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【報告】第3回ファンドレイジング研究会

2009.10.19

【会員限定】第3回ファンドレイジング研究会の報告

イベント型ファンドレイジング  

10月7日、午後7時から9時まで、日本財団ビル会議室で、第3回ファンドレイジング研究会を開催しました。

「ファンドレイジング研究会」は、当協会の会員を対象として、NPOの資金調達改善の事例研究やスキルアップ研修を実施することを目的とするもの。相互の学び合いの環境を担保するために、人数を20名と限定して、参加型で開催することで、ノウハウや知見の集約、共有を図ります。

その第3回目のテーマは、「イベント型ファンドレイジング」。

今回の事例発表者は、認定NPO法人難民を助ける会の山田かおり氏と、Room to Read東京チャプターの小川宏氏のお二人でした。

難民を助ける会の一般の人に広く参加してもらうチャリティコンサートによるファンドレイジングと、Room to Read の、対象を限定したクローズドなパーティ開催によるファンドレイジング。この対照的な2事例を徹底的に検証しました。

はじめに、難民を助ける会の山田さんが発表されました。
難民を助ける会は、1979年にインドシナ難民を支援するため設立され、これまで50ヶ国以上で人道支援活動を行ってきました。現在は緊急支援、障害者支援、地雷対策、感染症対策
啓発を柱に活動を展開されています。 

難民を助ける会では、より多くの人に難民支援の重要性を知ってもらうために重要な機会であるとして、年1~2回のチャリティコンサートを開催しています。今年の30周年記念コンサートには、歌手のさだまさし氏とヴァイオリニストの天満敦子氏を招いて開催。30周年ということで天皇皇后両陛下が臨席され、NGOのイベントに両陛下が臨席されたということでも注目されました。

コンサート開催には出費もかさみますが、難民を助ける会では、音響代を節約するために、音響設備のいらない歌手やソリストを公演者に迎える、準備から当日の会場運営まで、理事も含めて20-30名のボランティの力を結集するといった工夫で経費の節減を図っているとのことです。また、コンサート会場の随所で、理事やボランティアが募金箱を持って活動への支援を積極的に訴えているそうです。

山田氏は、総収入の2%となる収入源としてだけではなく、広く一般の人に活動について知ってもらう、また、支援者に会場で直接お礼が言える機会として、チャリティコンサートは会のミッション達成に重要な位置づけとなるものだと述べました。

他方、今後の課題として、下記の3点を挙げました。
・クラシックコンサートでは、最大2千人の収容規模にとどまってしまう。(武道館など2万人規模の収容は困難)
・事務局スタッフの負担の増加。(とりわけ、災害・紛争時の緊急支援と重なると多忙を極めることになる)
・歴史ある団体としての伝統を引き継ぎながらも、若いスタッフの知恵を活かした新しいイベントを考える必要がある。

そして、「新しいタイプのイベント」として、小規模のジャズコンサートなどにも挑戦を開始しているそうです。

続いて登壇された小川氏は、1999年の設立されたNGO。途上国の子どもに教育のインフラ(図書館や学校)を提供しています。マイクロソフトの役員だったジョン・ウッド氏が設立し、その動機などが出版されてベストセラーになったことでも注目され、世界中の「チャプター」で活動を展開しているNGOです。小川氏は、その東京チャプターの一員。小川さんも含めて、チャプターの構成員は全員ボランティア。日常は大企業などで働き、週末やアフター5を活用して、本業で培った高度で専門的なスキルを駆使して活動されています。

イベントには2種類あって、そのひとつは、富裕層を招いて開催する「ファンドレイジングパーティ」。今年5月に六本木ヒルズで開催された「An Evening in the Library for Nepal」では、320人の招待客を対象に、賛同企業から集めた高額な品(ブランド品や海外旅行などに加えて、有名プロゴルファーとラウンドできるといったものまで)についてオークションを行い、2時間で6000万円を得、一夜にして学校8校、図書館3棟、図書室25室の資金が集まりました。

小川氏は、「このファンドレイジングパーティ」成功のポイントとして、下記の5点をあげました。
・寄付金使途の透明性
・ドナーに対する説明責任
・Room to Read 理念への共感
・創立者ジョン・ウッドのストーリー性
・パーティ当日の非日常的な演出

その一方で、Room to Read では、若い人を対象に、より気軽な寄付集めのイベントも行っています。「Beer for Books」というもので、地域のパブやレストランで開催。その日に飲んだビール1杯につき100円が寄付されるというもの。100円がおよそ児童図書1冊ということで、FacebookやSNSを使って告知・集客をはかるなど幅広い層に活動を支援してもらえる努力をしているそうです。今年中に47都道府県で開催し、2012年末には500万冊を寄付したいとの目標を設定しています。成功の秘訣は、「Simple、Fun、and IT」。

小川氏は、ファンドレイジングイベントの目的は、認知度を上げ、参加者のモチベーションを上げ、資金調達を図り、その結果社会的課題の解決を図ることだと締めくくられました。

ちなみに、東京チャプターは、2007年に設立。世界40チャプターの中で最も短期間で寄付額二億円に達成したチャプターだそうです。

お二人の事例発表の後は、質疑応答、さらに2テーブルに分かれてのディスカッションを行いました。質疑応答では、イベント運営方法やコストなど極めて具体的な質疑が続きました。

また、テーブルディスカッションでは、参加者の中でイベントを開催しているNPOの方々から自団体の事例の報告が行われ、先の2つの事例発表を受けて、様々な検証や新しい提案など活発な意見交換が行われました。

毎回、研究会では、終了後に「1時間だけ」の懇親会を開催します。この日も、ほとんどの方が参加され、和やかな交流と、熱心な議論が続いていました。

なお、研究会では、毎回、終了後の1週間後に、参加者がオンライン上(ファンドレイジングネット:http://frn.npoweb.jp/ )で研究会を振り返る1日書き込みイベントを行います。

研究会の2時間だけではなく、その後に皆で振り返ることで、さらに学びが深まればということで始めたものです。

研究会は会員限定で開催されるものです。会員となって御参加を希望される方は、こちらから会員申し込みをお願いいたします。

https://jfra.jp/wp/form/sanka.php