これまでに全国49地域、120校以上の学校で
社会貢献教育のプログラムが実施されました
東京都板橋区にある、板橋区立第三中学校の3年生4クラスでは、昨年のLearning by Giving(以下、LbG)実施をふまえ、新たに「公民プロジェクト」として、独自の取り組みが行われています。
公民の授業の中で、プロジェクトに取り組む機会を設け、生徒たちが主体的にプログラムを企画・実施しています。
前年、2020年度の、LbG取り組みについての記事はこちら
主なプロジェクトは
1.板三版LbG
2.新聞投稿
3.区長への手紙
4.株式投書体験
5.RESASを使った地方創生
以上5つとなっています。また、中には独自プロジェクトとして、フードドライブに取り組む生徒や、ペットボトルキャップ回収に取り組む生徒など、自分の関心に合わせてプロジェクトを作っていきます。
この「公民プロジェクト」ですが、実際にどのような計画と流れで実施されているものなのか、先生に伺ってみました。その内容をまとめたのが以下の表です。
授業計画について
単元 |
公民(経済・国際社会単元) |
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ねらい |
知識:現代社会の特色、政治のしくみ、経済のしくみ、地域・日本の社会的事情 |
期間 |
2021年7月(定期考査後)~1月末 |
流れ | ①各生徒によるプロジェクト参加の動機・目的・方法・目指す社会についてのプレゼンテーション(学級内) ②グループ分け・活動開始 全校生徒で行うプロジェクトのため、プロジェクトメンバーは学級が違います。オンラインツールを活用しながら、各学級のチームごとに進捗を共有して、やり取りします。 ③振り返り 現時点では、レポートもしくは小論文で、最終振り返りを行う予定。 |
公民プロジェクトは、知識、技能、思考・判断・表現、主体的に取り組む態度を育成するために実施されています。
「社会とつながる」を大きな軸として、地域をはじめ周りの人たちとつながりながら生徒たちはプロジェクトに臨んでいました。
今回は、「公民プロジェクト」の一つ、「板三版LbG」のチームが取り組んでいる、歯ブラシ回収について、生徒に話を聞いてみました。
このチームは、校内でいらなくなった歯ブラシを回収し、テラサイクルというリサイクルプログラムに応募することを計画しています。テラサイクルでは、回収した歯ブラシの重量に応じてポイントが付与され、そのポイントをお金として寄付することができます。
板橋区立板橋第三中学校で2020年度に実施したLbGでは、託されたお金の寄付先を生徒たちで決めるという形でした。一方、今回の板三版LbGでは、まずは自分たちで歯ブラシの改修を通じて、寄付金を集めるところから取り組みます。最終的には、得られたポイントの活用方法として、生徒が寄付先の決定を行います
歯ブラシリサイクルのチームが連携を取る、テラサイクルの取り組みについてはこちら
歯ブラシを多くの人から集めようと、校内掲示用のポスター制作に取り組む生徒は、「歯ブラシは1カ月使用したら、新しいものに変えなければなりません。歯ブラシを販売する会社のホームページなどでははっきりと記載がありますが、意外とみんな知らないと思います。ポスターではそれを強調して書いています。」と話してくれました。
生徒だけの回収にとどまらず、生徒が宣伝を見て自分の親や知り合いに伝えることでもっと活動を広めたいと考えているようです。
他にも、プロジェクトに取り組む生徒の声では、
「今まで言葉だけしか知らなかったようなことも、自分たちで調べて行動を起こそうと工夫することで、深く考えられるようになった。もっと伝えていきたいし、自分も知りたいと感じられた。」と話してくれました。
まさに、自分から学び、行動する。その循環ができているのだと感じました。
ポスター作りに取り組む生徒の様子
実際に現地を訪れて、生徒の皆さんが作り出す、エネルギーのあふれた空間に圧倒されました。
活動の多くは、地域や社会に向けて発信していて、それがまたさらに新しい人とつながるきっかけになっていると感じました。生徒にとっても刺激的なことばかりで、期待感をもってプロジェクトに取り組んでいる様子が伝わりました。
先生たちは、生徒がやりたいことをどんどんと促進し、背中を押してくれる、だからこそ伸び伸びと生徒たちが活動できる場が形成されていました。
今後は、最終の振り返りに向けてそれぞれのプロジェクトが進んでいくようです。
今後の生徒の取り組みも楽しみですね!