どのように、そして何を意識して寄付者やボランティアを集めるのか。すべてのNPOの抱える課題と日本グッド・トイ委員会の活動について、ファンドレイジング大賞受賞団体である日本グッド・トイ委員会の多田千尋さんに伺ってきました。
ひと”と“もの”の掛け合わせによって広がる活動
私たちのNPOは東京おもちゃ美術館の運営を始める前、主に4つの活動を行っていました。一つは日本で売られているおもちゃの中から優れたおもちゃを選び、おもちゃ版本屋大賞と言えるグッドトイアワードを発表することです。そして二つ目がそのおもちゃの良さを伝え広げる役割を担う人材であるおもちゃコンサルタントの養成です。続いて始めた活動が、病児の遊び支援と子育て支援です。そのどちらにも優れたおもちゃとおもちゃコンサルタントが大きく関わっています。“ひと”と“もの”の掛け合わせによって、わたしたちの様々な社会的活動の可能性は広がっていきました。
ワクワク、ドキドキを大切に
ある日、四谷にある廃校を活用して、おもちゃ美術館の運営を行うことになりました。社会的活動には当事者意識を持つことが必要です。おもちゃ美術館の運営では、当事者意識、そして当事者意識を持つためのワクワクドキドキを大切にしています。そのためにおもちゃ美術館を手伝うボランティアスタッフは、おもちゃ学芸員として募集しています。「ボランティア募集」より「おもちゃ学芸員募集」と呼びかけた方が、わくわくします。「おもちゃ学芸員」になるためには、受講料を払って講義を受け、また会員でもありますので、総会では積極的に意見を出してくれ、私たちの活動へのコミットは大きなものです
「おもちゃ」を介して多世代交流をすすめたい
おもちゃ美術館の魅力として「木の香り」があります。木にこだわっているのは「安心感」を感じられるからです。私たちが推進する木育は、「ウッドスタート」をいう、木からはじめましょう、というコンセプトで行っています。その推進では、市町村や企業に働きかけ、ウッドスタート宣言をしてもらいました。市町村では学校で地元の木を使う地産地消を行うなどの内需の拡大を狙い、企業では赤ちゃんに木のおもちゃをプレゼントすることや木育コーナーの設置に至っています。最終的には市町村と企業はウッドスタート協定のようなものができ、地産外商へとつながっていくと考えています。その際にNPOが市町村と企業をつなぐプラットフォームになるというのは、NPOにしかできない役割ではないでしょうか。
このようにNPOの活動は広がっていきましたが「おもちゃを真ん中にして赤ちゃんからお年寄りまでの多世代社会をどう豊かにできるか」を一貫したテーマにしています。おもちゃ美術館はおもちゃを介して赤ちゃんからお年寄りまで、自然にコミュニケーションをとれる場の一つなのです。
NPOの強みは何か
おもちゃ美術館はお金の寄付者と時間の寄付者によって成り立っています。寄付金やボランティアを集められることが、企業にはないNPOの強みです。また課題を解決するにあたって、問題を広め、かつ人を巻き込みながらやっていくのがNPOだと思います。貪欲に寄付者を集めるとともに、支援してくれる方を単なる寄付者にするのではなく、ストーリーを作り当事者意識を持たせるように意識しました。このように寄付者に当事者意識を持ってもらい、サポーターとすることで、寄付を一過性のものにせず、寄付してもらった後もサポーターからの発信、宣伝、PR効果を期待しています。
おもちゃを通じた静かな革命を起こしたい
最後に、私は、おもちゃを通じた静かな革命を起こしたいと思っています。革命には、色々なコミュニティに化学反応を起こすということがあると思います。化学反応は異種が交わることで起こりますが、異文化交流はとても良いことです。異文化交流をするとよくも悪くも異文化摩擦が起きますが、その摩擦は化学反応には大切な要素で、楽しめるようになれるといいと考えています。
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