大学チャプターは、日本ファンドレイジング協会のテーマ別チャプターとして、2019年3月に設立されました。2020年6月現在、日本全国に200名を超えるメンバーがいます。主な活動は次のとおりです。
(1)関係者ネットワークの構築:大学のファンドレイジング関係者をつなぎ、情報交換や交流を通じて互いに相談し合える環境の構築。
(2)セミナー、イベント、調査・分析を行う機会の提供:大学のファンドレイジング関係者のスキル向上とノウハウ習得のためのセミナーやイベントを通じたプロフェッショナル・デベロップメントの機会の提供、及び調査・分析活動の実施。
最新の大学チャプターの活動は、公式サイト(https://www.jfraac.org/)と公式Facebookページ(https://www.facebook.com/jfra.ac/)をご覧ください。
大学寄付を取り巻く状況の特徴として、国立大学運営費交付金や学校法人への経常費補助金の削減により、自ら外部資金を獲得する必要性の高まりが挙げられます。
個人からの寄付金に対する税制優遇措置が進み、学校法人(私立大学)においては平成23(2011)年度から、国立大学法人と公立大学法人においては平成28(2016)年度から、従来の所得控除に加え、税額控除が導入されました(国立大学と公立大学については、学生等に対する修学支援事業充当分に限定)。
文部科学省では、教育・文化・スポーツ・科学分野におけるファンドレイジング活動推進の一助として、2015年から「寄附フォーラム」を開催しています。
このような環境の変化を受け、専門職としてファンドレイザーを置くなど、積極的に募金活動を検討する大学が増えています。
2020年初めに始まった新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に、大学も大きな影響を受け、予測のつかない事態を経験しています。卒業式や入学式など重要な式典の中止あるいは延期、緊急事態宣言の発令と臨時休業要請を受けた入構制限、遠隔授業への切り替えを余儀なくされ、大学病院では、特効薬がない中での治療や逼迫した医療物資の確保など、喫緊の課題に直面しました。
学生は、保護者の収入減少やアルバイト先がなくなるなどの経済的な困窮に加え、遠隔授業という慣れない環境に身を置くことになりました。
コロナ禍対策として多くの大学で開始されたのが、奨学金の新設・増設、遠隔授業の受講環境整備といった学生支援です。大学病院での医療を通じた支援や研究成果による支援も始まりました。このような特異な状況下において、大学の募金活動の状況を記録することは、統計的な観点から、さらに今後の日本の大学寄付の考察や普及においても重要だと考え、緊急調査を実施しました。
大学におけるコロナ禍関連の寄付金受け入れについて情報を収集し、その情報を提供することで、各大学における寄付文化の成長を促し、ファンドレイジング戦略に資することを目的としています。
(2020年2月の大学チャプター勉強会。オンラインも含め35名が参加しました。)
期間:2020年5月31日〜6月16日
対象:文部科学省の関係機関リンク集のうち、「高等教育機関」に掲載されている「国立大学法人」「公立大学」「私立大学」合計790大学。高等専門学校、公私立短期大学、放送大学については対象外とした。
•文部科学省のリンク集に沿って、大学公式ウェブサイトを上から順に閲覧し、大学または学校法人で、ウェブサイトに寄付専用ページ(恒常的または記念事業用)を設けている大学をピックアップした。
•公式ウェブサイトのトップページ、新型コロナウイルス特設ページ、寄付ページのいずれかで、コロナ禍関連として寄付金を受け付けている大学をピックアップした。
•コロナ禍関連のページについては、詳細な調査項目を追加した。
•同一法人の大学については大学数でカウントした。同一大学で、修学支援と医療支援など、複数の使途目的で寄付を募集している大学は一つとみなした。主に教職員へ寄付を呼びかけている大学はカウントしなかった。
参考資料:日本私立学校振興・共済事業団「平成28年度 学校法人の寄付募集に関するアンケート」
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