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社会貢献教育ジャーナル

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インタビュー

東京都立両国高等学校でのLearning by Givingを振り返って What did “Learning by Giving”give us?


東京都立両国高等学校(以下、両国高校)では、探究の授業の一環として、1・2年生混合の通年でのゼミ形式で、Learning by Giving(以下、LbG)のプログラムを実施してきました。2022年3月10日に、寄付先団体に決まった「あだち子ども食堂」への目録贈呈を終えた皆さんから、プログラムを振り返って語っていただきました。

●概要

実施校 東京都立両国高等学校
実施期間 2021年7月~2022年3月
実施学年 1・2年生混合(32人)
実施教科・時限 探求(通年ゼミ)22時限
寄付先団体 あだち子ども食堂
ホームページはこちら
選考理由

下記の8項目の観点を独自で設定し、対話を通して選考を行った。


地域の中で、顔の見える範囲での取り組みだからこそ、団体がなくなることや、食堂の開催が出来なくなってしまうと、悲しむ人がいる、継続して欲しいと思い、4団体から選択。

①緊急性、②財政的困窮度、③利用者の数、④将来への投資

⑤影響力、⑥信頼性、⑦寄付の効果、⑧活動の頻度

●インタビュイー

長場美千代 あだち子ども食堂 代表

廣瀨裕子  あだち子ども食堂 メンバー

芝原教諭  両国高校教員 探究担当/国語科

平澤教諭  両国高校教員 LbGゼミ担当/英語科

斉藤教諭  両国高校教員 LbGゼミ担当/美術科

永井裕太  ゼミ生(2年/ゆうた)2021年度末に参加したオンラインLbGにも参加

山内茉莉  ゼミ生(1年/まりっぺ)夏休みの宿題であだち子ども食堂を選んだ


●インタビュアー
大石俊輔  講師/インタビュアー

大石:20時間をかけてきたプログラムが終了しました。今回このプログラムに関わっていただいた皆さんと最後に振り返っていきたいと思います。良かったこと、印象に残っていることなどをお伺いし、今後、このプログラムに関わる人にとっても気付きになる、機会と出来ればと思っています。



両国高校でゼミの一つとして、このプログラムを取り入れようとしたきっかけは?


芝原:まさに、ここにいるゆうたくんがきっかけです。本年度は13個のゼミを実施しているのですが、彼が3月にオンラインでこのプログラムを受けたときに楽しかったと教えてくれたことがきっかけです。彼が、地域課題等に関心があったという部分もあったと思いますが、生徒自身が受けて楽しかったと話してくれたことがきっかけで、実施に向けて動き出しました。

すべてが実施できるわけではないですが生徒の主体的な発信には門戸を開いています。今回ゆうたくんの思いと探究のねらい、プログラムが合致したということで、実施が出来ました。


ゆうた:オンラインのLbGでは、知らない人たちと初めて顔を合わせて、2日間の対話の中で寄付先を決めました。面白かったですし、さらにこれを、知ってる友達と頭を悩ませながらやれたらもっと楽しいのではないかと思いました。今日は贈呈式であだち子ども食堂のお2人の笑顔を見られて、よかったなと感じました。




大石:今回、参加頂いたあだち子ども食堂さんには、4団体に絞った寄付先候補団体となって頂いてからご連絡を取らせていただきましたが、このプログラムに参加しての感想など教えて下さい。


長場:素晴らしいプログラムだと思いました。全国に広がったらいいのに、と思います。

団体としては実際に、食堂にも足を運んでくれて、色々な角度から見ていただいた中で、選んでくれたのは嬉しかったです。

私自身が寄付する側に回ったときでも、大きい団体さんへ寄付するのは安心感があると思います。けれど、小さいところは現場密着で出来る強みがあります。そういった様々な視点の中で選んで頂いたことは、皆さんが大人になったときにも活きる、判断力も培われるプログラムだと感じました。


大石:贈呈式で、生徒代表が選考理由にも触れていましたが、8つの評価観点自体も自分たちで決めたものなんです。観点をまず決めて、それに基づいて、個人の集計を積み上げたものも、数値としては出しました。その上で、対話を積み重ねた結果、この選考結果になりました。



大石:また、今回、私たちにとってもチャレンジでしたが、寄付先候補団体を決めること自体を生徒が行い
ました。「寄付先候補団体にしたい団体を選ぶ」というのを夏休みの課題として出し、ゼミ生がそれぞれに、NPOを調べて来ました。31人が学ぶゼミで、ほとんど重なりなく、実に30の団体が出てきました。その中から寄付先候補団体をまずは4つに絞り、最終的に1つに絞ったわけですが、今日、もう一人来ているまりっぺさんが、あだち子ども食堂を調べて来てくれていたんです。

まりっぺ:はい、30団体の中から、自分が選んだ団体が最後まで残って、最終的に寄付先に選ばれたことにとてもびっくりしました。夏休みに、いくつか団体を調べた中で、地元の団体にしたいと思ったのがきっかけです。地域の中ではちょっと有名で名前を聞いたり掲示を見たりしたことがあったので、あだち子ども食堂さんにしました。寄付先に選ばれて嬉しいです。


廣瀨:まりっぺちゃんありがとう。あだち子ども食堂に見学に来てくれた時も、いっぱい質問してくれたのがとても印象に残ってます。選定のいきさつなども伺って、あだち子ども食堂としても、励みになり、もっと頑張ろうと思えました。


通年の探求のゼミの中で先生方が心掛けたことは?


