Friend Raising をしているファンドレイザーに出逢ってみたかった
私は普段、AAR Japan [難民を助ける会]で主に支援者やボランティアの対応を担当しています。その中で、一番大切にしていることが、支援者が「支援して良かった」と思ってもらえることです。そう思ってもらえることは、私たちNGO側にもとても嬉しく思えます。そんな「幸せな気持ち」が、支援者、NGO、そして受益者の中で循環するようなファンドレイジングを心がけてきましたが、そんなNGOを応援してもらえる形を”フレンドレイジング、Friend Raising (仲間あつめ、友だち集め)”と私は呼んでいます。日本ではまだあまり浸透していませんが、海外では既に使われていることだと聞いていました。ファンドレイジングというと、どうしてもNGOの活動のための資金集めのためのテクニックと思われがちですが、支援者の想いに寄り添ったフレンドレイジングをもっと日本でも広めたい、ファンドレイザーの人たちと共有したいと心から思っていました。
International Fundraising Congress (IFC) 2016 世界ファンドレイジング会議とは?
IFCとは、イギリスにあるNGO、The Resource Allianceが主催し、毎年1回、オランダのアムステルダムで4日間にわたり、開催されています。世界でのファンドレイジング会議というとアメリカでも開催されていますが、オランダで開催されるIFCは、「支援者に寄り添ったファンドレイジング」に重きがおかれ、参加者も今年は約880人と、アットホームなことが、特徴です。4日間のうち前半2日間はマスタークラスと呼ばれ、事前に選んだテーマを2日間同じクラスでじっくり学びます。後半2日間はさまざまな分科会がたち、時間ごとに選択して参加する形です。今年は10月18日~21日までの4日間の開催で、全日程に参加してきました。日本人の参加は私だけと思っていましたが、思いがけず会場で2人の日本人(一人は日本から、一人はタイから)にお会いすることができました。
「フレンドレイジング」が大前提!
IFCに参加した初日、参加者と自己紹介をした際、「日本で支援者とのコミュニケーションを担当しています。」と話すと、「そこに参加している人たちはみんなファンドレイザーであり、支援者の想いを大切にしたくて、学びに来た人ばかりだよ。」と返されたことが最初の驚きでした。同時に、自分と同じ想いを持っている人が参加していることが大変嬉しく感じました。
私が参加したマスタークラスは「Feel Nothing Donate Nothing (支援者の想いが動かなければ寄付は生まれない)」というタイトルで、まさに支援者に寄り添い、「支援したい」と思ってもらえるような工夫がどのようにできるかを2日間学びました。支援者の想いを理解するため、「感情」について心理学の観点から見た後、様々なNGOの動画を観ながら、支援者の気持ちが動かされるためには、メッセージを押しつけるのではなく、「支援したい」と自然に思えるような内容にすることが大切であるというのを確認し合いました。それ以外のマスタークラスや分科会も、支援者側に立って考えるものがほとんどでした。
※外務省主催 NGO 海外スタディ・プログラムによる
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