鵜尾:トラストバンクといえば、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を思い浮かべる人が多いと思いますが、御社は「自立した持続可能な地域をつくる」をビジョンに、自治体、地域の事業者や企業、団体、市民の方々と「共創」し、地域課題を解決するための事業を多角的に展開されています。コロナの影響はどのように捉えられていますか。
川村:弊社では、2020年3月に完全リモートワークでの働き方に切り替えました。ただ、これは、単純に働き方を変えるということだけではなく、職員一人ひとりの生き方の選択肢を広げる機会と捉えて前向きに取り組んでいます。そして、自治体でもリモート化への関心は急速に高まっています。弊社では、「LoGoチャット」というセキュリティの高い行政専用回線をつかった国内初の自治体向けビジネスチャットサービスを展開していますが、現時点で、約3分の1の自治体の方に利用を頂いています。以前は実際に会って話すことが前提でした。その前提がコロナ禍で崩れ、今では当たり前のように、「LoGoチャット」などでコミュニケーションがとられています。
鵜尾:コロナは社会のあり方を揺るがせ、人々は持続可能な社会の重要性に、半ば強制的に気付かされました。これからの取り組みについて教えてください。
川村:地域が持続可能であるために、直接的に地域の課題解決につながるソリューションを、積極的に展開していきたいと思っています。地域の課題解決を担うのは、行政だけでありません。様々なプレイヤーのハブとなるファンドレイザーとの共創をどのようにつくっていくのか、この記事を通じて、ファンドレイザーの方々にも、弊社の取り組みを知ってもらいたいです。
自治体がふるさと納税制度を活用したクラウドファンディング型で寄付を募る「ガバメントクラウドファンディング」は、2020年には354件のプロジェクトが立ち上がりました。その中でも自治体とNPOが連携したプロジェクトも増えています。自治体がNPOと連携することで、信頼性が高く、地域の課題に即した実行力のある事業が実施されています。ただ、まだまだ件数は少ないと思っています。弊社は、これまでに蓄積したノウハウをオープンなものとして共有することで、ガバメントクラウドファンディングを通して課題解決に向け取り組むプロジェクトをファンドレイザーの皆さんと一緒にタッグを組み、一気に拡げていきたいと考えています。
鵜尾:トラストバンクのガバメントクラウドファンディングの特徴として、災害支援のプロジェクトがたくさんありますよね。
川村:2021年2月5日に、「ふるさと納税の災害支援に関する意識調査」の結果を発表しました。ふるさと納税で被災自治体に災害支援の寄付ができることを「知っている」と答えた人が約6割を占めました。3年前の調査から11.4ポイント増えました。ただ、「知っている」と答えた人の中で、実際に寄付を行った人は、まだ2割です。認知をもっとひろげていきたいと思います。
自治体に対しても、ふるさと納税で災害支援を集めることができること、そして、「代理寄付」の制度についても認知をひろげていきたいと思います。これは、被災した地域に代わって、被災していない自治体が、寄付受付の対応を行うという制度です。平成28年4月に発生した熊本地震とのきの時にできた仕組みで、この輪は今も広がっています。
鵜尾:最後に、読者にむけてメッセージをいただけますか。
川村:トラストバンクは、「自立した持続可能な地域をつくる」というビジョンを掲げて、様々なアイデアやネットワークを持っているところと協働して地域課題の解決を図っていこうと思っています。特に地域で活躍するファンドレイザーやNPOの方々との共創は、地域課題の解決に必要不可欠です。
ガバメントクラウドファンディングはじめ、一緒にできることはたくさんあります。ぜひ声をかけていただきたいと思います。
株式会社トラストバンクは「寄付・社会的投資が進む社会の実現」に向けて、
当会と一緒にチャレンジするスペシャルパートナーです。
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