まずは、こちらのビデオを見てみてください。
目の不自由なお年寄りが、広場で、施しをもらおうとして座っています。そのボードには、「I’m Blind, Please Help(私は目が見えません。助けてください)」と書いてありますが、ほとんどの人は関心を示しません。
しかし、通りかかりの女性がこの文章を書き換えると、急に寄付が集まり始めます。
このビデオは、「共感」というもの持つ意味を非常に端的に捉えています。
さて、二つのボードのメッセージを比較してみましょう。
最初に書いてあったのが、
「I’m Blind, Please Help(私は目が見えません。助けてください)」
書き換えたのが、
「It’s a Beautiful Day, and I Can’t See it(今日は素晴らしい日ですね。だけど私はそれを見ることができません)」です。
この二つのメッセージは、同じ男性からのメッセージですが、共感性の観点からは全く違う意味があるメッセージになっています。
二つ目のメッセージは、その広場にいる全ての人々が感じている「素晴らしい日だ」という感覚をまず示したうえで、「それが私は見えないのだ」ということを示しています。
このことにより、広場にいる人と自分との間に「It’s Beautiful Day」という共通フィールドを生み出しているのです。
その前のメッセージももちろん間違いではなく、事実です。しかしながら、そこには、広場の人の感覚との大きな距離感の違いが生まれているために、共感がおきにくくなってしまっています。
お見合いで「ご趣味は?」と聞くのも全く同じことであり、共通フィールドを探している行為です。共感を考えるときに、まず、簡単な第一歩は「共通フィールドを探す」ということにあります。
Commentsコメント