投稿日:2019年11月25日

10代の若者から見た「ファンドレイジング・日本」|FRJ2019特集号 スカラーシップ制度体験インタビュー

9月に開催した「ファンドレイジング・日本2019(以下、FRJ2019)」。スカラーシップ制度という参加の方法をご存じですか。未来の「ファンドレイジングの担い手」を育成することを目的に、協賛パートナー、そして、参加者有志の寄付によって運営されており、30歳以下の若手ファンドレイザーおよびファンドレイザーを志す学生の「ファンドレイジング・日本 2019」への参加費を免除する制度で、今年は40人の若者が参加しました。本制度を活用し、ファンドレイジングを学び、様々な活動に還元し、非営利セクターの更なる発展に寄与することを期待するものです。ジャーナルでは2回に分けて、実際に参加してくれた若い人たちの気持ちを皆さんにお伝えしていきたいと思います。

プロフィール

東京学芸大学附属国際中等教育学校
中学1年生 加茂 周子
中学3年生 岡 凛奈
高校1年生 毛 千晴

聞き手

日本ファンドレイジング協会 事務局次長 小川 愛

※スカラーシップ制度の概要はこちらから

社会貢献するのはカッコいい

小川:今回FRJ2019のスカラーシップ制度に応募してくれたきっかけを聞かせてください。

岡:FRJには去年からボランティア部の部員が参加していて興味があったので部の顧問の藤木先生に相談していましたが、参加した大きな動機としては私の担当しているプロジェクトがクラウドファンディングを始めたからです。FRJの講座の中でもクラウドファンディングの講座も結構多かったし、ファンドレイジング自体についてももうちょっと理解を深めたいなと思って参加したいと思ったのが一番のきっかけです。

毛:私は、今高校1年生で、NPOに興味があります。FRJ2019は結構大人向けの講座が多いと思ったけれど、今のうちに勉強をしておいて、将来役に立つかな、と思いました。あとはボランティア部としてネットワークを広げたいという目的がありました。FRJ2019に参加していろんな人とお話したり、いろんな人の講座を聞いたりして、ボランティア部としての人とのつながりを持ちたい、というのも一つのきっかけです。

小川:なぜNPOに興味があるのですか?

毛:中学1年生から、ボランティア部に入って、社会貢献をするっていうことに興味があって、中学2年生のジュニアインターンシップでも認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパンに行ったりしました。そういう利益を求めないで一途に社会貢献するのはカッコいいと思って、将来そういう風になりたいと思いました。

加茂:私は中学1年生なんですけど、ボランティアを本格的に始めたのがこの学校に入学してボランティア部に入ってからです。そのときにクラウドファンディングという言葉自体を初めて知りました。今はネットも普及してきていますし、ボランティアの活動の中でこの先役に立つ知識だと思って、FRJ2019に参加してこれからその知識を得ることで部に貢献したいと思って参加しました。

協会:そもそもなぜボランティア部に入ったのですか?

加茂:私は小学校1年生から4年生までトルコにいたんですね。その時に働いている子どもたちや物乞いをしている人たちを多く見て、そういう人たちを助けられる人になりたいと思ってボランティア部に入りました。

適正に使われるかどうか。中高生だからこその信用と信頼をどう築いていくか

小川:実際にFRJ2019に参加してみて、一番驚いたことや、学んだこと、周りにいる大人の人たちと話しをして気づいたことなどありますか?

岡:参加している人数に圧倒されました。こんなにも多くの人たちがNPOとか社会のために一途に貢献したいという気持ちで参加しているというのはすごいと思いました。あと、私たち自身が中高生として参加して、周りから中高生なのにすごいね、みたいなことを言われたんですけど、いつかは中高生がこういうのに参加するのが物珍しいことじゃなく、当たり前になる日がきたらいいな、と思いました。

加茂:私は、参加してみて一番印象に残ったのは信用、信頼という言葉で、本当にその通りだな、と思いました。寄付はお金を預かるわけじゃないですか。お金も気持ちも全部預かるので、それが適正に使われるかどうかというのが一番支援者が気になること。中高生っていうと、興味を持ってくれる人もいる反面、ちゃんと使われるのかっているのは、怪しんしまうということがあると思います。だから信用、信頼をどう築いていくかというのが必要となることを今回学びました。

中高生がもっと社会に関わりたと思えるようなきっかけづくりを

小川:皆さんから今回のスカラーシップ制度を応援してくれた方々へのメッセージをお願いできますか。

毛:これからは若い人たちが社会問題を担っていくっていうけれど、私たちはほんとにまだ力不足なので、大人たちの協力が必ず必要なんです。だから本気でプロジェクトに取り組んでいる中高生に協力してほしいし、大人たちも自分たちはもう必要ないんだなとか思わずにいてほしい。大人たちが今一番中高生にとって一番必要な方々。中高生は心が純粋なので 、中高生と協力してどんどん世界をよくしていってほしいなと思います。

岡:社会貢献のプログラムも、参加は大人からといったものが多いと思うんですけど、中高生でもそういうのに参加したい人はとてもたくさんいる。NPOでも中高生の枠とか作ってもらってもいいかな、と思ってます。中高生でも気軽に参加できる環境にしていければとすごく思っています。

加茂:生まれてすぐに社会貢献をしたいなんて思っている人なんていないわけじゃないですか。それが、今、私たちが社会貢献をしたいと思っているのは周りの大人たちのおかげです。中高生がボランティアとか社会貢献したい、社会に関わりたいと思うきっかけを作れるのは大人たちだけなんですよね。だから中高生が社会貢献したい、もっと社会に関わりたと思えるようなきっかけを作ってくれるようになってくれると嬉しいです。



※スカラーシップ制度で参加した高校1年生の工藤 颯莉さんのグラフィックレコーディング

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