本連載では、これまで5つのNPOの方々との対話を通して、NPOと高校生(U18世代)が協働する可能性について考えてきました。最後に、私と同年代の高校生との対話から見えてきたニーズや課題についてお話したいと思います。
高校でのU18世代同士での対話の様子
私が通う高校で「ソーシャルアクション概論」という授業を選択する高校3年生12人と、社会貢献活動やNPOとの協働をテーマにディスカッションを行いました。
社会貢献や社会課題はハードルの高いことであり、同級生からも「意識高い系」と見られて、少し距離を感じる、といった意見が多く見られました。また、意欲があっても活動に参加することが困難な理由として、知識不足や大人の信用を得るための実績がないという声がありました。
NPOに対して、何かリクエストはありますか?という問いかけに対して、
これを聞いて私は、ニーズが分かれば参加へのハードルは低くなるだろうと思うと同時に、お互いにアプローチしてくれることを待っているという姿勢でいては、なかなか前に進まないだろうという問題意識を持ちました。
2025年1月、私が日本ファンドレイジング協会のCFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)に就任するきっかけともなったイベントに登壇する機会をいただきました。
大学生からNPOの職員の方々まで、U18世代との協働に関心をもつ方々が大勢セッションを聞きに来てくださいました。その中で、今まで考えたこともなかった意見をたくさん聞くことができました。
ファンドレイジングの年次カンファレンス「FRJ2025」のセッションの様子
大学生の参加者の方から、こんな意見が挙がりました。
また、大人の参加者の方から、
人手不足という現場の課題はあるものの、より多くのNPOが若者を育てていけば、社会にスキルを持った若い人材がたくさん生まれていくのではないかと私も思いました。
今、課題とされていることの多くは、同時に可能性でもあるように感じます。
U18世代がNPOと関わる上で、若者の知識や経験不足が課題となっているという意見が、周囲の高校生から共通して挙がりました。
その課題の解決のために何ができるかという問いかけに、こう返ってきました。
FRJ2025のオープニングセッションに登壇させていただいたときの写真
私たちU18世代は、一人ひとりが「社会の一員である」という自覚を持ち、自身のスキルアップや参画の機会へ積極的に手を伸ばしていく必要があります。
そして、NPOはU18世代を社会の一員として認識し、意思決定や取り組みに社会全体の意見を取り入れるためにも、U18と協働する機会を創成していく必要があります。
そして双方がそうした行動を取れるよう、また、お互いを求め合っていることを示すことができる仕組みを作ることに、私は力を注いでいきたいと思います。
例えば、次のようなことを考えています。
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