投稿日:2021年9月1日

認知度向上に必須!押さえておきたいプレスリリース作成の基本ポイントとは?

伊東 正樹Masaki Ito
認定ファンドレイザー
広報PRコンサルタント/ソーシャル・エンライトメント代表

まだ団体や事業の存在を知らない新規層に、どうしたら最初から関心を持ってもらえるのか?それには、”第三者からの紹介・お墨付き”が効果的です。

第三者情報には様々ありますが、特にその中でも客観的で信頼度が高く、影響力が大きいもの、それが「マスメディアによる報道」です。口コミやSNSもありますが、その発端や情報源も、情報感度の高い人がどこかのニュースで見つけて来ることがほとんどです。

「広告と広報PRの違い」については前回ご紹介しましたが、今回は「メディアに取材して欲しい!」となった時に活躍する広報PRの具体的な手法『プレスリリース』についてご紹介します。

”メディアの情報源”であるリリースは、記者の視点で作る

テレビや新聞で紹介されているサービスや団体、人物は「もともと有名で実績もあるから」「ただ運よく取材されただけでは?」と思われがちです。しかし、実際には記者も全て自分たちでネタを見つけているのではありません。また、現在の知名度に関係なく紹介されることは可能です。

その手法が、プレスリリースです。企業や団体、事業に関するあらゆる新情報を文書で公式発表する方法で、記者にとっての情報源になります。最近はメディアだけでなく、SNSの活用などを通じて、生活者がプレスリリースに直に触れる機会も増えてきました。

リリース文書は、基本的に「タイトル、リード文、本文」の構成で作られます。


♦タイトル
プレスリリースの最も重要な要素。メディアに毎日大量のリリースが届く中で、いかに自団体の情報に目を留めてもらえるかがポイントであり、タイトルの役割になります。曖昧で内容が分かりにくいと残念ながら記者には読まれません。

♦リード文
全体を要約した文章です。タイトルで興味を持った記者が次に読むのが、このリード文。忙しい記者がすぐに読めるように、1文~3文くらいにまとめましょう。端的で分かりやすい事が重要です。

♦本文
リリースの詳細情報です。記者が読みやすいように、項目・段落ごとに情報をまとめることが重要です。また、社会性とストーリー性を意識した文章構成が重要です。

注意点としては、ただ情報を埋めればいい訳ではありません。ニュースの原稿を作るための素材になるので、記者の視点に立って作ることが大切です。各ポイントを見ていきましょう。

”具体性”と”社会性”が重要!文章作成のポイント


♦タイトル
・重要なポイントを要約する。
・インパクトのある言葉、キーワードを入れる。
・形容詞、誇張表現には注意!
読み手に印象が残るように「全国初」「唯一」など、新規性や独自性を出すことは大切なポイントです。しかし、公正・客観的に報道しようとするメディアには、誇張や主観的な表現は禁物。団体の信頼まで失われてしまう場合もあるので、数字など事実に基づいた発信をしましょう。
♦リード文
・全体像を簡潔にまとめる。
「5W2H」を意識する。
発信したい全体内容を整理し、1~3文かつ300文字程度で簡潔にまとめられるのが理想的です。5W2Hを意識すると、具体的で分かりやすくなります。

Who:誰が(自団体、受益者)
What:何を(取り組み内容)
Where:どこで(実施する場所)
When:いつ(開始日)
Why:どうして(背景と目的)
How:どのように(方法、その特徴)
How many:どのくらい(数字)

♦本文
・社会性とストーリー性を意識する。
・より具体的に「5W5H」で記載する。
・読みやすさを重視する
世の中は膨大な企業や団体、ニュースであふれています。その中で、”なぜ今、その情報を知るべきなのか?” この視点は、広報活動において非常に重要です。

「~を始めます。」とホームページやSNS上の告知と同様に、概要情報だけを伝えていませんか?記者は、どうしてこの取り組みを始めたのか?どのような社会的な背景で生まれたのか?背景情報も知りたがっています。

本文を、より具体的にするポイントとして、上記に3つのHをプラスした「5W5H」を意識して書いてみましょう。

How Long (時)  いつから、いつまでに
How Much(金)  どのくらい(金額)
How in Future(将来) 今後の方針、 展開方法

【背景、課題→事業の詳細、特徴→目標、今後の展望】のように、前提にある課題とその取り組みの社会的意義を伝えることで、ストーリー性が生まれ、読みやすい内容になります。

マスメディアに報道・紹介してもらうことは、団体や事業の存在を知らない潜在層に、一気に関心を持ってもらう最短ルートです。広報・PRは、情報とコツさえあれば、誰でもお金をかけずに取り組むことが出来る手法です。ぜひ一度、試してみてください。

NPO専門、広報PRスクール 受講生募集中

そもそもリリースする新しい情報がないという場合でも、広報活動には取材を呼び込む様々な手法が存在します。「広報PRのやり方が分からない」「プレスリリースの効果が出ない」という方や団体に向けて、現在、NPO専門の広報PRスクールの受講生を募集しています。

カリキュラムでは、PR会社のノウハウ全てを開示・共有しています。広報の専任担当者がいない団体、今後組織内にPRの知見/人材を残したい団体、ゼロから学び直したい方などに、最適な内容になっています。

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Profileこの記事を書いた人

伊東 正樹 Masaki Ito

認定ファンドレイザー
広報PRコンサルタント/ソーシャル・エンライトメント代表

1989年神奈川県生まれ。日本国内への社会貢献の普及を目指す「広報PRファンドレイザー」早稲田大学卒業後(開発経済学/平和構築)、トヨタグループの商社にて営業・PRを担当した後、ライター経験を経て、業界で唯一、メディア経験者のみで構成されたPRコンサルティングファーム、株式会社カーツメディアコミュニケーションへ入職。ふるさと納税の普及啓発、NPOの認知促進、企業のソーシャルプロダクトなどCSV事業を中心に、業界最大手の一部上場企業から中小・ベンチャー企業まで、数多くのクライアントを担当。戦略策定や報道資料作成、記者発表会の企画運営など一連の業務に携わり、累計数千件以上のメディア露出を獲得。多岐に渡るプロジェクトや広報立ち上げ支援に携わった後に独立し、ソーシャル・エンライトメントを設立。“今、世の中に必要な「想い」が、埋もれない世界を創る。”という想いの下、NPOや中小企業を中心に広報PRをサポートしています。過去にテロ・紛争を目の当たりにした経験から、紛争解決系NPOにも従事。学校やイベントでの講演活動の他、社会貢献をコンセプトにしたカフェの立ち上げ・運営・PRオフィサーとしても活動。NPO法人アクセプト・インターナショナル広報ファンドレイジング局メディア部長/オルトコーヒーロースターズCo-Producer、PR

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