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社会貢献教育ジャーナル

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社会貢献チャレンジ

岡山学芸館高等学校ゼミ活動第2弾 -多文化共生社会を実現するため取り組む学生の姿-

岡山学芸館高等学校の課題研究の取り組みについて第2弾です。

今回は多文化共生社会の実現に向けて取り組むゼミの活動を紹介いたします。

 日本にも、LGBTの方、外国人の中、在日外国人の方、外国人の両親を持つ方など、様々な異文化を持つ方々がいます。しかし、様々なバックグラウンドを持つ方と交流する機会は意外と少ないという現状があります。この状況を前に、コミュニケーション多様性・多文化共生ゼミ(以下多文化共生ゼミ)の皆さんは、地域の人と連携して、地域の外国人と交流できる機会をつくることで、多様な人が日本の中で住んでいく上で、自分たちにできることを探しています。

 今回、インタビューを行ったのは、現在高校2年生の片山さん・藤本さん・佐伯さんの3人です。(左から)

3人とも、吹奏楽部に所属していて、部活動にも熱心に取り組んでおられます。

岡山学芸館高校の吹奏楽部といえば、全国大会に16回出場、金賞も6回受賞している強豪校で、中学時代吹奏楽部だった私も、取材後Youtubeで調べ、迫力と繊細さのある演奏に圧倒されました!

 

取り組みを始めたきっかけ

岡山学芸館高校では、2年次の課題研究活動として、希望選択制の「ゼミ」があります。今回の多文化共生ゼミは、25名の生徒が所属しており、7種類ほどの研究をチームごとに分かれて実施しています。

「この社会は多様性に富んでいる」と理解できているようで、案外分かっていないものです実際に社会の中でどんな人が暮らし、どのような課題を抱えているのか?より良い共生社会のために高校生ができることを探しています。



はるか:みなさんはどんなきっかけがあって、ゼミに入ることを決めたのですか?


藤本さん:私は、人と話すなど、コミュニケーションを取ることが好きだったから、このゼミに興味を持ちました。学級委員長をやっていたこともあります!

片山さん:私はゼミを選ぶときに、「留学生が日本で暮らしていく中で困っている事がある」という説明を聞いて、何か自分も手助けできることがあれば助けたいと思ったからです。もともと、大学進学を考える上で、色々な学部を調べていたときに国際関係や社会関係に興味を持っていたこともつながっているのかもしれません。

佐伯さん:私は高校入学時から英語が好きでした。でもだんだんと、英語、日本語関係なく自分の思いを届けることができる、言語自体に興味を持ちました。だからコミュニケーションの部分がおもしろいと感じ、このゼミに入りました。



 多文化共生ゼミでは、「多文化共生社会の実現」をテーマに活動を進めていこうとする中で、外国人や留学生が何に困っているのか、インターネットで調べただけではどうしてもわからないことがたくさんあったそうです。

 そこで、ゼミの過去や地域とのつながりを利用して、2度のワークショップを開催したそうです。このワークショップでは、実際に岡山に在住するベトナム・中国の留学生や技能実習生と一緒に、多文化共生に向けての課題解決プロジェクトづくりを2回シリーズで実施しました。グループに分かれて、まず留学生や技能実習生に、「いま日本で困っている事」について話してもらいます。その後どうすればその「困りごと」を解決できるのかを、外国人の方と高校生が一緒に考え、グループごとにポスターにまとめ全体に共有するという流れで実施したそうです。



はるか:ワークショップで印象に残っている話はありますか?


藤本さん:私たちのグループでは、外国人の方が日常生活でコミュニケーションを取るときに困りごとがあるという話が出ました。ことばって、同じ言語を母語としていれば、簡単に感情や思っていることを伝えることができます。でも私たち日本人は外国人と話すとき、普段は使わない英語でたどたどしく伝えようとするから、自分も相手もよくわからないということが多々あります。日本語じゃ伝わらないから英語で話さなきゃって私も思い込んでいました。でも意外と簡単な日本語で話したほうが伝わることも多く、自分が思い込んでいたことと実際に起こっていることでギャップがあるんだと気付けました。


取り組みを始めたきっかけ

ワークショップの様子

外に発信してつながったからこそ、見えたこと、出来たこと

はるか:皆さんの活動は地域の方をはじめ、たくさんの人と連携して進めているなという印象があったのですが、学校外の人とつながったからこそ出来たことや感じたことはありますか?



佐伯さん:外国人が日本で暮らしていく、となったときに、日本人が外国人を受け入れる体制はまだまだ整っていないです。身近に外国人がいて接する機会が多い人もいれば、そうでない人もいて、日本人の中でも外国人に対して様々な捉え方をしている人がいることが分かりました。私も今回初めて直接外国人の方とお話して気付けたことがたくさんありました。だからもっと多くの人が、外国人の方をはじめ今まで関わったことのないような人たちとも関わって、それをプラスにとらえていけるようになればいいなと思いました。そしたら、外国人の方ももう少し日本で暮らしやすく、日本を好きになってもらえるんじゃないかと思います。

藤本さん:活動をして初めて気付いたことが、今話しているように話しても、外国人の方が相手ならきっと上手くは伝わらないということです。ワークショップの時もがんばって伝えようとしてもなかなかうまく伝わらないないことばかりでした。でもその時に、ベトナム出身でベトナム語も英語も日本語もできるという方が仲介をしてくれて、会話が成り立った瞬間がありました。後から考えると、私もその人のように、もうちょっとでいいから工夫すれば上手く伝えられたこともあったんじゃないかと思います。

 
外に発信してつながったからこそ、見えたこと、出来たこと

多文化共生ゼミの皆さんとワークショップに参加した留学生の方たち

今、私たちが考える多文化共生とは

はるか:約一年間のゼミ活動を通して、今思うことはありますか?

片山さん:ゼミに入って初めて外国人の方と話して、今まで遠い存在だと思っていた外国の方が、同じ地球に住んでるって実感できました。直接話す前と後じゃ感じ方が全然違っていて、今までは知らなかっただけなんだなって思いました。そして、より外国人の方が困っていたら助けの手を差し伸べてあげられるようになりたいと思いました。実は、以前高齢者の人が外国人に強く当たっているのを目撃したことがあったのですが、その時私は何もできませんでした。でも今の私は、そういう偏見をなくしていけるように何か行動したいと思えるようになりました。こんな風に考え方が変化したのもゼミに入って活動をしたおかげだと思います。



 これからも、岡山学芸館高校多文化共生ゼミの活動は続いていきます。

今後は、ワークショップの中でも議題に上がった、外国人の方が病院で症状を伝えられない、という課題の解決策として、外国人の方と一緒に目で見てわかる症状リーフレットのようなものを作りたいと計画しているそうです。
多文化共生ゼミは、岡山学芸館高校が今年から行っている課題研究コンテストの探求青果部門で最優秀賞を受賞されました。また、外部のコンテストなどにも応募し、どんどんと活動を広く知ってもらうため努力されています!

社会貢献に興味を持つ全国の中高生が集まる『社会貢献チャレンジオープンチャット』の冬休み企画でも、今回取材に協力してくださった片山さん、そして同チームでチアリーディング部の横田さんは、登壇者として自分たちの活動を話してくださいました。

これからもどんどんと前に進んでいく岡山学芸館高校のゼミ活動には目が離せませんね!

 

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