無料 投稿日:2016年12月5日

社会貢献教育ファシリテーターが語る、社会貢献教育の魅力・課題・可能性

連載
大石 俊輔Shunsuke Oishi
日本ファンドレイジング協会 プログラム・ディレクター

弊協会が行っている楽しみながら寄付や社会貢献を学ぶ「社会貢献教育」。今回は、社会貢献教育の担い手でもあり、一緒に社会貢献教育を広めていくパートナーでもある社会貢献教育ファシリテーターの方々に集まっていただきました。今後の社会貢献教育についての期待、可能性について話して頂きました。

岩渕祐二:公共価値創造研究所 代表
馬越裕子:コモンズ投信株式会社 寄付のしくみSEEDCap&POINT担当
橋爪智子:特定非営利活動法人日本補助犬情報センター 専務理事兼事務局長
吉川利幸:ITコンサルタント(パラレルワーカー)

進行:大石俊輔:日本ファンドレイジング協会

*社会貢献教育ファシリテーターとは:社会貢献に関するさまざまな教育プログラムを理解し、学校教育現場に社会貢献に関するプログラムを提供する案内役です。

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(社会貢献教育ファシリテーター研修の様子)

社会にはたくさんの課題があるということを知ってもらうきっかけを提供したい

(大石)
まずは皆さんに、なぜ社会貢献教育ファシリテーターになられたのかを伺いたいと思います。

(橋爪)
日頃の業務で補助犬や身体障害者に関して伝えていますが、全国に正しく広めるにはどうすれば良いのか?といった壁にぶつかっていました。世の中の醸成を考えた時、当会の活動だけでは限界があると思っていましたので、社会貢献教育を広め、その一部に補助犬や障害者ってあるよねとなることこそが理想的だと思い、ファシリテーターになりました。実際に教室に行くと伝えたいことは共通しています。マイノリティな方がいるということを知ってもらうきっかけ、社会にはたくさんの課題があるということを知ってもらうきっかけを提供したいです。

(岩渕)
政策コンサルタントとして、公務員やNPOの方と付き合うことが多いです。仕事を通じて、お金に対して、良い悪いという善悪のようなものが本当はないのに、なんとなくあるようなことを経験します。なので、小さい頃からお金に関して学ぶ機会がないといけないなと感じていました、寄付といった色んな使い方があるのだと。そんな中で、寄付や社会貢献に関する研修があると知り、受けたいなと思ったのがきっかけです。お金自体、日本の教育ではあまりないですし、すごく面白い取り組みだなと思いました。

(馬越)
投資信託を運用する会社(コモンズ投信)で、社会起業家や障害者スポーツのチャレンジャーを応援する寄付のしくみを担当しています。寄付も「未来への投資」と考える私たちは、こどもたちと寄付のことについても勉強してきました。そして「寄付の教室」を展開されている大石さんと出逢い、こどもたちにどういった内容を届けていこうかと、ご一緒にコンテンツを育てる機会にも恵まれてきました。そういった経緯から、社会貢献教育ファシリテーターになりました。

(吉川)
もともとシステム系のエンジニア、すぐに会社辞めてフリーになりました。そのなかで、自分にできる事で貢献したいなと考えはじめ、NPOでも、踏み込んでいくとどうしても資金の話が出てきて、そうなればファンドレイジングの知識が必要で、ファドレイザーの資格取ろうと思いました。その中で社会貢献教育を学ぶ研修があり、もともと教育に関心があり、すごい興味を持ったことがきっかけです。

dsc03702(社会貢献教育の実施現場)

企業CSR、お金の教育、キャリア教育×社会貢献教育の可能性

(大石)
社会貢献教育と一緒にできれば面白そうだなということはありますか?

(橋爪)
横浜市は横浜スタンダード推進協議会を地元企業さん達で作られ、地域志向CSRに取り組む横浜型地域貢献認定を行っておられます。CSRに非常に意識の高い社長とお話しをしているなかで、「寄付の教室」を社員向けに行ってみたいという案もありました。それはとっても面白いと思うので、是非実現したいと思っています。

(大石)
それは面白いですね。子どもたちへの社会貢献教育をしている中で、先生や親御さんたちも学ぶ機会になっているんだなぁと感じることがよくあります。
子どもへはもちろん、大人にとっても社会貢献を学ぶ機会というのはあまりないので、社員研修みたいな形で、社会貢献教育が導入できれば良いですね。単に何か社会貢献っていうことを教えるのではなくて、自分たちがしていることに対してつなげられると、より身近に感じてもらえると思っています。

