これまでに全国49地域、120校以上の学校で
社会貢献教育のプログラムが実施されました
お久しぶりです!JFRA学生インターンのかんです!
タイトルの通り、実は約1年間カナダに留学していたので今回はJFRAインターンの視点から経験をお送りしたいと思います。
さて、今回留学したのはカナダのニューブランズウィック州フレデリクトンにあるセント・トーマス大学(St. Thomas University, STU)です。こちらの大学はリベラルアーツ教育に力をいれる小規模な大学です。学生数は全体での2000人しかおらず、少人数のディスカッションを中心にした授業スタイルが魅力です。参考として筆者が日本で通っている立教大学は学生数が2万人であることを考えるとSTUの小ささが際立ちます。
STUが位置しているカナダは良好な治安や多様な国民性、学術レベルの高さから世界的に人気の留学先として知られています。カナダといえばバンクーバーやトロントのような大都市が有名ですが、今回滞在したのはニューブランズウィック州の州都としても知られるフレデリクトンと呼ばれる町です。大自然の中にポツンとある小さな町ですが、英語とフランス語の両方が公用語のとてもユニークな町です。
さて、ここからは授業についてお伝えしたいと思います!先ほどもお伝えしましたが、STUはリベラルアーツ大学なので入学時に専攻が決まっていないことが特徴です。日本だと受験の時点で入学後に学ぶ学部を選択しますが、STUは2年次の終わりまでに専攻を決めれば良いというシステムになっています。そのため、自分も一つの学問分野に囚われずに全く違う6つの授業を取ることにしました。以下ではとっくに印象に残った授業3つについて軽くまとめてみました!
1. Global Politics(国際政治)
こちらの授業はタイトルの通り国際政治に関する授業です。授業自体は講義の形式を取ることが多かったのですが、国際政治における基本的な理論について学ぶことができました。なぜ日本やアメリカのように民主的な国がある一方でロシアや中国のような権威主義的な国があるのか、なぜ紛争はなくならないのか、国際政治におけるフェミニズムとは何かということについて勉強しました。特に印象的だったのは留学生が非常に多かったことです。出身国が違えば政治心情も違うので白熱した議論になることも多かったです。ロシア・ウクライナ戦争やパレスチナ問題などタイムリーな問題も多かったのもよかったです。
2. Digital Literacy(デジタル・リテラシー)
この授業ではインターネットやデジタル文化の普及がどのような影響を及ぼすのかを学びました。常時インターネットに繋がることができるようになったことによる注意点やネット上の文化についてディスカッションを中心に取り組みました。有名人の「炎上」やネットミームなどの身近な話題が多かったことも印象的でした。また、昨年から急速にシェアを拡大しているChatGPTなどの生成AIなどのトピックもありました。学期末のプロジェクトでは生成AIの道徳心について調査しました。ここで得られた結果は非常に興味深く、生成AIは総じてリベラル寄りの考え方をしていること、そしてそのAIを運営している企業の価値観と概ね一致していました。
3. Introduction to Religious Studies(宗教学入門)
宗教学は自分が今まで一度も学んだことがないという面でとても学びが多くありました。まずは宗教の基本的な要素を学んだ後に世界中の宗教についてのプレゼンテーションを行いました。キリスト教やユダヤ教のような有名な宗教に関する発表があった一方でカナダの原住民の土着宗教に関する発表が特に印象的でした。その後、宗教の要素について学んだことを生かして自分で宗教を作ってみるという課題が科されました。特に歌手のテイラー・スウィフトを教祖とする宗教は本当に存在しそうでとても興味深かったです。
今回自分は留学生として大学に通っていたのでキャンパス内の寮に滞在していました、寮には1年生を中心に多くの留学生が生活しています。友達とは授業を一緒に受けるだけではなく同じ建物内に住んでいるので単なる友達以上の関係を築くことができたのが印象的でした。
