ファンドレイジングにおいて、「共感をしてもらうことが大切」と良く言われます。これは、一般的に、何か商品を買うときには、「のどが渇いたから、ミネラルウオーターを買う。そして、のどの渇きが癒える。」ということが、分かりやすく成り立ちますが、寄付は、お金を支払っても、すぐに自分が消費するものは返ってきません。しかし、そこで「共感してもらう」ということによって、「共感した相手を応援することで得られる幸福感・満足感」のようなものが心理的に発生します。
共感ということへの理解と共感する力は、経済においても、組織マネジメントにおいても、教育の現場でも、あらゆるところで必要なスキルですが、ファンドレイジング以上にこのスキルを必要とするものはないと言ってもいいかもしれません。何の対価性も指示命令関係もないところで、共感だけでお金を動かすことを毎日やっている人たちがファンドレイザーなのですから。
私は、この数十年、ファンドレイジングに関わる中で、「共感」ということに向き合ってきました。同時に、「共感」というものを個の力として生み出すことのできる人たちや、組織や事業のマネジメントの中で生み出すことのできる団体に数多く出会ってきました。その経験の中で、ずっと、この共感を「得る力」「する力」がどういうものなのか、どうすれば磨けるものなのか、どういう組織が「共感体質になるのか」を考えてきました。
そして、たどり着いたパラダイムがふたつあります。
共感力は人も、組織も伸ばせる力である
トレーニング次第で、誰でも伸ばせる能力であるということです。人によって共感力が高い人と低い人がいるのは、足の速い人と遅い人がいる、という違いに似ています。オリンピック選手になろうということではなく、トレーニング次第で、個人として必要なスキルは、誰も習得することできます。
共感力を理解すると、人生も仕事も色んなことがうまくいく
共感力を理解することは、単に「人付き合いがうまくいく」という次元を超えて、「自分が応援を得て物事を実現できる力を得る」ということです。ひとりでは弱い力を何倍もの力にできるということです。
共感力の本質を、ぜひ皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
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