投稿日:2016年6月1日

「英米における社会的インパクト投資・評価の現在」報告会開催レポート

下田 聖実Seimi Shimoda

「英米における社会的インパクト投資・評価の現在」報告会開催レポート

5/16三菱UFJリサーチ&コンサルティング様との共催で「英米における社会的インパクト投資・評価の現在(米国編)」の報告会を開催しました。

連続セミナー「英米における社会的インパクト投資・評価の現在」報告会詳細はこちら
※英国編は6/1(水) 19:00-21:00開催

今回のジャーナルでは「米国編」の開催レポートをお届けします!
報告会では、アメリカの助成財団等の資金の提供元を対象とした調査(現地ヒアリング調査)から明らかになった「米国の社会的インパクト評価に関するトレンド」について共有いただきました。

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【報告会参加者の様子】

■ 社会的インパクト評価 海外事例の発表(米国編)
米国は、日本に先駆けて社会的インパクト評価に取り組んでいます。報告会では米国の10団体に実施したヒアリング調査結果について、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの水谷さん、家子さんよりご紹介いただきました。
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【ヒアリング調査対象一覧(「米国における社会的インパクト評価の現状について」 より)】

水谷衣里さんによると、米国では社会的インパクト投資が民間主導で推進されてきたことに伴い、「社会的インパクト評価の概念やツール」が急速に整備されているそうです。
例えば、米国の非営利団体であるGIIN(GLOBAL IMPACT INVESTING NETWORK) は、IRIS(Impact Reporting and Investment Standards) という社会的インパクト評価の指標を標準化し、体系的に整理した「指標のカタログ」を無償で公開しています。この指標のカタログは日本でも活用できそうですね。
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【発表の様子】

また、世界中の助成金情報を提供するオンラインデータベースを提供する団体Foundation Centerは、TRASI(Tools and Resources for assessing Social Impact) という社会的インパクト投資のアセスメントを目的とする各種ツールを検索するためのデータベースをMacKinsey&Co.の協力により開発し、サービス提供を実施しているようです。

ご紹介したツール以外にも米国では、様々なインパクト評価のツールやサービスが開発されています。
米国の社会的インパクト投資に関わる各団体の取り組み状況は、以下に分かりやすくまとめてありますのでご覧ください。
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【各活動団体の取組の狙い(「米国における社会的インパクト評価の現状について」 より)】

更に詳しい情報を知りたい方は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング「米国における社会的インパクト評価の現状」に関する報告書をご覧ください。

■ 報告会へのコメント
今回のセミナーには、オーガナイザーとして伊藤健さん(慶応大学 政策・メディア研究科 特任助教)、コメンテータとして今田克司さん(一般財団法人 CSOネットワーク)にご参加いただきました。社会的インパクト評価の専門家である、お二人からはとても貴重且つ、本質的なご意見をいただけました。お2人のコメントをまとめると・・

✔米国の社会的インパクト評価・投資には、歴史や社会的背景の影響、トライ&エラーを経て現在の取り組みが誕生した。
✔社会的インパクト評価・投資の「意義や目的」を見失ってはならない。

上記2点に集約できると感じました。
社会的インパクト評価・投資という概念を一人歩きさせるのではなく、「何の」ための評価なのか?「誰の」ための投資なのか?「なぜ」評価を行う必要があるのか。といったことをきちんと議論することが大切だとおっしゃっていました。

社会的インパクト評価・投資を実施することを目的とせず、「手段の1つ」として取り組むことが重要なのかもしれません。

最後にQ&Aも行ったのですが、インパクト評価の厳密性や米国の財団の取り組みについて等、様々な質問が飛び交いました。この分野の注目度の高さを表しているようでした。

米国編の開催レポートは以上です。

連続セミナー「英米における社会的インパクト投資・評価の現在」報告会、次回は英国編です!

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Profileこの記事を書いた人

下田 聖実 Seimi Shimoda

慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科修了。
大学卒業後、教育系NPOのファンドレイジングを担当。
その後、外資金融情報ベンダーや大手監査法人のアナリストとして企業価値向上に向けたESG(環境・社会・ガバナンス)や財務分析業務に従事。他、NPO法人マドレボニータでインターンの経験有。

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