(岩渕)
中小企業だけではなくて、NPOや福祉団体などでも、オーナーなのかサラリーマンなのかっていうところで、お金に対する接し方って全然違うんじゃないかなって思います。世の中全体をみても、自分で事業立ち上げたりせず、お金の話をあまりしないサラリーマンが主流となっていることも、お金に対する意識が希薄になっている原因になっているのかなと思います。そういったことに対しても働きかけていきたいですね。

(橋爪)
商業高校に行って授業を行った時、大変で声が枯れました。でもACEさんの動画を見た瞬間に、生徒の一人が「日本に生まれて良かった。」って言いました。それって、初めて彼が自分のことを俯瞰的に見て、日本に生まれた自分みたいなものに気づけた瞬間だったのだろうなと思いました。そういった小さな気づきが一つでもあれば、とても意義深いと感じました。

(馬越)
こういった仕事がしたかったんだって言った子もいましたよね。

(橋爪)
そうそう!自分の進路に気づけた子もいました、NPOで働きたいと。

(馬越)
NPOで働くっていうことを全く知らなかったのだと思います。

(大石)
キャリア教育にも通じますよね。社会貢献教育ファシリテーターの認定をとっていただいた方がオリジナルの形をどんどん広げていって、ベストプラクティスを創り、どんどん可視化していく。そういったものがとても大事だなと思います。

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(社会貢献教育の実施現場)

社会貢献教育ファシリテーターを目指す方々へ

(大石)
最後に、これから社会貢献教育ファシリテーターを目指そうかなと思っている方々に対して、メッセージをいただけると嬉しいです。

(吉川)
やってみると意外に楽しいです(笑)そして取り組んでいると自分は教える側だけど、学ぶことがありますし、決して教えるだけじゃないっていうのは非常に効果があると思います。

(馬越)
やっぱり楽しいです。子どもも社会のことを知ることが楽しいのだと、取り組んでいてすごく感じます。みんな背筋が伸びて目がぱっと開くような状況になります。やっぱり社会の一員であるっていうことを感じられるのは、子どもの成長にも直結するなっていう実感が本当にできます。

(岩渕)
自分のファンドレイジング観を問い直すきっかけになります。自分自身がすごく学び、参加者と一緒に学んだという感覚があります。あとは人材育成というよりも仲間づくりのような視点で捉えても良いかと思います。NPO等を応援してくれる仲間が増える感覚でいた方が良いのかなと、そういった気持ちで参加してくれたら良いのではないかと思います。

(橋爪)
やっぱり楽しいです。あくまでファシリテーターなので、本当にその時間一緒に楽しもう!と、楽しい時間の中で何か気付きがあれば、お互いにとって素敵な時間になります。あと、自分はNPOで働く人間として、自分の業務だけではなく、こうした活動を通じて、社会の役に立てることがある、ということはすごく価値があると感じます。そして皆さんに対しては、全国に広げるために、本当に数が必要なので、そうした楽しい仲間になっていただけると嬉しいなと思います。

(大石)
これから、「公共」という科目の導入が予定されており、社会貢献教育がとても重要なテーマになってきます。
ますます社会貢献教育ファシリテーターの役割は高まっていきますので、みなさんと一緒に、子どもたちのワクワクする未来作りのお手伝いができれば嬉しいです。
協会では、「寄付の教室」「社会に貢献するワークショップ」「Learning by Giving」
という3つのプログラムを学校現場などに提供しています。社会貢献教育ファシリテーターになるための研修も随時開催しているほか、来年3/18-19ファンドレイジング日本2017
と同時開催で、社会貢献教育オープンシンポジウム(2017年3月18日(土))を開催します。ここでは社会貢献教育が日本社会でもつ意味と可能性について有識者、現場経験者などを交えて議論を深め、関心層に情報を発信し社会貢献教育の展開に必要な関係者を巻き込むことを目的として実施します。詳しくは、ぜひ、お問い合わせください。

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Profileこの記事を書いた人

大石 俊輔 Shunsuke Oishi

日本ファンドレイジング協会 プログラム・ディレクター

2008年3月法政大学大学院政策科学研究科修士課程修了。学生時代より、まちづくり、文化芸術分野のNPOでのボランティアを経験。同年4月より特定非営利活動法人せんだい・みやぎNPOセンターに勤務。2010年6月より現職。2010年日本で初めての寄付白書の編纂で中心的な役割を担うとともに、次世代向けのフィランソロピー教育である「寄付の教室」実行責任者として活躍中。

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