投稿日:2022年9月29日

連載最終回|NPOキャリアのいろんなカタチ~行動を起こす人の未来は明るい~

鈴木 大悟Daigo Suzuki
准認定ファンドレイザー
フリーランス・ファンドレイザー

「自由にあなたらしいNPOキャリアを描く」というテーマで、ワカモノ人材にインタビューする連載企画。今回が最終回です。

この連載を通じて、7人のワカモノ人材にインタビューをさせていただきました。

  1. 行政・NPO・大学 3つのセクターを横断。ユニークなキャリアに見出した多様性を生む力(里本 裕規さん)
  2. 意思ある車が社会を変える!日本カーシェアリング協会の石渡さんが寄付車から学んだこと(石渡 賢大さん)
  3. 音楽のソーシャルインパクトを測るには?川野辺さんが紡ぐパラレルキャリア(川野辺 雪菜さん)
  4. 「教育=学校の先生」だけじゃない!池田さんが見つけた、私らしい福祉のキャリア(池田 春奈さん)
  5. キッズドアで講師を6年つづける難波さんが、教育とITでおりなす夢とは?(難波 真人さん)
  6. 海外で仕事がしたい!原さんが発展途上国を志した理由と現地で直面した困難(原 光一郎さん)
  7. 【バリ島から生配信!】新卒でソーシャルセクターに飛び込んだ20代のリアルな話(島田 颯さん)

お一人おひとりに、岐路に立った時の悩みがあり、自らの道を歩む決意がありました。

最終回は、著者の私が連載を通じて学んだことをお伝えできればと思います。

「最後は自然にここで働こうと思えた」

「最後は自然にここで働こうと思えた」、これはワカモノ人材の皆さんが口を揃えて話してくださった言葉です。
ソーシャルセクターへの転身を考える際に、

  • ここでキャリアが終わりにならないだろうか?
  • 給料が下がっても生活していけるだろうか?
  • 希望するポジションで働けるだろうか?
  • 家庭と仕事を両立できるだろうか?
  • 後悔しないだろうか?
  • etc…

皆さんたくさんの葛藤がありましたが、「最後は自然にここで働こうと思えた」と腹落ちされていました。

悩んでいても前向きで、挑戦したい気持ちの障害となるような理由に一つひとつご自身で向き合われているように見えました。

つまりやる or やらないで悩んでいるのではなく、実行に移すまでに乗り越えなくてはいけないことに対して自分なりに折り合いをつけられる人たちがワカモノ人材なのかもしれないと感じました。

企画を始めた当初は、ワカモノ人材を「心が若く、自らの理想に向け、志高く活動する方」と定義していたのですが、今は「行動している方」と端的にまとめた方がそのありのままの姿を捉えているようにも思います。

では「行動していない方」が「行動している方」になるには、どうすれば良いのでしょうか?

まずはプロボノとして関わってみるのがオススメ

プロボノをやりたい人とプロボノを求めているNPOを繋いでいる団体やサービスがあります。
例えば・・

などなど、自由にNPOキャリアを描く土壌はもう整っています。

NPOキャリアにはグラデーションがあり、十人十色です。
ソーシャルセクターで働くこと=NPO法人に就職することではないと思います。


カバーもグラデーションをイメージしていました

もちろんプロボノだけが関わり方の入口でもないと思います。
寄付で参加することや、共感した活動について家族や友達に話すでも、何でも良いと思います。

「この社会課題に関わりたい!」「この団体に関わりたい!」
そんな「want」に対して素直に行動することが肝心です。

ワカモノ人材の未来は明るい

誰もがインターネットを通じて情報にアクセスできるようになった現代では、結果を出す人とそうでない人の違いは行動しかありません。

行動を起こす人の未来は明るいのです。

私は27歳でステージ4の末期ガンを経験しました。
3ヶ月の抗がん剤治療と2度の手術を経て、現在は寛解しています。

病床に臥した時、「もしもう一度生きることが許されるなら、世のため人のために仕事をしよう」と心に誓いました。

最後の手術の直前に、日本ファンドレイジング協会の研修を受けていたのですが、そこで代表理事の鵜尾雅隆さんとお話しさせていただいたことが、この連載へと結実しました。
このような素敵な機会をいただき、心から感謝しています。

もしあの研修を受けていなければ、この連載も実現しなかったことを思うと、やはり行動を起こすことの大切さを痛感します。

最後に、私の好きなRobert Frostの詩『The Road Not Taken』を引用して終わりたいと思います。

Two roads diverged in a wood, and I—
森の奥深くで道が二手に分かれていた、そして、

I took the one less traveled by,
私はまだ足跡の少ない方の道を選んだ、

And that has made all the difference.
その決心が、その後どれほど大きな違いになったことか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。連載「NPOキャリアの歩き方」はこれで終了となりますが、ファンドレイザーのエコシステムをテーマにした新連載を予定しています。企画・執筆は今作と変わらず、鈴木大悟が務めます。ぜひご期待ください。

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Profileこの記事を書いた人

鈴木 大悟 Daigo Suzuki

准認定ファンドレイザー
フリーランス・ファンドレイザー

1994年埼玉県生まれ。慶應義塾大学商学部卒。大手証券会社でリテール営業に従事し、2018年に認定NPO法人かものはしプロジェクトの社会人インターンとして、NPOキャリアをスタートする。法人や個人大口の寄付開拓を担当する中で、日々たくさんの支援者の方々と実際にお話しさせていただき、寄付は”未来の社会への応援”であることを強く実感する。2019年にフリーランス・ファンドレイザーとして独立し、Webメディア事業の運営をはじめ、寄付募集のLP及び記事の制作や、遺贈寄付獲得のための設計支援などが特長。自らも収入の1割を寄付し続けることを信条とし、寄付を通して幸せや豊かさを実感できる方を、一人でも多く増やすことを使命とする。

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