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●津田 かのん 高校3年生/社会貢献教育ファシリテーター
2024年12月に高校生で初めて社会貢献教育ファシリテーター認定取得
●矢野 祥太郎 高校3年生/社会貢献教育ファシリテーター
卒業した小学校で、OB企画講座として「寄付の教室」を実施
小川:津田さんは、英語版の「寄付の教室」にも挑戦されましたよね。当日のこと、印象に残っていることはありますか?
津田さん:そうですね。最初はとにかく緊張していて、台本に頼りきりでした。でも途中からは、あえて台本を見るのをやめて、拙くても目を見て伝えようって切り替えることができて。それが自分でもよかったなと思っています。
小川:小学生とのやりとりはいかがでした?
津田さん:低学年の子が多くて、「どう思う?」って問いかけながら進めたら、すごく素直に反応してくれて。たとえば「鳥が好きだから鳥の団体がいい」っていう子がいたり、「同じ年の子を助けたいからチョコの団体がいい」って言った子もいて、その影響で意見を変える子もいたんです。そういう変化を見るのがすごく楽しかったです。
【プログラム概要】 「寄付の教室」小学校低学年向けのイベントとして実施
日時:2024年12月19日 会場:GURUGURU LAUNDRY(渋谷区)

小川:矢野さんは、ご自身で出身校の先生に出前授業を企画・提案して場づくりもされたと伺いました。OBとしての実施で緊張される部分もあったと思いますが、如何でしたか?
矢野さん:小学校6年生を対象にやったんですが、意外とみんな真剣に聞いてくれてびっくりしました。最初は「どの団体が正解か」みたいに考えてた子どもたちが、途中から「自分が大事にしたいことは何か」って意見を言い合う場に変わっていったのが印象的でした。
小川:そこに持っていけたのは素晴らしいですね。私もその場で拝見していて、矢野さんが「小学校6年生の彼らならきっと伝わると思っていました」と話していたのが印象に残っています。
矢野さん:ありがとうございます。自分の価値観を言葉にしてぶつけ合える場になったのは、うまく導けたなと思います。
【プログラム概要】 「寄付の教室」小学校6年生2クラスの授業として実施
日時:2025年6月6日 会場:文教大学付属小学校(大田区)

小川:お二人とも、ファシリテーターとしてプログラムを実施されましたが、実際に「伝える」立場になってみて、準備や進行の中で難しさを感じたことはありましたか?
矢野さん:時間配分が難しかったですね。どこまで伝えて、どこを削るか。こっちは伝えたいことが多くなりがちなので、ちゃんと「届ける」ことに集中しないと伝わらないなと感じました。
小川:改めて、ファシリテーター資格を取得されたことについても聞いていきたいと思いますが、お二人は、もともとこういった活動に関心があったんですか?
津田さん:私は小学生の頃から母に連れられて寄付イベントに参加していて。でも同年代がいないことに気づいて、「だったら自分がやろう」と思ってイラストコンテストを企画したのがきっかけです。
矢野さん:僕は津田さんに誘われて参加したのがきっかけで、それまで寄付に興味があったわけじゃなかったです。正直、「何それ?」って思ってました。でもやってみたら意外と面白くて。講習も、いろんな世代の人と一緒に受けられて刺激になりました。
小川:基礎研修では、NPO所属の方、会社員の方、先生といった多様な社会人の方に交じって、高校生4人で受けて下さったんですよね。一緒に受けたみなさんからも、積極的なワークへの取り組み姿勢や、相互の学びあいがとても刺激的で幸せな時間だったとチェックアウトでお話が出ていたのを思い出します。

小川:ファシリテーターとして、あるいはこの経験を活かして、今後やってみたいことはありますか?
津田さん:もっと寄付の教室をやっていきたいです。保育園でやったとき、終わったあとに子どもたちが自分から寄付の声かけをしてくれたと聞いて、すごくうれしかったです。
矢野さん:僕は寄付に限らず、「どうすれば人が動くか」「社会が良くなるか」っていう制度や仕組みに興味があります。だから「寄付の教室」も、その研究の一環としても価値ある活動だと思ってます。これからもできれば続けていきたいです。
津田さん:寄付って聞くと、すごく立派なことをしないといけない気がして、ハードル高く感じるかもしれません。でも、小さなことからでも十分。私もそうだったので、ぜひ気軽に一歩踏み出してみてほしいです。
矢野さん:僕は、準備も含めて「伝える」という体験そのものに価値があると思いました。寄付の教室はその一つの場にすぎませんが、誰かに伝えたい思いがあるなら、ぜひ挑戦してほしいです。

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