これまでに全国49地域、120校以上の学校で
社会貢献教育のプログラムが実施されました
今回は富山県にある入善高校で実施されているNTS(入善ツーリズムスタディ)についての事例紹介です。
NTSとは観光を通して、フィールドワークを行い地域の現在・未来を考える人材を育成し、さらに問いを深めていくプログラムです。2年生から3年生の2年間で実施しており、「問い」を立て、「答え」をさがすというプログラムが特徴的です。
プロジェクトの概要について
ねらい、目標 |
地域の人やフィールドとの対話の中で生徒にとって「変化」が起こること 生徒自身が、地元のことについてジブンゴトとして捉えられるようになるだけでなく、地域の人たちが地域のことについて語りなおすことで地域を考え直すきっかけになるというような、相互作用的な関係性が生まれること 物事を見る中で多様な視点を身に着けてもらう |
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対象人数 |
36人 |
対象学年 | 高校2~3年生 通年 |
学科 | 普通科 観光ビジネスコース |
期間 |
2年間 |
授業計画 |
2年次:在校生の居住エリアである場所でフィールドワークを行う 1・2学期で「観光」という視点で地域を見直すフィールドワークを実施します。これは主に教員が企画をし、21年度は全部で9回実施されました。 3学期には自分たちの関心でテーマを決めグループでの研究を始める。 3年次:地域課題に対する解決策の提案、地域の活動の再発見などを研究し、地域全体に成果を発表する |
教師の役割 |
前半の観光に関するフィールドワークの企画。テーマと行先を考えるが、実際の聞き取りは生徒が中心となって行う。テーマは生徒の意見を取り入れることもある。 後半のグループ研究では主にファシリテーションを担う。生徒のわかったつもりに疑問を投げかけて、問いの深化を促す。安易に答えを見つけたり、どこかで聞いたことのある結論をもってきたりするのではなく、フィールドからわかったこと、感じたこと、フィールドの人々がどう考えているかを大切にする態度を強調している。教師は2~3人で対応しているが、必ずしも生徒へのコメントを統一しないようにしている。多様な視点があること、多様な選択肢があることを生徒に考えさせるためである(共通理解は図っている)。 |
NTSでは地域の人やフィールドとの対話の中で生徒にとって「変化」が起こることを一番の目標として挙げています。
生徒自身は、地元のことについて「ジブンゴト」として捉えられるようになります。また、地域の人たちが地域のことについて語り直すことで、地域を考え直すきっかけになり、相互作用的な関係性が生まれることを目指しています。
生徒たちには、大学で学ぶことのできるテクニック的なものや専門的な知識ではなく、多様なものの見方を身に付けてもらいたいといいます。「本当に地域にとって必要なものは何か」という問いに向き合うことで訓練を積むそうです。
最終的な3年次では、地域課題に対する解決策の提案・地域の活動や人材の再発見などを研究し成果を発信します。来年度は感染状況次第ではありますが、地域の人たちも参加できる市民ホールで、活動の成果を発表する予定だそうです。
NTSの活動が本格的に開始したのは21年度からです。そのため、生徒の意見も広く採用しながらプログラムを作っており、生徒の皆さんも「自分たちの意見が反映されやすい」と話してくれました。
「観光」という視点から地域を見つめなおす、興味深いプログラムでした!
ぜひ今後のプログラム作りの参考にしていただければと思います!
入善高校の生徒の皆さんの声・取り組みについてはこちらの記事もご覧ください!
富山県立入善高校 観光×地域を考えるNTSに取り組む生徒の声|事例|社会貢献教育ポータル (jfra.jp)