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シングルペアレンツ・エンパワメント・プログラム  by American Express

プログラムの概要

シングルペアレンツ・エンパワメント・プログラム by American Express (SEP by Amex) とは、女性でひとり親として子供を育てる方(以下、シングルマザー)と予期せぬ妊娠をした方を対象に「住まいの支援」「メンタルヘルスケア」「就労支援」を提供するプログラムです。
シングルマザーや予期せぬ妊娠をした方々は、社会的・経済的に厳しい状況にある場合が多く、取り巻く問題は多岐にわたるうえ、その因果関係は複雑に絡み合っています。

本プログラムでは、アメリカン・エキスプレスの支援により、対象者が必要とする「住まい」、「メンタルヘルスケア」、「就労」という3つの課題に対して、複数の非営利組織が連携し、複数のサービスやプログラムを横断的に提供することにより、支援現場における構造的な問題に対処し、問題の原因になっている仕組み(システム)自体を変えることに取り組みます。

それにより、シングルマザーや予期せぬ妊娠をした方々が安心して住まいを確保し、自身の身体と心をケアする時間を持ちながら、長期的なビジョンを描き、自分の特性ややりたいことに適した就労を通じて、社会的・経済的自立を実現していきます。

シングルマザー・予期せぬ妊娠をした方を取り巻く課題

一般的にシングルマザー・予期せぬ妊娠をした方は、長時間労働、経済的プレッシャー、社会的孤立などにより、精神的・身体的な不調に陥りやすいと指摘されています(*1)。また、既婚の母親と比較してシングルマザーの幸福度は相対的に低く、その要因として、不利な属性(学歴制限など)、経済的苦境、厳しい労働条件によるストレス、トラウマとなるライフイベントがあるといわれています(*2)。
 


住まいの課題

  • • 初期費用(敷金礼金・引っ越し費用)、 家賃などの経済的な負担

  • • 入居審査 (安定収入・連帯保証人)が通らず家探しに時間がかかる

  • • 利用できる行政サービスを自分一人で探し、実際に問い合わせ・申し込みを行う知識や心の余裕がない


就労の課題

  • • 正規雇用に就きづらい

  • • 非正規雇用で、能力開発やスキルアップの機会が少なく、正規雇用への転換が難しい

  • • 雇用が不安定で賃金が低いため生活が逼迫する(シングルマザーの4割がパート・アルバイト等(*3)

  • • 働き方に制限がある(長時間労働や出張に制約がある、子どもが病気になった時に頼れる人がおらず急な欠勤・早退が余儀なくされる等)


メンタルヘルスの課題

  • • 長時間労働、経済的プレッシャー、社会的孤立、トラウマとなるイベント(DVや離婚など)などが原因で精神的に不調になりやすい

  • *1 阿部敦(2008).子どもの貧困。日本における不平等に関する研究.東京:岩波書店
  • *2 労働政策研究・研修機構の比較研究(労働政策研究・研修機構.(2015).子育て世帯のウェルビーイング)
  • *3 令和 3年度 全国ひとり親世帯等調査

 

プログラム対象者

本プログラムの対象者は、「シングルマザー」「予期せぬ妊娠をした方」です。下記のケースのように、社会的、経済的、精神的に疎外されている状況にある、ないしはそのように感じる方を想定しています。

事例1
(シングルマザーと子供1人)

  • • 20代、未就学の娘あり、未婚

  • • 東京の民間アパートを借りて生活している。

  • • 娘の父親からのDVで逃げた経験がありトラウマになっている。

  • • 親との関係が悪く、親に頼ることができない。

  • • アルバイトを2つ掛け持ちしているが年収が200万円以下、長時間労働で体力が消耗している。

  • • 経済的に苦しく、常にストレスと孤立感を感じている。

事例2
(予期せぬ妊娠をした女性)

  • • 10代、妊娠6ヶ月(相手とは連絡が取れなくなった)