平澤:大人が思いもつかないようなことを考えたり、対話をすることが醍醐味だったと思います。結果だけでなく、過程に収穫があったと感じています。自身が意識したのは見守ること。なるべく意見は言わないようにしました。(自身の担当科である英語を教えるときは)教員として示す、教えるということをしますが、意見は敢えて示さず、見守ることを心掛けました。


斉藤:私も同様です。寄付先を選ぶ対話の中で「寄付金は場所代に使ってもらうのが活かせるのではないか、場所代に困っているのではないのか」という問いが出ていたのですが、あだち子ども食堂さんへの見学には私が同行していたので、その解は団体さんから聞いていましたが、それを自分からは口に出さないようにしていました。

印象に残っているのは中間発表のプレゼンです。中間発表では、他のゼミのプレゼンテーションを聞く時間も設けていて、その場で、寄付したいと思った団体に投票してもらったのですが、あだち子ども食堂に行ったメンバーは、自分の言葉で話をしていて、はじめて団体のことを聞いた人たちにもダイレクトに伝わるプレゼンテーションになっていたと感じました。


体験した中で、印象に残っている場面やポイントは?


まりっぺ:
全員での対話での相互の変化が印象に残っています。どんどん、積極的に発言するようになっていったのは大きな変化だと思います。


ゆうた:僕も対話が印象に残っていて、前半はとにかく「言う」に意識が行っていたが、自分が言うということだけではなく、「聞く」こと、「聞いて話す」ことに意識が行くようになりました。


大石:彼らの体験を記録にとどめられるといいなと思っています。

一緒に、対話の時間を過ごしてきましたが、1年生も2年生も交えて徐々にみんながなじみながら、後半は「いろいろな考えが出てきて頭の中がぐじゃぐじゃになっている」という言葉が場に出て来たりして、対話の成熟を感じました。

来年度以降は少しずつここで得た知見を先生方にお渡ししながら、一緒にやる領域を増やしながら進めていきたいと思っています。

LbGは今後は、私たちがいなくなって終わりという風になってしまうのではなく、サポートしながら先生方に関わっていただく領域を増やしていきたいと考えています。

NPOの立場として、得たものは?


廣瀨:
率直に楽しかったです。生徒さんたちが積み上げてきたプロジェクトに参加できて良かった。私たち自身も純粋に頑張りたいと思えました。頑張りたいというのは、見学に来て下さった皆さんに、誠意をもってお伝えしたいと思えたという意味です。私たちの仲間である子どもたち、ボランティアさんやお母さん方にもやったね、って一緒に分かち合いたい、これを届けていきたいと思いました。



廣瀨:あだち子ども食堂のメンバーではありますが、私自身は企業人としての側面もあり、あだち子ども食堂の立ち上げの際に、企業として寄付をしたという寄付経験を持っています。会社を興して、軌道に乗った際に、社会の役に立ちたい、そう思った時にどこに寄付をしたらよいだろう、この寄付を適切に活かしてくれるのだろうか?悩んだこともあります。ご縁があり、立ち上げから支援していますが、作った理念もわかるし、「この人は両隣三軒の子が困っていたら、ちゃんと助けてくれる人だな。」と感じているから寄付をしています。私自身も寄付先としてあだち子ども食堂を選んだ一人です。なので、「寄付をきちんと活かして欲しい」、と思っている、お二人の気持ちもとてもよくわかります。

日本の代表的なプロジェクトとして推進していって欲しいです。

大石:寄付という行為は人から人にお金が流れるだけではなくて、想いがのっているということ、それが連鎖していくことも伝えながら進めてきました。このプロジェクトも、寄付で支援されている部分があり、寄付者メッセージを紹介することもカリキュラムの中に入れています。寄付者からのメッセージを伝えた際、託されたことに構えてしまう、緊張した場面もありましたが「楽しくやろうよ」とゆうたくんが声を投げてくれて場が和らぐシーンもありました。

学校現場が得たものは?


芝原:
対話を通して構築していくこと、助けてくれる大人がいること、それを知ることは、非常に大きな経験だったと思います。対話を通して構築していくことは社会において非常に重要なスキルですし、対話の中で、「どう思われるだろう」と構えるのではなく、自由に発言していくという場が作れたのは非常に大きかったと思います。

そして、あだち子ども食堂さんはじめ、寄付先候補団体の皆さんに、現場見学等を快諾していただき、生徒の学びに力を頂けたこと、本当にありがたかったと思っています。


大石:みなさん貴重なお話をありがとうございました。この取り組みを色々な方にお伝えしていきながら、推進していきたいと思っています。引き続きどうぞよろしくお願いします。


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