米国大学で広がりつつある「社会的投資」を行う社会貢献教育の授業。一体どんなプログラムなのか?どんな効果があるのか。Learning by Giving Foundationのウォーレンバフェット氏の甥でもあるアレックス・ロザック氏とジェフ・ピアモント氏に社会投資教育についてお話をお伺いしました。
(写真左手前から時計回りに、アレックス・ロザック氏、ジェフ・ピアモント氏、鵜尾雅隆、三島理恵)
Learning by Giving Foundationは2003年に投資家として世界的に有名なウォーレン・バフェットの姉であるドリス・バフェットによって設立された財団です。Learning by Giving Foundationはフィランソロピー(社会貢献)を目的とした団体ですが、私たちの特色は単に非営利組織に寄付するのではなく、寄付先を学生に選ばせることによって社会的投資を学生に経験してもらうということです。
私たちの具体的な方法は、提携先となる大学に資金を提供し授業のひとつとして「社会的投資体験科目」を実施してもらうことです。
1.ひとつのクラスに約100万円の資金を提供する
2.学生に非営利組織の活動をリサーチ・評価してもらう
3.投資先と額の意思決定を行う(教授に相談をしたりすることも可能です)
4.その社会投資 (寄付金)がどのようなソーシャルインパクトを生みだしたかについてリサーチ・報告を行う
このプログラムによって、学生は非営利組織の活動を評価する目を養い、また効果的な寄付とはどのようなものかといったクリティカルシンキングを体得することができます。そういったことを経験した学生は社会に出た時、コーポレートフィランソロピーについて理解を深めることにつながり、また個人としても、「寄付」をすることに対して、より積極的な考えをもつことにつながります。
教科書や理論的な学びを超えたこの実践教育は、次世代を担う若者にとって必要だと感じています。
このプログラムは、2003年に一校との連携でスタートしましたが、今ではコロンビア大学やスタンフォード大学でもモデルとしてカリキュラムに導入され、2014—2015年度に開催された「社会投資体験科目」は35クラスにのぼりました。ここ最近、大学では、オンラインラーニング教育が盛んになっていますが、社会的投資体験授業をオンラインで行っている大学もあります。
社会貢献教育には正解はないので、今後も様々な連携をはかりながら推進していきたいと思います。
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