無料 投稿日:2016年6月17日

いよいよ動き出す社会的インパクトの未来

三島 理恵Rie Mishima
コミュニケーション・ディレクター

申し込み開始から5日たらずで満席となり受付を締め切った「Social Impact Day 2016」。当日は、様々なセクターの皆様にご参加いただき、社会的インパクト評価を推進するための、歴史的な1日となりました。

世界の社会的インパクト評価を牽引する英国のNew Philanthropy Capital(NPC)のディレクター Tris Lumley氏をお迎えして開催したシンポジウムの様子を一部抜粋でお届けいたします。

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NPO、政府、企業、資金提供者などがそれぞれに役割を果たす「エコシステム」

金融危機後、資金の出し手となる助成財団や投資家がより事業をもとめるようになったことや民間の知恵や技術をさらに活用していこうとするながれがあり、また日本においても少子・高齢化に伴い社会的課題も複雑化・多様化しており、財政赤字1,000兆円を超える日本では、これまでの行政中心の対応では限界も生じ始めてきていることから、国際的にも、国内的にも社会的インパクト評価を推進する機運が高まってきています。

Tris氏は、「社会的インパクト評価を推進するにあたり、『エコシステム』であるかどうかが重要なポイントだ」と強調されました。

エコシステムとは、NPO、政府、企業、資金提供者などがそれぞれの知見を共有しながらそれぞれの役割を果たし、効率的で効果的なシステムです。

「資金提供者が社会的インパクトがどうだったのかについて説明を求めているから社会的インパクト評価を測るだけではなく、事業の改善や組織の成長のために行う必要がある。こういった動きをしっかりと政府も推進していくことで、実行にもつなげていく。また、インフラに投資をすることも大事なことだ」とTris氏は語ります。

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組織の成長のための、社会的インパクト評価。

社会的インパクトを高めることは、しっかりと事例、評価を共有し、標準化されたツールを使い、そこから学び同じ分野で活動するNPOを比較することで、さらなる学習につなげていくことから、組織の成長や事業の改善を促すことにつながります。

「評価」というとどうしても「監査」や「査定」のような意味合いで受け捉えがちですが、そうではなく、事業を行うことで生まれた短期的、長期的な変化など社会的なアウトカムを定量的・定性的に把握し、価値判断を加えることです。

「評価プロセスでは、その事業体によって質問や課題も変わってきますが、自分たちにとって優先する課題はなんなのかをしっかり把握することやリスクも理解しながら実行すること、また、プログラムの生態系にあっているのか、ベンチマークはどこなのか、しっかりと意識しながら行なっていく必要がある。」とTris氏。

NPOがそれぞれの架け橋となる。

さらにTris氏は、「現場からのボトムアップとトップダウンのアプローチをあわせるのはNPOが得意なこと。現場の声を聞き、政府や企業などと協力体制を組み、それぞれの関係者の架け橋となることができる。社会的インパクト評価ができれば世界的に明るい未来を生み出すことができるのではないか。」と力強く締めくくりました。

日本においても、社会的インパクト評価イニシアチブがこの日に設立され、推進する機運が高まってきています。

ぜひ、みなさんからの知見や事例などの情報も共有していただきながら、日本型の社会的インパクト評価を創出していきたいと思います。

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情報の共有、成果指標、事例及び最新情報などは、こちらまで。

国内外における社会的インパクト評価に関する情報を集約したウェブサイト
社会的インパクト評価イニシアチブ
http://impactmeasurement.jp/index.html

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Profileこの記事を書いた人

三島 理恵 Rie Mishima

コミュニケーション・ディレクター

大学卒業後、国際協力機構に勤務。2009年6月から設立スタッフとして日本ファンドレイジング協会に入職。学生時代は障害者の家族の家族関係学を研究。現在は広報やボランティアマネージメント業務を担当するコミュニケーション・ディレクター。その他に、企業、NPO、行政、国際機関などと協働で行っている寄付キャンペーン「寄付月間-Giving December-」も事務局として携わっている。

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