  • • 親や兄弟姉妹を頼れない

  • • 住まいがなく知人宅を転々としている

  • • 高校中退、対人スキルが未熟で安定した仕事につけない

  • • 精神的に不安定だが、必要なメンタルヘルスケアを受けれていない

  • • メンタルサポートが必要だが、公的な支援の中に利用可能なものがない

既存サービスの構造的な問題

シングルマザーや予期せぬ妊娠をした方が利用できるサービスは多数ありますが、行政・非営利組織・企業間の連携は限定的であり、サービスが分断されることが多々あります。その結果、対象者は必要なサービスを自ら調べ、様々な団体や部署に自らコンタクトしていかなければならない状況に置かれています。しかし、シングルマザーになった時や予期せぬ妊娠をした時に、十分な時間や知識、または心の余裕を持つことが難しい場合が多々あります。そのような問題を解消するため、1人の対象者に対して各団体が連携し合い、必要とするサービスを包括的に提供できる環境を整備することが重要です。

本プログラムの統合的サービスモデル

本プログラムでは、対象となるシングルマザーや予期せぬ妊娠をした方に「住まいの支援」、「メンタルヘルスケア」、「就労支援」の統合的なサービスを提供します。

住まいの紹介による「居住支援」、セルフケア講座による「メンタルヘルスケア」、そして対象者が長期的なビジョンをもち、自身のやりたい事や特性を把握したうえで、講座・ワークショップやコーチングを通じて就労を実現していく「就労支援」を組み合わせることにより、より包括的に課題へのアプローチします。

アウトリーチ(団体間で情報連携)

住まいの紹介

住宅支援

セルフケア講座

メンタルヘルスケア

講座・ワークショップ
コーチング・家賃補助
キャリアカウンセリング

就労支援

共同介入

受益者

シングルマザーと
予期せぬ妊娠をした方

複数の成果

  • • 対象者への働きかけ窓口を一つにし、サービス提供者間が連携することで、必要なサービスを効果的に届けることができます。

  • • このアプローチは、コレクティブインパクト(一つの社会課題を解決するために、様々な分野の組織や団体が共通の目標に向かい協業すること)を与え、より包括的に根本原因に対処することができます。

パートナー団体

本プログラムでは、以下の3つの非営利組織が連携し実施します。

NPO法人全国ひとり親居住支援機構
NPO法人
全国ひとり親居住支援機構

全国で母子家庭向けのハウスを運営している事業者27団体(2024年8月時点)が加盟する、母子家庭居住支援の中間支援組織。母子家庭のための居住支援を「増やす」こと「支える」こと「広める」ことを活動の軸としている。母子家庭向け不動産ポータルサイト「マザーポート」の運営をはじめ、母子ハウス立ち上げのための伴走支援のほか、行政や支援団体との協業を通じて、母子家庭の住まいの選択肢を増やしている。

代表理事:秋山 怜史

代表理事:秋山 怜史

認定NPO法人ピッコラーレ
認定NPO法人
ピッコラーレ

児童虐待死事例で最も多いのは、生まれたその日に亡くなってしまう赤ちゃん。そのほとんどが、母子手帳未交付、妊婦健診未受診という報告がある。ピッコラーレは、孤立する妊婦の相談だけでなく、行政の窓口や病院への同行、また孤立した若年妊婦のための居場所「ぴさら」での妊娠ソーシャルワークにより彼らを社会に繋げる「にんしん」をきっかけに、誰もが孤立することなく、自由に幸せに生きることができる社会の実現をめざす。

代表理事:中島 かおり

代表理事:中島 かおり

NPO法人シングルマザーズシスターフッド
NPO法人
シングルマザーズシスターフッド

子育ての責任を一手に担うシングルマザーが体や心をケアする時間を持てるよう、オンラインのセルフケア講座を提供している。
ストレッチや瞑想といった心身へのアプローチによってシングルマザーのメンタルヘルスの向上を支援。また、講座を通してシングルマザーが地域を超えて交流するきっかけを作り、社会的孤立の予防も目指す。

代表理事:吉岡 マコ

代表理事:吉岡 マコ

運営団体

このプログラムはアメリカン・エキスプレスの支援により2025年3月から2026年2月まで日本ファンドレイジング協会が運営します。

  • 運営団体

  • 助成

支援サービスについての連絡先

本プログラムにおいて、支援サービスを受けることにご関心のある方は、下記の連絡先にある支援先にご連絡をお願いいたします。

住まいの支援・就労支援(個人支援)に関して

マザーポート

予期せぬ妊娠をした方への支援に関して

ピッコラーレ

セルフケア支援・就労支援(グループ支援)に関して

シングルマザーズシスターフッド

本プログラムについてのお問い合わせ

本プログラム全体に関してについては以下のフォームよりお問い合わせください。

お問い合わせフォーム