投稿日:2019年11月21日

【共感の本質シリーズ】共感って何?

鵜尾 雅隆Masataka Uo
認定ファンドレイザー
日本ファンドレイジング協会 代表理事

共感とファンドレイジングの関係

ファンドレイジングにおいて、「共感をしてもらうことが大切」と良く言われます。これは、一般的に、何か商品を買うときには、「のどが渇いたから、ミネラルウオーターを買う。そして、のどの渇きが癒える。」ということが、分かりやすく成り立ちますが、寄付は、お金を支払っても、すぐに自分が消費するものは返ってきません。しかし、そこで「共感してもらう」ということによって、「共感した相手を応援することで得られる幸福感・満足感」のようなものが心理的に発生します。
共感ということへの理解と共感する力は、経済においても、組織マネジメントにおいても、教育の現場でも、あらゆるところで必要なスキルですが、ファンドレイジング以上にこのスキルを必要とするものはないと言ってもいいかもしれません。何の対価性も指示命令関係もないところで、共感だけでお金を動かすことを毎日やっている人たちがファンドレイザーなのですから。

共感力は磨けるのか

私は、この数十年、ファンドレイジングに関わる中で、「共感」ということに向き合ってきました。同時に、「共感」というものを個の力として生み出すことのできる人たちや、組織や事業のマネジメントの中で生み出すことのできる団体に数多く出会ってきました。その経験の中で、ずっと、この共感を「得る力」「する力」がどういうものなのか、どうすれば磨けるものなのか、どういう組織が「共感体質になるのか」を考えてきました。
そして、たどり着いたパラダイムがふたつあります。

共感力は人も、組織も伸ばせる力である
トレーニング次第で、誰でも伸ばせる能力であるということです。人によって共感力が高い人と低い人がいるのは、足の速い人と遅い人がいる、という違いに似ています。オリンピック選手になろうということではなく、トレーニング次第で、個人として必要なスキルは、誰も習得することできます。
共感力を理解すると、人生も仕事も色んなことがうまくいく
共感力を理解することは、単に「人付き合いがうまくいく」という次元を超えて、「自分が応援を得て物事を実現できる力を得る」ということです。ひとりでは弱い力を何倍もの力にできるということです。
共感力の本質を、ぜひ皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

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Profileこの記事を書いた人

鵜尾 雅隆 Masataka Uo

認定ファンドレイザー
日本ファンドレイジング協会 代表理事

GSG 社会インパクト投資タスクフォース日本諮問委員会副委員長、全国レガシーギフト協会副理事長、非営利組織評価センター理事、JICAイノベーションアドバイザー、大学院大学至善館特任教授なども務める。JICA、外務省、NPOなどを経て2008年NPO向け戦略コンサルティング企業(株)ファンドレックス創業、2009年、課題解決先進国を目指して、社会のお金の流れを変えるため、日本ファンドレイジング協会を創設し、2012年から現職。認定ファンドレイザー資格の創設、アジア最大のファンドレイジングの祭典「ファンドレイジング日本」の開催や寄付白書・社会投資市場形成に向けたロードマップの発行、子供向けの社会貢献教育の全国展開など、寄付・社会的投資促進への取り組みなどを進める。
2004年米国ケース大学Mandel Center for Nonprofit Organizationsにて非営利組織修士取得。同年、インディアナ大学The Fundraising School修了。
著書に「寄付をしようと思ったら読む本(共著)」「ファンドレイジングが社会を変える」「NPO実践マネジメント入門(共著)」「Global Fundraising(共著)」「寄付白書(共著)」「社会投資市場形成に向けたロードマップ(共著)」「社会的インパクトとは何か(監訳)」などがある。

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