これまでに全国49地域、120校以上の学校で
社会貢献教育のプログラムが実施されました
今回は神戸市立神港橘高校みらい商学科の事例紹介です。
神港橘高校では以下のMIRAI(みらい)と呼ばれるアドミッションポリシーを基に、卒業後も地元の神戸で活躍する「人財」(たから)を育成することに力を入れています。
アドミッションポリシーMIRAIとは?
Moral:寛容な心と態度を備えた人
International:豊かな国際性を備えた人
Research:人間関係構築力を備えた人
Action:進取の意気を備えた人
Intelligence:深い知性と品格を備えた人
神港橘高校では1年次から段階的に活動の範囲を拡大していきます。1年次には地域を知るために調べ学習を行うと同時に「モラルジレンマ」と呼ばれる「答えのない究極の問題」について生徒同士で意見を交換し発表します。
2年次には実際のフィールドに出る機会が一気に増えます。特に目玉が「高校生バスツアー」「高校生ホテル」と呼ばれる活動です。
「高校生バスツアー」
生徒がお客様のニーズに合わせてツアーコースを設計し、観光バス会社に提案しました。本来であればツアーの添乗員も生徒が務める予定でしたが、昨年度は新型コロナウィルスの流行により、実際に実施することは出来ませんでした。
「高校生ホテル」
ホテルのフロント業務、客室清掃、レストランのウェイターなどの業務を生徒自ら行い、ホテルを運営します。
どちらの活動も生徒が主体的に行動する事が求められる、神港橘高校の目玉イベントです。
3年次にはより将来の進路を意識した活動が増えてきます。中でも、毎週木曜日は登校せずにインターン先の企業に直接出社して業務を1年間行うという独自のインターンシップ制度が目玉です。インターン先の企業も神港橘高校の活動に協賛する商店、百貨店、工房など多種多様です。その他にも卒業の生就職先とも提携するなど、ネットワークも徐々に広がりつつあります。生徒個人の興味に合わせて選定されるのは神港橘高校ならではです。
ねらい・目標 |
卒業後も地域に貢献できる「人財」の育成 |
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対象人数 |
3学名900名程度 |
対象学年 |
1年次~3年次 |
対象学科 |
みらい商学科 |
期間 |
2016年~ |
授業計画 |
1年次 地域を知る 2年次 地域と出会う 3年次 地域と協働する
1年次から段階的に地域との交流を深めていく。「活動を行い、その内容をプレゼンテーションにまとめる」という内容を1年かけて行い、3年間でこれを3回行う。
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教師の役割 |
生徒がボランティア活動や発表活動を行うように促し、それらの楽しさを体験させ、自発的に行動できるようにサポートする |
使用した教材、協力団体・企業など |
地元商店、百貨店、リサイクル施設など多数 |
神港橘高校は2016年に開校した比較的新しい学校です。全国に無数とある商業高校の中でこれほど充実したプログラムは非常に珍しいです。「卒業後も地域に貢献する」という普遍的ながら非常に重要なカリキュラムを展開しています。今後、神戸の地域が高校の卒業生によってどのように変わっていくのか非常に楽しみです!