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事例

これまでに全国49地域、120校以上の学校で
社会貢献教育のプログラムが実施されました

【Learning by Giving実施事例】22年度両国高校・総合的な探究の時間 ゼミH Learning by Giving! 社会科学

はじめに

2022年6月9日〜2023年3月23日に、東京都にある都立両国高校にて高校1・2年生の28名を対象に「寄付先を子どもたちに託すプロジェクト(Learning by Giving)」が実施されました。

総合的な探究の時間 ゼミ H Learning by Giving 社会科学」としてSDGsの学習と絡めながら、Learning by Givingが実施されました!

執筆者紹介


天尾 美花(あまお みか)
■東京大学ファンドレイザー/横浜商科大学非常勤講師
■日本ファンドレイジング協会 認定ファンドレイザー・社会貢献教育ファシリテーター・from Me 公認ファシリテーター
■寄付月間共同事務局メンバー(大学チャプター運営委員 広報・会計担当)

<社会貢献教育活動にかかわるようになったきっかけ>

保護犬・保護猫を引き取った経験から、寄付やボランティア、NPO活動に関わるようになりました。自分の欲しい未来、望む社会を自分の力で選び取ることのできる寄付のチカラをたくさんの方に広めたい、という思いで社会貢献教育活動に携わるようになりました。大学教職員として、そして社会人学生としての立場からも、自分の価値観との出会いや気づきを与えてくれる「学び」の機会の重要性を日々感じています。

プログラムについて

両国高校では、「総合的な探究の時間」で生徒が11のゼミに分かれ、それぞれの問題関心に応じて問いを立て、グループでの研究と発表を行いました。今回は社会科学コースのNPOゼミにてLearning by Givingが実施されました。受講者は昨年から継続の2年生と新しく参加する1年生、2年生で構成されています。

プログラムの概要

狙い、目標

託された寄付を通じて、受講者同士が対話を深めていく中で、各自の寄付の<意味>や<価値>を発見して気づくこと

対象人数

28人

対象学年

高校1・2年生

単元

総合的な探究の時間(ゼミ H Learning by Giving! 社会科学コース NPOゼミ)

期間

2022年6月9日~2023年3月23日
毎週木曜日6・7時限(全27時限)

プログラムの詳細・シラバス

6


 

 

 

 

1限目

●イントロダクション

自己紹介やガイダンス、アイスブレイクワークショップを行いました。

●社会に貢献するワークショップ①社会貢献はなぜ必要?

2限目

●社会に貢献するワークショップ②NPOはなぜ必要?

●夏休みの課題について

自分の気になるNPOを調べて、そのNPOに寄付することを想定しながら(どこが響いたか?何故そのNPOが気になったのか?どこが自分に響いたのか?)を考え、2学期に調べた内容を持ち寄ることにしました。

3限目

●生徒作業日

気になるNPOを調べる、なぜそのNPOが気になったのか、どこが自分に響いたのかを調べてもらいました。

4限目

●夏休みの課題・文化祭に向けて改めて質疑やフィードバックを行いました。

5限目

●生徒作業日

気になるNPOを調べる、なぜそのNPOが気になったのか、どこが自分に響いたのかを調べてもらいました。

7

 

6限目

●生徒作業日

気になるNPOを調べる、なぜそのNPOが気になったのか、どこが自分に響いたのかを調べてもらいました。

7限目

●生徒作業日

気になるNPOを調べる、なぜそのNPOが気になったのか、どこが自分に響いたのかを調べてもらいました。

9

 

 

8限目



●夏休み前の1・2時限目の内容の振り返り

やったこと、寄付者メッセージなどを振り返りました。

●調べたことの発表(課題の共有)

グループごとに調べた内容を共有し、バブルマップでグループでの関心事や方向性を1枚化する作業を行いました。

 

9限目

●寄付者との対話

寄付者に対し、寄付に込めた想いや寄付した基準などをヒアリングしました。

●支援先NPOの候補団体の絞り込み

絞り込み方法を考えました。ここでは24団体から3団体に絞り込むため、対話プロセスの設定が重要なキーとなりました。

10限目

●前回の振り返り

前回までの振り返りを行い、支援候補団体について議論しました。

10

 


