アメリカのワシントンD.C.に本拠地を置き、クラウドファンディングの運営を通して世界170カ国で19,000を超えるプログラムをサポートするGlobal Giving。2002年の団体設立以降、そのプラットフォームを通して調達された資金は約350億円に上ります。今回は、世界各地で挑戦する人びとを支えているGlobal Givingから、当協会に足を運んで下さったシェリア・ナンビィアーさんにインタビューした様子をお届けします。
日本の非営利活動団体とGlobal Giving
Global Givingの日本担当であるシェリアさん。「海外のオンライン・ファンドレイジングとなると、どんなことをやっているのかが見えにくいなどの問題があります。そのため、私たちのサービスをより良く知ってもらい、効果的に使うことが出来るよう、Global Givingに興味のある方々やパートナーに直接会って説明する機会を持つことを大切にしています。」と来日の意気込みを語って下さいました。Global Givingのマーケットの中でも日本が占める割合は小さいですが、これまで日本で活躍する20以上の団体が Global Givingのプラットフォームを利用しています。Global Givingに寄付をするドナーの多くはアメリカまたはイギリスといった英語圏の方々になるが、特に震災復興支援等への関心が寄せられているそうです。
ハードルを低くする仕組み
海外でクラウドファンディングをする、ということに高いハードルを感じる人も少なくないでしょう。しかし、Global Givingを通してファンドレイジングをする団体については、アメリカで多くの非営利組織が取得している慈善事業を行う非課税団体のステータス(通常、Internal Revenue Code 501(c)(3)と呼ばれるもの)を取らなくても、それとほぼ同条件でファンドレイジングが出来るというメリットがあります。
ドナーはこのGlobal Givingのプログラムを通して寄付をすれば、対象団体が日本の団体であっても、アメリカ国内の団体に寄付をしていると同じように税控除が受けられます。また、ドナーやメッセージを発信していく相手が英語圏の人びとになるため、英語でのコミュニケーションは必須であるが、文化・社会的にどのようなメッセージを発信していけばよいかなどは、アドバイスを受けることが出来ます。
積極的な関わりを求めるアクセラレータープログラム
「オンライン・ファンドレイジングの特徴として、場の提供があっても、戦略が置き去りになってしまうケースも少なくない」とシェリアさんは語ります。そこでGlobal Givingが始めたのが「アクセラレータープログラム」という、参加団体のファンドレイジング力強化への支援です。実際に、オンラインでの資金調達を行う前に、1ヶ月のトレーニングを行い、戦略的なファンドレイジングについて学んだ後に、1ヶ月以内に$5,000を40人の異なる支援者から集めることをゴールにファンドレイジングを行っていきます。
この条件をクリアできない場合は、それ以上のファンドレイジングプロジェクトの継続を、そのプラットフォーム上で継続することは難しくなるため、自団体のアピールや事業を通した価値の可視化・言語化などを積極的に行っていく必要があります。エントリー自体は無料であり、仮にゴールの達成が叶わなかった場合も、その間に募ることの出来た寄付については、寄付総額の10%分を手数料等を差し引いた額を引き受けることが出来る仕組みになっています。また、このチャレンジは3か月4半期 ごとに行われているため、再チャレンジも可能になっていますが、参加団体の積極的な関わり合い方が試されている設計になっています。
最後にシェリアさんはさらにこう語ります。「国境を越えて、ミッションや目的に共感する人たちは皆さんが思っている以上に存在します。潜在的なドナーを世界で発掘するために、手伝えることがあればぜひ相談してほしいですね。」
今後、シェリアさんは6月末まで日本に滞在予定であり、日本各地のNPOの訪問や、戦略的オンラインファンドレイジングに関するセミナーを仙台と東京で無料開催予定です。
詳細・申し込みは以下をご参照下さい。
Commentsコメント