”I made a 10,000friends in 23 years”
前編で「支援者の想いに寄り添ったフレンドレイジング」が前提であることに触れましたが、分科会もそう感じさせられるクラスが多くありました。見出しの言葉は、遺贈に関する分科会に出た際、スピーカーが最初に話した言葉です。「遺贈寄付は『たくさんの寄付が一度に集まる』からやる、という考えの人はこのクラスは間違い。遺贈寄付で一番大切なのは、遺贈しようと思ってくれた人に感謝し、その託された想いに寄り添うこと」という冒頭の言葉からも分かるように、まず支援する人の立場に立つことが大切であると改めて学ぶことができました。
ファンドレイザーが1つの仕事として確立されている
IFCに参加し、一番刺激を受けたことは、参加者一人一人の意識の高さ、また参加者が所属する団体の目標の明確さでした。参加者と話していると、IFCに来たこと自体が所属団体のファンドレイジング戦略の一部であったり、また団体として、支援者に対しても、「毎月寄付してくれる方」、「高額寄付者」など、支援者をカテゴリー別にして戦略を立てたりと、戦略の存在があること自体に驚かされました。ファンドレイザー一人の想いだけでなく、団体として3年、5年後を見据えたファンドレイジング戦略を立て、内容を共有し、それに基づいてファンドレイザーが行動する、そんな組織と一体になったファンドレイジングこそが大切であると学びました。
また、分科会には大きく5つのテーマが設定され、セッション時間ごとにテーマから分科会が立てられていました。そのテーマの一つが「あなた(ファンドレイザー)のメッセージを広めよう」でした。支援者へ団体のメッセージを届けるにしても、ファンドレイザーの想いを伝えるにしても、その人・団体の個性や想いを大事にし、自分の言葉で支援者に伝えることが、「友だち」になってもらえる一歩であり、誰かの真似をするだけでは友だちを増やすことは難しいということを改めて理解することができました。
The Resource Alliance のホスピタリティーの高さ
主催団体のThe Resource Allianceの”Welcome!”な体制と、初めての参加者でも溶け込みやすい工夫が散りばめられていたことが、ホスピタリティーが高いと感じたことです。例えば、参加申込をしてから毎週届いたメールマガジン、参加者が利用できる会議のスケジュールや、参加者全員とやりとりができるアプリ。会議当日も、参加者同士が交流しやすいよう、休憩時間が多く取られ、廊下にはコーヒーマシンやお茶、お菓子が並べられ、夜には楽しいパーティが用意されるなど、本当に楽しい時間でした。また、瞑想やヨガなど身体を動かす時間もあり、私も毎朝ヨガクラスに参加し、リフレッシュすることができました。
おわりに
IFCへの参加を通じ、フレンドレイジングという考えを共有できる人にたくさん出会うことができたことが心から嬉しく、もっとこの考えを日本で広めていきたいと強く感じています。支援者やNGO、受益者が幸せな気持ちになり、温かい気持ちが循環していくようなフレンドレイジングに一人でも多くの人と一緒に取り組んでいきたいと思います。
来年6月にIFCのアジア版が初めてタイで開催されます。ぜひフレンドレイジングを一緒に体験しに行きませんか?
※外務省主催 NGO 海外スタディ・プログラムによる
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