これまでに全国49地域、120校以上の学校で
社会貢献教育のプログラムが実施されました
こんにちは!JFRA学生インターンのかんです。
前回はカナダに留学した際の生活や現地での授業についてお伝えしました。詳しくは以下の記事をご参照ください。
JFRAインターンが行ってきた!カナダ留学の記録
さて、今回は現地で取り組んだボランティア活動についてお送りします。高校生の頃からボランティア活動に興味があり、大学入学後にはJFRAでインターンを行っていましたが、カナダでのボランティアでは日本とは違う、現地ならではの経験ができ、問題を目の当たりにすることができました。
「人種のるつぼ」という言葉ほどカナダという国を表す単語は無いのではないでしょうか?多民族国家といえばアメリカが特に有名ですがカナダもアメリカと同じくらいに多くの民族の人が生活する多民族国家です。実際、このキャッチフレーズは国民の間でも広く支持され、とある調査では90%以上のカナダ国民が「多民族主義はカナダのアイデンティティだ」と答えています。
近年ではトルドー政権による移民寛容政策によってインド系の移民が急増しており、住民の半分以上がインド系と言われる街もあります。また、そのほかにも中国、フィリピン、ウクライナなどからの移民が増えています。これらの人の多くは出身国よりも良い生活を求めてカナダに来るというケースです。一方でこれらの人々を「見える移民」とするならば「見えない移民」も多くいます。これらの多くは中東やアフリカからの難民と呼ばれる人々でカナダに来ることを余儀なくされた人々です。これらの人々は英語ができる割合が少ないほか、仕事探しでも不利な状況に置かれています。今回はこのような人々を支援する団体であるMulticultural Association of Fredericton (MCAF)でボランティアした時の経験をお送りします。
Multicultural Association of Fredericton (MCAF)はフレデリクトンで活動するNPOです。「あらゆる背景や境遇の人々の有意義な交流とコミュニティへの完全な参加を可能にすることで、多様性の強さを称える」ことを目的に、主に街に新しく移住してきた移民への支援を行っています。年間で約4700人の移民を支援し、延べ77カ国以上の国と地域の人に支援を実施してきた同団体は以下の8つの取り組みを行っています。
※プライバシー保護のため、実際の写真が無いことご容赦ください。
さて、それでは実際にボランティアとして参加したパーティーについてレポートしようと思います。
今回のイベントは忘年会兼クリスマスパーティーということで町内の教会のコミュニティルームを借りて行われました。パーティーの開始が17時ごろなのでボランティアはその30分前くらいに行ってコスチュームに着替えたり、軽食を用意したり、会場のセットアップを行ったりしました。ボランティアの年齢層は広く、上は60代、下は高校生の16歳がおり、年齢に関係なくコミュニティに奉仕しようとする考えかたに感動しました。
パーティーが始まると部屋の随所にミニゲームコーナーが設置され、ボランティアの方々たちが順番に子供達とジェスチャーを交えながら遊んでいました。自分も今回はクリスマスパーティーということで妖精に扮して子供達と三目ならべを行い、買った子達にはチョコレートをプレゼントしました。言語的な壁にも関わらず、ゲームに負けた悔しさから何度も挑戦してくれた子供達にはとても嬉しく感じました。
パーティーの後半になると子供達は疲れてきてしまったのか、大人たちの時間が始まりました。大人たちはラジカセで民族音楽を流して会場の中心で輪を作って踊っていたことが印象的でした。祖国から遠く離れた地で日々の生活に苦労する中で、ひとときの安らぎと楽しみの時間になっていたことが強く記憶に残っています。
ボランティアを始める前に先輩の方々に言われた言葉で印象に残っているものがあります。それは「出身地については聞くな」という言葉です。国際交流の場ではどの国から来たのかというのは真っ先にされる質問ですがこの場では絶対にしてはならないというのです。理由は彼らは故郷を離れざるを得なかった境遇にあり、故郷について質問することは紛争などのトラウマを思い出させてしまうからです。通常、故郷についての質問はその後の会話の話題になったり、より良いコミュニケーションを取るのに非常に有用ですが、その質問すらしてはいけないことにもどかしさを感じたと同時に紛争や迫害を身近に感じた瞬間でした。
もう一つ、印象に残ったことは参加者の皆さんの笑顔です。故郷から遠く離れた異国の地で子供達とともに生活をしている難民の方々ですが、仕事探しや生活面での苦労が多くあります。その他にも文化的な違いや環境の違いもあるため、会場に着いた時には少しの緊張もあったのかこわばった表情をしていた方々が多かったです。子供達も最初は緊張していたのか、あまり笑顔を引き出すことができなかったのですが、何度もゲームを一緒にやってコミュニケーションをとったり、オーバーリアクションと言われるほど大きめに物事を伝えることを意識した結果、最後には心の底からの笑顔を引き出すことができたと思います。