──参加者としてFRJに参加されたときの印象はいかがでしたか?どのような場所だと感じましたか?
とにかく楽しかったですね。対面型コミュニケーションやストーリーテリング、最新の法改正の動きに関するセッションなど、ありとあらゆるセッションに参加し、とにかく吸収、吸収の二日間でした。実は、私がREADYFORに入社した当時(2015年)、社内にファンドレイザーは一人もいませんでした。その当時、私を含めスタッフがこぞって勉強していたのは、ウェブマーケティングの分野でしたが、「それだけじゃ十分じゃない」ということに気がついたのはFRJに参加したときでした。そこから一気に舵を切りました。
セッション以外でも、参加者相互、スピーカーの間で交わされる会話の中に最新の話題があったり、その場であらゆることが繋がっていくことがすごく面白いと感じました。その場でなければ繋がれない人がつながっていく、ネットワークが生まれていく、ネットワーキングという意味合いがすごく強い場所だと思っています。スピーカーが何かを教えるというよりも、一緒に考えて一緒に良くしていこうという「決起集会」のような場所だと感じています。個人的には、当社でクラウドファンディングをされた方々と再会することを楽しみにしています。「同窓会」のような場所とも言えるかもしれませんね。
──昨年は、「スカラーシップ生」としても参加されましたね。FRJ参加者の中では比較的若い世代の方々と交流されて、どのようなことを感じましたか?
スカラーシップ生 ※ として参加して、同世代同士、横の繋がりをもつことの大切さを感じる一方で、縦のつながりも大切にしていきたいと改めて感じました。上の世代の方達は、「新しい時代をつくっていくのは君たちだ、がんばれ。」と、とにかく応援してくださいます。当社の代表(米良はるか氏)も以前言っていたことですが、新しいことにチャレンジするときに、前向きに背中を押してくれる、応援してくれる場があることは、すごく重要なことだと思っています。
※ 若手ファンドレイザーの育成を目的として、30歳以下の参加費を無料とするスカラーシップ制度。協賛企業やFRJ参加者の寄付によって支えられている。
ファドレイジングという領域において、クラウドファンディングという新しい市場が成立できているのは、これまで20年という年月をかけて、NPOの方々がつくってきた礎があるからこそだと言えます。だからこそ間違えてはいけない、若い世代だからこそ、NPOの激動の時代のことを知らなければいけないと改めて感じました。新しいこと、未来を見ることも大切なことです。しかし、失敗の経験すら惜しみなく話してくれる方達がつくってきた時代やその中で得た知見を知り、それを伝えていくことが新しい時代をつくっていくことだと思っています。それを体現する存在でありたいと願っています。
──今年はスピーカーとしてFRJに初登壇されるわけですが、FRJの舞台を通じて、さらにはその先を見据えて、徳永さんが実現したいことを教えてください。
個々人がやりたいことに対して承認される世の中であってほしいと思っています。何かがなくてそれが実現できないという状況がブレイクスルーされる状態であってほしいです。READYFORは「誰もがやりたいことを実現できる世の中をつくる」をビジョン掲げていますが、私自身もキュレーターとしてプロジェクト実行者さんに関わることによって、お金の流れを生み出し、それを手助けしていきたいです。
今、お金や人を集める仕組みはいくらでも出てきて、あとはやるか、やらないかだけという時代になりました。やる原動力、みなが諦めずにやりたいことをどんどん実現していく、その部分に自分も関わっていきたいと思っています。
一昨年、鹿児島県にブックカフェをつくるクラウドファンディングに携わったのですが(「指宿から全国へ!本のある空間を届けるブックカフェプロジェクト」)、生まれ故郷である鹿児島の案件ということで、個人的にも非常に思い入れのあるプロジェクトになりました。このプロジェクトを通じて、地元の方々が喜ぶ姿を目にし、自分の仕事を知っていただけたこと、クラウドファンディングをやってみようという人が増えたことが自分の仕事の価値を改めて実感する瞬間となりました。
少しでもやり方を伝えられる存在に、自分と話していたらワクワクする、自分のまわりにいる人がどんどん夢を叶えて輝いていく、そういう存在でありたいと願っています。FRJにも、明日帰ってこれをやってみようと思える場所、ワクワクを感じられる会をこれからも作っていただくことを期待しています。スピーカーとしてそのような舞台に向かっていきたい、そしてその舞台を通じて自らを一層進化させていきたいと思っています。
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