 

11限目

●支援候補団体の決定①

決定した支援候補団体3つについて議論し、投票しました。
しかし、
30万円の寄付のインパクトと提供される情報・対話時の意見聴取の公平性が必要ということで次の週に再度候補先を見直すことになりました。

12限目

●支援候補団体の決定②

振り返り座談をおこない、団体絞り込み直しの対話を行い投票により新たな候補先3団体が決定しました。

決定した団体は下記3つ
いぬねこプロジェクト / 
グッド・ネ―バーズジャパン / しんぐるまざあずふぉーらむ
選ばれた3団体について希望をとり、次週以降、新しいグループで議論することになりました。また、団体のどういうことがわかれば安心して寄付やボランティアに参加できるかについても議論しました。

最終的にNPO対話の際、各自メモし11/24以降に全体対話で評価軸を決定することになりました。



 投票と決定の様子

13限目

●生徒作業日(調べ学習)

11

 


 


 

14限目

●NPO対話に向けた準備

調べたことの共有(グループ内共有→全体共有)とNPO評価シートの作成を行いました。

15限目

●NPOとの対話
NPOプレゼンテーションと質疑応答
個人評価シートの記入・周りの人に聞いてみる(課題)

 

16限目

●生徒作業日

NPOとの対話を受け、生徒がフィールドワークに行きました。

※右写真はフィールドワークの様子(両国高校HPより抜粋)

https://www.metro.ed.jp/ryogoku-h/news/2022/12/newsentry_86.html

「いぬねこプロジェクト」の保護猫シェルターへの訪問と「グッドネイバーズジャパン」の倉庫整理のお手伝いに行きました。写真は保護猫シェルター訪問の様子です。


12

 


 


 


 

17限目

18限目

19限目

●中間発表

20限目

1

 


 


 

21限目

●評価軸の決定
次回3団体から1団体に絞るための団体評価軸(=観点)を10個に絞りました。観点について活発な議論が展開されました。中間発表のポスターをみたりしながら、次回までに自団体を10個の観点で評価してみようということになりました。

贈呈式の様子

22限目

  • ●支援先の決定

投票結果と個人評価シートの記入の結果を受けて参加者全員で対話しながら支援先を決めました。全員一致で「いぬねこプロジェクト」に決定しました!

23限目

●贈呈式 

2
 

24限目

  • ●生徒作業日

最終発表に向けた準備

25限目

3

26限目

●最終発表日(ポスターセッション)

27限目

※寄付活用のその後(生徒最終発表ポスターより抜粋)

まとめ

今回のLearning by Giving は新しい学習指導要領の下、行われました。調べ学習や仲間との対話、チーム発表を通し、生徒にとって「新たな視点で社会課題や社会貢献や寄付を見つめ直す機会」になりました。

この授業で印象的だったのは【30万円の寄付のインパクト -30万円の相対的価値-】と提供される【情報・対話時の意見聴取の公平性が必要】という意見で、候補先3団体を新たに見直すという「対話による発見と創造」が生まれたことでした。

また、30万円の相対的価値とともに【団体が扱う命が「人間」か「動物」かという点 -命の種類に価値の差はあるか― 】という点も大きな焦点となり、活発に議論されました。

そのうえで明確な活動計画と「使い道」を示した、いぬねこプロジェクトに30 万円を募金することになりました。寄付者から託された30万円の寄付金を大切に、どうやって活用していくのが一番良いのか、生徒たちは常に真剣に議論していました。


プロジェクトの感想として、一匹の動物の命の重みを知るきっかけになった、寄付をしたという実感が得られた、NPOから感謝されるということが実感できた大金の重みを考えるきっかけになった、自分たちのゼミ独自のアイデアで社会貢献に携わることができた、というコメントがあり、生徒の様々な気付きや学び、体験につながったことが伺えます。


今回の学びが、みなさんの「自分らしい社会参画」の第一歩につながればと思います!

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