投稿日:2020年4月8日

ふるさと納税によって地域にどう関わっていくのかを追い続けるチャレンジ「スペシャルパートナー対談」

スペシャルパートナー第三弾は、株式会社トラストバンク代表取締役の川村憲一氏をお迎えし、ふるさと納税を通じた持続可能な地域の実現に向けて、どのように取り組むのか、そのチャレンジをお伺いしました!

プロフィール

株式会社トラストバンク 代表取締役 川村 憲一

聞き手

日本ファンドレイジング協会 代表理事 鵜尾 雅隆

創業以来変わらない「自立した持続可能な地域を創る」という想い

鵜尾:まずは、代表取締役ご就任おめでとうございます。率直にどのように思われましたか。

川村:まさに晴天の霹靂です。そして重責だなと。

鵜尾:御社はふるさと納税の先駆者で、自治体と社会をつなぐ最大規模のプラットフォーム「ふるさとチョイス」を作り上げられています。それを引き継ぐ重さでしょうか。

川村:
そうですね、第一は、これまで現場に出て感じていた、寄付者、自治体、事業者それぞれの想いに対して責任を負うという意味での重さが大きいでしょうか。そしてもう一つは、前任者である須永の後を引き継ぐということです。須永はふるさと納税という制度の意義を自治体と一緒に構築してきました。それを引き継ぐということはやはり重責だと感じました。

鵜尾:私が川村さんに初めてお会いしたのが4年ぐらい前になります。ふるさと納税を活かして地域を変えていくぞ!という自治体担当者会議でご一緒させて頂きました。川村さんがファシリテーションされたのですが、自治体の人たちと真剣に向き合い、つなぎ、盛り上げる川村さんの場づくりがとても印象に残っています。川村さんが代表になられて、自治体に向き合うこれまでのトラストバンクの価値観を引き継ぎながら、更に発展させて頂けるのではないかと勝手に期待しています。

川村:元旦に就任ご挨拶メールを各方面に流しました。これまでのビジョンを、今後も踏襲することをお伝えしたところ、これからも一緒に頑張ろう!という皆様から激励のご返事を頂けました。私たちの変わらないメッセージとして強く打ち出しているのは「自立した持続可能な地域を創る」ということです。私自身がこの会社に入社したのも須永のその想いを一緒に実現したい、と思ったからです。そこが変わらないということで、自治体の方も安心して頂いていると感じています。

自立した持続可能な地域をつくるための3本柱

鵜尾:これから特に力をいれてやっていきたいことは何でしょうか。

川村:そもそもふるさと納税は、弊社のビジョン「自立した持続可能な地域をつくる」ためのツールだと考えています。このビジョンの実現に向けて、セカンドステージに進化させていきます。
第一に、ふるさとチョイスを更に独自性を強めたポータルサイトにしていきたいと考えています。ともすると、ポータルサイトはどれも同じように見られがちですが、私たちは産業の発展や地域の課題解決に焦点をあてた、ガバメントクラウドファンディングを行っていますので、先駆者として更にこれを発展させたいと考えています。また、ふるさと納税を通じた災害支援の認知向上施策を、これまで以上に強化していこうと考えています。
第二は、パブリテック事業です。弊社は2018年11月に株式会社チェンジの子会社となりました。パブリテック事業は、チェンジ社が持つITコンサルティングのノウハウと弊社の強みである自治体ネットワークを融合する事業領域で、パブリックとテクノロジーとを合わせた造語です。
第三は、企業版ふるさと納税領域です。地方創生施策として企業版ふるさと納税の制度改正が行われ税制メリットが大変大きくなりました。ふるさと納税の先駆者として、この領域の取り組みにも力を入れていきたいと思います。

一緒に仕組みをつくりながら、地域共創の触媒になる

鵜尾:弊協会のファンドレイザー、会員の方は、全国で活動されています。地域という文脈での取り組みについて教えてください。

川村:4月に新しい部門を設置し、ふるさと納税をひとつのツールとして、ステークホルダーとのアライアンスを強化して地域の企業とお礼の品を一緒に企画開発していきます。自治体、事業者、地域商社と3者が一緒に組むことによって、地域共創が進むと考えています。