週末には近所のスーパーにお買い物に行ったり、ダウンタウンに散歩に行くことが多かったです。あまり大きな街ではないので東京で生活していると物足りないこともあると思っていたのですが、実際にはこぢんまりとした小さな街で、綺麗な空気のもと、ゆったりとした生活を送ることができました。
さらに気づいたことはこの町の寛容性に由来する多様性でした。例えば、日本でも受け入れられつつあるとはいえあまり広がっていないLGBTQに関する多様性です。自己紹介ではほぼ必ず自分の性自認について言及します。一方でやはり保守的な育った人たちはこれに対してあまり良い思いをしないため、結果的に分断が生まれてしまうという問題もありました。また、移民(特にインド系)が非常に多いことも印象的でした。これに対しても文化の尊重に関する問題などが起こっているのも目の当たりにしました。これらの問題に対して、より寛容な社会を教育によって目指す社会貢献教育の重要性を再認識するとともに、ボランティア活動へのきっかけとなりました。詳細は別記事をご参照ください。
さて、上記にもある通り留学後半は旅に積極的に出た期間でもありました。旅行先をまとめると以下のようになります。
1. ハリファックス(ノバスコシア州)
ハリファックスは自分が滞在していたフレデリクトンの隣の州であるノバスコシア州にある都市です。カナダ国内では大西洋沿岸の中心都市としても知られているほか、植民地時代に築かれた歴史的な街でもあります。フランス文化が色濃く残るフレデリクトンと対照的にハりファックスはイギリス文化が非常に色濃く残っていることでも有名です。街中には至る所にアイリッシュパブが残っているほか、イギリス風の建築もあちこちに残っています。その他にも郷土料理はあのイギリスのフィッシュアンドチップスだったり、カナダ国内でも特にイギリスの文化が残っていることで有名です。こちらの街までは自分が滞在していた町からバスで8時間程度の長旅でしたが、その疲れを忘れるほどの綺麗な町でした!
2. ケベックシティー・モントリオール(ケベック州)
次は日本からの観光地としても有名なケベックシティーとモントリオールです。一言で言えば上記のハリファックスの真逆とも言えるような町です。というのも、この2つの都市があるケベック州はカナダ国内でも唯一のフランス語のみが公用語の地域だからです。ということで街中ではフランス語が飛び交っているだけではなく、英語が通じないこともあるほどです!北米の商業の中心地でもあるケベックですが、カナダの国民食プーティン発祥の地としても有名です。グレイビーソースがかかったフライドポテトにチーズがトッピングされたこの料理はメープルシロップと並んでカナダを代表する料理として有名です。ほくほくのポテトに濃厚なソースととろけるチーズがかかったこの料理は日本ではあまり知られていませんがケベックを訪れる機会があったら試してみることをお勧めします!
3. ミネアポリス・セントポール(アメリカ)
次は留学中唯一の外国旅行となったミネアポリス・セントポールです。こちらには以前インタビューを行ったNational Youth Leadership Councilが毎年主催しているNational Service Learning Conferenceに参加するために行ってきました。詳しくは別の記事でまとめていますのでぜひご参照ください。
また、BLM運動拡大の発端となったジョージ・フロイドさんの事件が起こった街でもあるミネアポリスは現在でもアフリカ系住民と白人系住民の対立が残ってることを痛感しました。こちらについてもNYLCの記事で取り上げているのでぜひご参照ください。
以上、JFRAインターンが行ったカナダ留学レポートでした。初めての留学生活、そして日本とは全く違う授業内容で日々ワクワクさせられた1年間だったと思います。宗教、政治、司法、文学とさまざまな内容を勉強することによってリベラルアーツとは何か、その学習姿勢を学ぶことができました。また、留学中ということを生かして旅行にもたくさんいけたことも良かったです。時には自分の滞在先の街から飛び出して自分の知らないカナダを見つける旅にすることができたのは特に良かったです。
この他、現地で行ったボランティア活動やミネアポリスで開催されたNational Service Laening Conferenceも別記事でまとめているのでぜひご確認ください!