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社会貢献チャレンジ

これまでに全国49地域、120校以上の学校で
社会貢献教育のプログラムが実施されました

日本ファンドレイジング協会

NYLCに英語でインタビューしてみた!

はじめに

 皆さん、こんにちは!かんです!

 普段は日本国内での社会貢献教育の事例を扱っている本ポータルサイトですが、今回は海外に目を向けて、アメリカのNYLCのCEO、エイミー・ミュアーズさんにお話を伺いました。日頃から社会貢献教育を発信している僕としては、吸収できることも多くてとても有意義なインタビューでした!


エイミー・ミュアーズさん:ナショナル・ユース・リーーダーシップ・カウンシル(National Youth Leadership Council、 NYLC)のCEO。

かん:日本ファンドレイジング協会学生インターン。今回のインタビュアー。

はじめに
NYLC設立の背景

かん:今回、インタビューできることを非常に光栄に思います。まずはじめに、NYLC設立の背景をお願いします。

エイミーさん:1960年代の公民権運動の時代に、我々の設立者であるジェームズ・キールズマイヤー博士が異なる背景を持つ学生たちをミズーリ州セントルイスでリーダーシップキャンプに集めたのがきっかけです。そこで学生たちはそれぞれが気になる社会課題について話し合い、コミュニティの形成を行いました。このキャンプは非常に評判が良かったため、ミネソタ大学は博士をミネソタの地に招き、NYLCは設立されました。当時、若者たちは学校などで素晴らしい経験をして、世界を変えたいと思う一方、家に帰った瞬間に大人の助けがなくなるがために挫折してしまうという課題が見えてきました。そのため、NYLCは90年代には世の中を変えたいと思う若者やそれを助けたいと思う大人を支援するという社会貢献教育専門の団体となりました。


かん:団体についての丁寧な説明、ありがとうございます。人種や宗教をめぐる対立は長い間問題になっていますよね。NYLCの設立から約40年たった今、世の中はより国際化し国境に関係なく、世界中の人々とコミュニケーションを取ることが容易になりました。この様な状況の中で、NYLC設立時の様な問題は今でも残っていると思いますか?

エイミーさん:とても良い質問ですね!アメリカでは現在でも白人の学生は気づかない様な問題に多くのアジア系・アフリカ系の学生が直面しています。全ての学生にはそれぞれの経験と視点があり、しっかりと認識され評価されるべきです。そのため、学内での生徒の融合は問題ではなく、アジア系・アフリカ系の生徒が不利な状況に置かれてしまう制度を理解することが本当の問題だと思います。歴史は全ての人の視点で描かれるのではなく、一方の人種をもう一方の人種よりも有利に描いてしまいます。これらが現時点でも残っている問題だと思います。とても似ているんだけれども違います。

Projects

かん:貴団体のウェブサイトを見たのですが、ビジョン達成のためにとっても多くのことを行なっていてとても驚きました。いくつかそのプロジェクトの例を教えてくださると幸いです。

エイミーさん:私たちは様々な方法で若い人たちと協働しています。まず、2年間のコースを通じて私たちと一緒に活動を行うナショナル・ユース・アドバイザリー・カウンシル(National Youth Advisory Councul、NYAC)があります。この取り組みでは13歳から17歳までの中高生が対象で、参加している学生の子達が興味のある社会課題に取り組みます。私たちは彼らに対して社会貢献教育のプログラムを提供したりします。この社会貢献教育のプログラムを修了すると、彼らは講演会を開いたり、記事を書いたり、SNSを運用したり、自身のリソースをさらに広げられる様になったりするのです。そのため、彼らと私たちの距離は非常に近く、実際にNYACのメンバーのうちの2人はNYLCの理事会に名を連ねています。

 そのほかにも、Youth as Solutionsと呼ばれる活動も行なっています。これはアメリカ全土を対象にした取り組みで、学生と大人のチームが地域衛生、教育の機会均等、あるいは10代の運転手の安全などの問題に取り組みます。私たちはそれに対して金銭的な支援をすると同時に、月に1回の専門的な指導も行なっています。

また、教育委員会、放課後プログラム、自治体とも連携を行なっています。私たちが提供するトレーニングプログラムや技術支援はそれぞれの生徒が目標を達成できる様にそれぞれの学級に最適化されています。実際、現在はカリフォリニア州全域で青年評議会を設立するという取り組みを行なっています。

Projects

NYACによって開催されるイベントの一例

かん:現在、主に中高生を対象にした社会貢献教育に興味のある学生に向けたコミュニティを運営しているのですが、アメリカでの事例とも少し比較させていただきたいと思います。日本での社会貢献教育の課題に、学生に社会貢献教育の必要性がうまく伝わっていないというものがあります。一方で、高校の学習指導要領には「総合的な探究の時間」が含まれています。日本では社会貢献教育はカリキュラムの一部になってしまっているのですが、貴団体は学生を社会貢献教育に触れさせるためにどの様な取り組みを行なっていますか?

エイミーさん:最も重要なことはコミュニティないでアクションを起こすことの重要性を伝えるだけではなく、学生とその問題について話し合うことだと思います。「これをやりなさい」ではなく、「問題はなんだろうか」「コミュニティ内にどの様な問題が見えるだろうか」「あなたが気になる課題は何か、そして取り組みたい課題は何か」と問いかけることです。そのため、NYLCでは若者の声と若者の選択は非常に重要なことなのです。そして、私たちのコミュニティで起きていることの根本的な原因を深く掘り下げ、それを利用することで、私たちが見ているもの、そしてなぜ見ているのかを理解することができるのです。さらに、自分たちが深く関わっているものを変えるために、行動を起こすことができるのです。この経験を振り返ることで、社会貢献教育で得たすべての学びを振り返ることができます。

コミュニティの一員であり続ける

かん:最後に、NYLCが将来の世代、特に社会貢献教育を経験した学生たち、に期待することをお願いします。

エイミーさん:私が期待すること、そしてNYLCが期待することは、素晴らしい社会貢献教育の経験を糧にコミュニティの一部であり続け、社会をプラスに変化させ続けようとすることです。それをやらないといけないからではなく、学業の一部だからではなく、世界について深く考え情熱を持って世界をより良い場所にしたいという思いのもとで行動して欲しいと考えています。機会さえあれば良いのです。そして、社会貢献教育はその挑戦への扉を開けてくれます。もし問題を分析する方法を知っていて行動を起こす方法を知っているなら、必ずしも授業の一部である必要はないと思います。さらに、継続的に自信を振り返ることで、学び、成長することができます。社会貢献教育はその人がどこにいても変革を起こす手助けになると信じています。それが私たちが期待することです。

コミュニティの一員であり続ける

社会貢献教育の一環で海岸清掃を行う学生たち

さいごに

以上、NYLCのCEOであるエイミーさんへのインタビューでした!日本で微力ながら社会貢献教育に携わる身として、アメリカの社会貢献教育の専門家とお話ができて非常に有意義な時間でした。日本とアメリカには似ていることもある一方で、まだまだ吸収できることも多いと思います。

最後に、お忙しい中インタビューを快諾してくださったNYLCのエイミー・ミュアーズさんに心から感謝いたします。

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