鵜尾:なるほど、御社が触媒として関わることで色んな人たちの動きと連携が進んでいく、まさにファシリテーターの役割ですね。御社には圧倒的に多数の自治体との関係をお持ちなので多くの成功事例が創出されていきそうですね。御社が自治体と企業の間を上手く取り持つことで共創が進んでいくと思います。

川村:そうですね。地域共創という点では地場の企業と一緒に組みたいと思っています。弊社は、日本を地域から一緒に元気にしよう、というビジョンに共感できる企業であれば、あらゆる形で取り組むことができます。これは大きな強みだと考えています。ただ、そこで更にレバレッジ効かせようと考えた時に、全体に横串を刺すというのも必要だと感じています。

鵜尾:気持ちのあるプレイヤー同士をつなぐと一つのモデルは出来るかもしれないですが、やはり大きな変化は起きない。そこを横串でつなぎいろんな地域をオンラインのプラットフォームなどで可視化し、様々な人が関わっていくことでスケール感を持たせるということですね。

川村:はい、この点は可能性を感じています。これまで弊社は全国で無償の自治体職員向けの実務者会議というセミナーを開催して寄付金の使い道における発信の重要性や、寄付金で地域がどのように変わったかなどの事例を伝え、自治体同士をつなげる取り組みや情報提供を行うことで、信用と信頼を積み重ねてきました。自治体と一緒に仕組みを作ってきたというスタンスは最初から変わりませんし、やはりそこを評価して頂いていると感じています。現在は、85%以上の自治体と契約して契約自治体数は1,500を超えるまでに到りました。

ガバメントクラウドファンディング、災害支援の拡大

鵜尾:2019年末に株式会社LIFULL Social Fundingから御社への寄付事業が譲渡されたことがソーシャルセクターでは大きな話題になったと思います。寄付文化の醸成という点で、御社が今考えておられることを教えてください。

川村:“ふるさと納税=寄付”についての認知には、まだ課題があると思っていますが、ふるさと納税によって地域にどう関わっていくのか、地域が変わっていったのかを追い続けることで、寄付文化の醸成につながるのではないでしょうか。また、ガバメントクラウドファンディングや災害支援の拡大も寄付文化醸成に寄与すると考えています。ふるさと納税の災害支援の中でも令和元年台風19号・21号の支援では10億近い金額を集めたのですが、先日講演した際、ふるさと納税で災害支援できる事を知っている方は全体の2、3割程度でした。もっとふるさと納税で寄付が出来ることを伝える必要があると強く感じました。
アワードも効果的だと感じています。通常のお礼の品ではなく、寄付の活用事例をアワードで競うというものです。寄付先に決めるときに、返礼品の魅力は最も影響していますが、アワードに参加することで、自治体の取り組みと寄付金の使い道、優先的な取り組みという点に、変わってきます。ここに非常に手ごたえを感じています。

鵜尾:自分の意思あるお金がどのように使われるかということに関心を持つことが日本での寄付文化の醸成にはとても大事なポイントだと思っています。自ら選んで託して達成感を得る、このサイクルを1回、2回と重ねていくことが重要ですね。

川村:寄付文化醸成の点では、ガバメントクラウドファンディングがふるさと納税の考えをより体現しているサービスだと思っています。須永もふるさと納税は自治体がやるクラウドファンディングだ、と考えて始めました。ガバメントクラウドファンディングは年々プロジェクト数が増えてきており、自治体の意識も大変高くなってきています。寄付することの成功体験を持ちやすいのはガバメントクラウドファンディングだと思いますし、寄付文化の醸成に大変寄与すると思っています。

ワクワクしながら、冷静に、スピーディに

鵜尾:最後に読者の皆さんに向けて、川村さんからメッセージを頂けますでしょうか。

川村:弊社が目指すビジョンは、弊社だけでは実現できません。自立した持続可能な地域を創るということに、興味を持ち共感をしていただける皆さんと一緒に地域を元気にする、そして日本を元気にする、これを一緒にやっていきたいと思います。社会を変革するイノベーションのために私たちはスピード感が必要だと思っています。このままでは日本がどんどん危うく狭くなっていく。20年後は自治体消滅と言われていて、待ったなしの状況です。ワクワク感と健全な危機感とを両輪に未来を拓いていきたいと思います。

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