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社会貢献に関する記事を日々更新しています!
日本ファンドレイジング協会(JFRA)では、「社会貢献教育プログラム」を展開しています。このプログラムは社会貢献教育ファシリテーター研修を修了された全国157人のファシリテーターの皆様と一緒に、2010年の発足以来、これまで13,000人以上の方々に学校・イベント等でお届けをしてきました。
そして、昨年度はカードゲームfromMeという4つ目のプログラムを新たに開発しました。こちらは、学校現場だけでなく、企業研修などの現場でもご活用をいただいています。
本稿では、「寄付の教室」、「社会に貢献するワークショップ」を中心に、2023年の実施状況を総括してご紹介します。
2023年4月1日〜2024年3月31日の1年間を通して、全国各地で、様々な人に関わっていただきながら、24件、延べ2,061人の若者に「社会貢献教育」の機会を提供することができました。またプログラムを実現して下さった方々が、その成果をSNSやブログ等で数多く発信してくださったのが大変印象的でした。
2023年度は、千葉県・静岡県で初めての実施がありました。また、22人のファシリテーターが修了され、ファシリテーターは全国に157人に増えました。鳥取県・熊本県では初のファシリテーターが誕生しました。
オレンジ:2023年度に実施した都道府県
グリーン:これまで実績のある都道府県
23年度実績一覧はこちらのPDFよりご確認ください。
2023年度、非常に特徴的だった点がいくつかあります。
1)東京都教育庁でのプログラム5年間の実施
2)オンライン体験会の実施
3)スターターキットの作成
4)プログラムの横断的な実施
主な実施科目は、「探究学習」、「人間と社会」等になります。
プログラム |
実施校 |
実績校 |
科目 |
受講数 |
寄付の教室 |
6校 |
高島高校、足立西高校、町田総合高校 |
人間と社会、総合的な学習 |
990人 |
社会に貢献するワークショップ |
15校 |
都立調布北高等学校 向丘高等学校 都立稔ヶ丘高校 都立日野台高校 都立日本橋高校他 |
人間と社会、総合的な学習 |
3234人 |
Learning by Giving |
2校 |
両国高校 |
探究(選択ゼミ) |
60人 |
5事業年度の中で、社会情勢としてコロナ禍やウクライナ情勢、国内外の地震や水害等の発災、そして、学習指導要領の改訂に伴い、公共が必修化されたことなどから、カリキュラムの面でも、先生方や生徒の意識としても、需要が高まっていると感じています。
ここ数年、「様々な社会課題の中で、関心のあるものを見つける」、「他の人がどんな課題意識を持っているかを相互に知る」直接的に寄付先を選ぶ前に、関心のあるものを見つける、知る、その中で寄付や自身が出来ることを見つけていくというプログラムへのニーズが一層高まっていることを感じます。
「寄付の教室」「社会に貢献するワークショップ」ですが、前年度に、オンラインでの実績が出来たこともあり、今年度は、一般参加者も募集の形でのオンライン開催を行いました。これまで、学校での実施を主たる現場としてきたため、プログラムにご関心をいただいても、見学や導入につなげていただくことが難しかったのですが、オンラインでの実施をきっかけに、ご自身で体験をしていただくことや、具体例な実施についても気軽に相談することも出来るようになりました。
「ファシリテーター一覧を見ると、同一県内にファシリテーターがいると書いてあるが、県内でも自分のいるエリアまで来てもらうのは遠方だと思う。今日のようにオンライン開催での講師派遣は可能なのか?」「自分の団体で開催をしたいのだが、どのように進めたらいいか?」など、具体的なご質問もあがりました。本相談の中から、千葉県初の取組みにつながりました。
【応用プログラム】
各プログラムを複合的に実施する事例が顕著にあがりました。
【高知県・11月実施】
高知県では、2022年に続き「寄付の教室in高知」のプログラムを実施しました。
高知では、NPO高知市民会議様が主催団体として、下記の2つの取り組みを行っています。
1)一般参加者を対象とした、「寄付の教室」&カードゲーム「fromMe」体験会の実施
2)中学校の探求コースの生徒を対象とした、「社会に貢献するワークショップ」&「寄付の教室」&カードゲーム「fromMe」の各学年での同時開催
1)開催の模様はNPO高知市民会議の季刊誌に詳しく掲載されていますので、そちらもどうぞご覧ください。
【11月23日高知初開催!】寄付の教室&カードゲーム「fromMe」体験会
季刊誌「えぬぴぃOh!
2)学校開催では土佐塾中学校の探究コースの1〜3年生を対象に3つのプログラムをそれぞれ実施しています。全学年一斉に実施することで、また、個人としてだけでなくコースとして意識を向けるきっかけを作っています。また、少しずつ切り口の違うプログラムに参加することで、それを毎年受けることで、新たな気づきにつなげる仕組みを作っています。
【寄付の教室&fromMe ワークショップ北海道・〇月】
北海道チャプターのイベントとして実施したこのプログラムでは、fromMeでお金の使い方を考え、自身のウェルビーイングを考えるというプログラムと、その中で寄付行う場合、選択的に意識的に行うことを模擬紙幣を使ったワークショップで考えることを2つのワークを組み合わせて実施しました。
参加者のからは、下記のような感想をいただきました。
【教員版Learning by Giving】
最後に2年間実施してきた、「教員版Learning by Giving」についてのご紹介です。このプログラムは、先生自身がファシリテーターとしてLearning by Givingを自校で実施取り組むプログラムです。Learning by Givingは寄付金を生徒に託し、寄付について学びながら最終的には実際に寄付先を選んで寄付するものです。
【23度参加校】(順不同)
群馬県・ぐんま国際アカデミー中等部 1年生
福岡県・福岡女子商業高等学校 2年生
群馬県・高崎健康福祉大学高崎高等学校 2年生
静岡県・富士市立富士川第二中学校 9年生(中学3年生)
京都府・立命館宇治高等学校 3年生
東京都・板橋区立板橋第三中学校 3年生
今年度は、fromMeから導入し、お金の使い方を通じて自身の価値観やウェルビーイングを考えることから始め、その中で、なぜ寄付をするのか、なぜその団体に寄付をするのか、をクラス全体で深めていきました。恒常的に学校で生徒と触れる先生方が自らファシリテーターとなることで、ひとりひとりの意見を大切にしながら、1年間の学びを進めていきました。本プログラムには2年で9校に参画いただきました。
今年度も既に地域やテーマの特性に応じたプログラムの実施の検討が上がっています。また、これまでに、25の都道府県でお届けしてきた社会貢献教育プログラムは、新たなエリアでの実施の検討が進んでいます。
今年度は、①東京都立高校を対象に実施しているように、各自治体・あるいは民間のプログラムに登録することを進め、関心のある学校で広くプログラムに参加をしやすくなるよう、取組みを進めています。
また、②23年度に始まった新たな取り組みである、カードゲーム「from Me」と併せての実施の計画も続々と挙がっています。寄付への関心、寄付に付随して社会貢献、あるいはお金の使い方や何を大事にするかなど寄付を取り巻く環境の中でどう考えるかといった関心が高まっています。
24年度も、多くのファシリテーター、教員、地域の方々と連携しながら、新しい事例を作っていきたいと思っています。ぜひご関心のある方はお声がけください!
一緒に、この取り組みを全国へと広げていきましょう。
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