全国の成功事例を通じてファンドレイジングの本質が体感できるFRJ2018。来年3月17日と18日の2日間にわたって開かれる大会が、今からとても楽しみです。この記事では、過去の大会において参加者満足度が非常に高かった人気講師による、ファンドレイジング入門者にもおすすめの、いわゆる“王道セッション”の内容を、ジャーナル読者限定でご紹介します!
「寄付をする」、「会員になる」アクションは、団体の取り組む課題に共感し、その解決策へ賛同し、さらに団体を信頼することで起こるもの。でも、その基本的プロセスを経ても、「今日のところはちょっと・・」と寄付や入会に至らないケースが多いのも現実です。また、会員になっても継続をせずに退会してしまう人もいます。そうした人たちと、寄付や入会、会員継続してくれた人たちとの間を明確に分ける「最後に背中をそっと押したもの」を心理学アプローチによって解き明かし、寄付を募る際の小さな工夫を考えるセッションが、徳永洋子さんによる【心理学を活かしたファンドレイジング ~寄付者や会員の背中をそっと押したもの~】(18日午前)です。
社会心理学者のロバート・B・チャルディーニによるベストセラー『影響力の武器』の中では、人間が何かを決める際には次の6つの心理学的原理が働いていることが提唱されています。
・返報性(Reciprocation)
・コミットメントと一貫性(Commitment and Consistency)
・社会的証明(Social Proof)
・好意(Liking)
・権威(Authority)
・希少性(Scarcity)
これら6つの心理学的原理は、准認定ファンドレイザー必修研修テキストでも「心理的効果とファンドレイジング」として紹介されています。徳永さんのセッションでは、これら6つの原理が「寄付」した人の気持ちにどう影響しているのかを具体的な事例とともに学ぶことができます。
例えば、返報性(Reciprocation)とは、人は「受けた恩は、返したくなる」という心理学的原理のこと。人から何かの「恩」を受けた時、人は恩義を感じ、それを返したいという気持ちを持つ傾向にあります。そうした心理を意識化すれば、自団体のファンドレイジングにおいても「一筆添える」、「プレゼントする」、「会報に掲載する」、「感謝の気持ちを伝える」等のちょっとした工夫によって、成果に結びつく確率を高めることができます。
また、人には「表明した約束を守ろうとする」気持ち、いわゆるコミットメントと一貫性(Commitment and Consistency)があることを理解してファンドレイジングに取り組めば、例えば、団体設立時になるべく多くの人を巻き込んで賛同人という形でコミットすることを表明してもらったり、団体カレンダーを配って壁に貼ってもらったり、または、会員用の名刺を使ってもらう等の工夫によって、その後の継続的かつ幅広い支援につなげることができます。
他にも徳永さんのセッションからは、人の心の動きを理解することでできるファンドレイジング上の小さな工夫をたくさん学ぶことができます。
一方で、徳永さんが強調されるのは、寄付というアクションにいたる基本、「共感 X 賛同(納得)+信頼=寄付」の大前提の確認です。これは「テクニックがあれば寄付は集まる」という誤解を生まないためにもとても大事な確認、とのこと。その大前提を押さえた上で、この基本プロセスに加えて、最後に「背中を押した何か」について考えます。
セッションのワークでは、寄付者が寄付をする寸前に心によぎったと思われる具体的な25~30のメッセージ(心の声)を6つの原理のそれぞれに当てはめ、寄付者の「背中を押したもの」を分析。それをもとに、ファンドレイジングの際に何をしたらいいのかを考えられるようです。
他にも、マズローの欲求5段階説(生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、尊厳欲求、自己実現欲求)のピラミッドを使って、「会員の心理」についてもご解説いただきます!
「社会のお金の流れを変える」強力なツールであるファンドレイジング。「共感」の力が生み出すブレイクスルーも、その最初の一歩は「感情は理屈に勝る」という人間心理に対する洞察と、それにもとづく具体的で地道な工夫から、と言えそうです。
心理学の側面からファンドレイジングにアプローチしてみたい方は、是非、大会2日目午前、徳永洋子さんのセッションに参加されてはいかがでしょうか。
「心理学を活かしたファンドレイジング~寄付者や会員の背中をそっと押したもの~」
2018年3月18日9:30~10:50
【ファンドレイジング・日本2018】
2018年3月17日、18日開催 於 駒澤大学
『共感型ブレイクスルー』
▼詳細、お申込はウェブサイトを!【5000円お得】な早割は12/20まで!https://jfra.jp/frj/
寄付や社会的投資、社会貢献教育、遺贈寄付、ファンドレイジングに関する情報は、メルマガで発信中! いますぐ日本ファンドレイジング協会メルマガを購読する https://jfra.jp/update/p02/ |
Commentsコメント