のスクール生活をご一緒していただきましたスクール同期生・講師の先生方・日本ファンドレイジング協会の方々・課題制作にご協力いただいた自治体の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にお世話になりました。今後とも末永いお付き合いをよろしくお願いいたします。

 

 

Commentsコメント

Related articles関連記事を読む

2023.1.17

ライフワークとして本気で挑み続ける。もったいない系寄付にとどまらない社会貢献の取り組みとは

インタビュー スペシャルパートナー
鵜尾 雅隆 / 認定ファンドレイザー
2022.11.18

利他の心で世界を変える!寄付文化の浸透に本気で走り続ける

インタビュー スペシャルパートナー
鵜尾 雅隆 / 認定ファンドレイザー
2021.12.27

ファンドレイザーと協働した地域創生のためのチャレンジ

インタビュー スペシャルパートナー
鵜尾 雅隆 / 認定ファンドレイザー
2021.5.27

持続可能な地域をつくる、地域課題の解決に向けた連携の可能性

インタビュー スペシャルパートナー
鵜尾 雅隆 / 認定ファンドレイザー
2021.3.3

日本ファンレイジング大賞受賞団体に訊くファンドレイジングの可能性(後編)

インタビュー スペシャルパートナー
イノウエ ヨシオ / 准認定ファンドレイザー
2021.3.3

日本ファンレイジング大賞受賞団体に訊くファンドレイジングの可能性(前編)

インタビュー スペシャルパートナー
イノウエ ヨシオ / 准認定ファンドレイザー
2021.1.6

社会貢献教育とスポーツ、そこにある共通の想い|私が寄付をする理由ー寄付者インタビュー

インタビュー 社会貢献教育
大石 俊輔
2020.8.5

【シリーズ】ビジョン・パートナーに聞く「思い描いている未来」第3弾:NPO法人新公益連盟 代表理事 ...

インタビュー
鵜尾 雅隆 / 認定ファンドレイザー
2020.8.5

【シリーズ】ビジョン・パートナーに聞く「思い描いている未来」第3弾:NPO法人新公益連盟 代表理事 ...

インタビュー
鵜尾 雅隆 / 認定ファンドレイザー

会員限定コンテンツを読むために

ファンドレイジングジャーナルオンラインを運営する「日本ファンドレイジング協会」とは?

より良い記事をお届けするために、
皆さまからのご意見をお寄せください

※いただいたご意見には全て対応できない可能性がございますので予めご了承ください。