まだ団体や事業の存在を知らない新規層に、どうしたら最初から関心を持ってもらえるのか?それには、”第三者からの紹介・お墨付き”が効果的です。
第三者情報には様々ありますが、特にその中でも客観的で信頼度が高く、影響力が大きいもの、それが「マスメディアによる報道」です。口コミやSNSもありますが、その発端や情報源も、情報感度の高い人がどこかのニュースで見つけて来ることがほとんどです。
「広告と広報PRの違い」については前回ご紹介しましたが、今回は「メディアに取材して欲しい!」となった時に活躍する広報PRの具体的な手法『プレスリリース』についてご紹介します。
テレビや新聞で紹介されているサービスや団体、人物は「もともと有名で実績もあるから」「ただ運よく取材されただけでは?」と思われがちです。しかし、実際には記者も全て自分たちでネタを見つけているのではありません。また、現在の知名度に関係なく紹介されることは可能です。
その手法が、プレスリリースです。企業や団体、事業に関するあらゆる新情報を文書で公式発表する方法で、記者にとっての情報源になります。最近はメディアだけでなく、SNSの活用などを通じて、生活者がプレスリリースに直に触れる機会も増えてきました。
リリース文書は、基本的に「タイトル、リード文、本文」の構成で作られます。
♦タイトル
プレスリリースの最も重要な要素。メディアに毎日大量のリリースが届く中で、いかに自団体の情報に目を留めてもらえるかがポイントであり、タイトルの役割になります。曖昧で内容が分かりにくいと残念ながら記者には読まれません。
♦リード文
全体を要約した文章です。タイトルで興味を持った記者が次に読むのが、このリード文。忙しい記者がすぐに読めるように、1文~3文くらいにまとめましょう。端的で分かりやすい事が重要です。
♦本文
リリースの詳細情報です。記者が読みやすいように、項目・段落ごとに情報をまとめることが重要です。また、社会性とストーリー性を意識した文章構成が重要です。
注意点としては、ただ情報を埋めればいい訳ではありません。ニュースの原稿を作るための素材になるので、記者の視点に立って作ることが大切です。各ポイントを見ていきましょう。
Who:誰が(自団体、受益者)
What:何を(取り組み内容)
Where:どこで(実施する場所)
When:いつ(開始日)
Why:どうして(背景と目的)
How:どのように(方法、その特徴)
How many:どのくらい(数字)
「~を始めます。」とホームページやSNS上の告知と同様に、概要情報だけを伝えていませんか?記者は、どうしてこの取り組みを始めたのか?どのような社会的な背景で生まれたのか?背景情報も知りたがっています。
本文を、より具体的にするポイントとして、上記に3つのHをプラスした「5W5H」を意識して書いてみましょう。
How Long (時) いつから、いつまでに
How Much(金) どのくらい(金額)
How in Future(将来) 今後の方針、 展開方法
【背景、課題→事業の詳細、特徴→目標、今後の展望】のように、前提にある課題とその取り組みの社会的意義を伝えることで、ストーリー性が生まれ、読みやすい内容になります。
マスメディアに報道・紹介してもらうことは、団体や事業の存在を知らない潜在層に、一気に関心を持ってもらう最短ルートです。広報・PRは、情報とコツさえあれば、誰でもお金をかけずに取り組むことが出来る手法です。ぜひ一度、試してみてください。
そもそもリリースする新しい情報がないという場合でも、広報活動には取材を呼び込む様々な手法が存在します。「広報PRのやり方が分からない」「プレスリリースの効果が出ない」という方や団体に向けて、現在、NPO専門の広報PRスクールの受講生を募集しています。
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